インプラント治療が一般化する一方で、トラブルも多く、「怖い」という声も。失敗しないインプラント治療とは? 押さえておきたいポイントとは?
骨の内部の構造まで
把握するのが不可欠
「インプラントは適切に行えば、しっかり嚙めて、一生使えるすばらしい治療法です。しかし不適切に行われた場合は、最悪なものになってしまいます。トラブルが起きたとき、自分でリカバリーができない医師は手術をするべきではありません。しかし実際には経験不足の医師が少なくないのが現状です」(新谷悟先生)
インプラント治療とは、失われた歯の部分に、人工歯根を埋め込んで、それを土台に人工歯を取りつける方法。
「この人工歯根(インプラント体)をいかに正しい位置、角度、深さに埋め込むかがこの治療の命。しかしながら、この手術を“勘”だけで行う医師が多く、これが多くのトラブルを生む原因です」
大学病院で豊富な臨床経験を持ち、技術を教えてきた大ベテランの新谷先生であっても、絶対に勘だけで手術を行わないのだといいます。
「私が正確な手術のために、用いている方法が3つあります。欠かせないのは、CT撮影。骨の内部の構造まで、立体的に把握する必要があるため、このCTスキャンは必要不可欠。これを行わずに手術する医師は避けるべきです。手術を決断する前に、確認すること!
そして、CTデータをシミュレーションソフトに取り込み、骨の形や硬さ、神経の位置などを確認しながら、事前にバーチャル手術を行います。これで術中の危険を回避し、安全性を高めます」
失った歯を人工歯根で再生させる外科療法
インプラントは人工歯根をあごの骨に埋め込み、そこに人工歯を装着する治療です。重要なのは人工歯根を正しく挿入する技術。それをサポートする3Dテクノロジーとは?
次回はインプラントの手術にかかせない「サージカルガイド」などについてご紹介します。
撮影/中川十内 構成・原文/山村浩子