CMなどで頻繁に目にするQR決済や電子マネーなど、スマホやカードを使ったキャッシュレス払い。「何が便利?」「いろいろあるQR決済の違いって何?」など、今さら聞けない(だけど知りたい)キャッシュレス決済の基本をご紹介します!
お話をお伺いしたのは
丸山晴美さん
Harumi Maruyama
節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。家計管理、節約に関する著書『節約家計ノート』(東京新聞)などで、お金とのつき合い方を提案
キャッシュレス決済のメリット、デメリットって何?
キャッシュレス決済は、使う種類を増やすとどれでいくら使ったかわからず、家計管理がしにくくなったり、使いすぎてしまいがち。
「でも逆に、数を絞ればキャッシュレス決済はすぐに使用履歴を見返すことができ、家計管理が楽になることも。潔くひとつに絞るのも手ですし、いくつかを並行して使いたいなら、家計簿管理アプリにひもづければ、家計簿をつけなくても支出が把握できるので便利。
使いすぎが心配な人は、プリペイドカードや電子マネーといった前払いのチャージ式のものを選び、予算を決めて使うといいですよ」
キャッシュレスは現金を触らずにすんだり、万一不正利用されたときの被害が最小限ですんだりするのが利点。
でも、高額商品はクレジットカードで払い慣れていても、小額をキャッシュレスで払うのは抵抗がある人もいるのでは。
「たとえるなら、クレジットカードは“長財布”、QR決済などは“小銭入れ”。メインとサブに分けてキャッシュレス決済を気軽に使えるようにするのも、便利に使いこなすコツです」
今はQR決済に焦って飛びつく必要はありません!
お店で若い人が「ピッ!」とスマホで会計するのを見て、「私もQR決済を始めたほうがいい?」「やらないとお得を逃してる?」と焦った経験はありませんか?
「その気持ち、よくわかります!でもQR決済は、一時期に比べて大々的なキャンペーンが落ち着いてきたところ。還元率も、スタート時の高還元率ではなくなりつつあります。今すぐやらないと損、という状態ではないし、無理に手を出す必要はありません。
もし始めたいなら、まず自分の生活に合ったものをひとつだけ選んで。そして、それを使いこなせるか試してみるのがおすすめです」
と、節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんがアドバイスしてくれました。
おもなキャッシュレス決済
クレジットカード
「読者世代にはいちばんなじみのあるのがこちら。VISA、Master、JCBなどに代表される、あと払い式のキャッシュレス決済。最初に審査を受けて“利用限度額”が決まり、その範囲内で利用し、あとで支払います」
プリペイドカード
「今までは金券のようなものが多かったですが、最近ではVISAプリペイドカードのように、先にお金をチャージしてVISA加盟店で使える、いわば前払い式のクレジットカードのようなものが増えています」
デビットカード
「銀行口座にひもづけ、使ったら即時に銀行口座の残高から引き落とされます。カードのブランドにより、VISAやJCBなどの加盟店で使用可。ATMを使わず決済でき、利用料がかからないので上手に使えばお得」
電子マネー
「あと払い式のものもありますが、最初にチャージをして、読み取り機にタッチする非接触型の支払いをするタイプがメイン。代表的なものがSuicaやnanaco、楽天Edyなどで、チャージ金額の上限もあって安心」
QRコード決済
「スマホの端末にアプリを入れ、消費者のQRコードをお店に読み取ってもらうか、店舗側のQRコードを消費者が読み取る方法で決済。クレジットカードや銀行口座にひもづけたり、現金チャージも可能です」
イラスト/カツヤマケイコ 取材・原文/倉澤真由美