【教えていただいた方】
1969年生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年に日本総合研究所に入社。在職中にFP資格を取得、98年に独立系FPとして転身。現在は、各種セミナーや講演、執筆、個人相談など幅広く活躍。CNJ認定 乳がん体験者コーディネーター、消費生活専門相談員資格取得。「がんとくらしを考える会」理事、城西国際大学経営情報学部非常勤講師なども務める。著書に『がんとお金の真実(リアル)』『親の介護は9割逃げよ』『病気にかかるお金がわかる本』(共著)『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』『終活1年目の教科書』など多数。
こんにちは。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子です。
50代は、母として妻として家庭で重要な役割を担いながら、仕事面でも責任ある立場になることが多い年代です。
人によっては老いた親の世話も加わり、さらに忙しくなっている場合もあります。
ですから、やらねばならないことは山積み。
とはいえ、まだまだ元気ですから、忙しい合間を縫って、休日は趣味に打ち込んだり、旅行を楽しんだりと精力的に動いている人も多いと思います。
けれどOurAge世代ともなると、普段は本当に元気いっぱいな人が急に大病をしてしまうことがあるのです。
私も40歳で乳がんになるまで、自分が健康だと思っていました。
忙しい日々が続いても「ちょっと寝れば平気」と思っていましたし、実際に頑張れば乗り切れていたのです。
そんなふうに健康を過信してしまうことってありませんか。
でもそれが要注意なのです。
◆健康の価値は××万円! 健康に気を使うことこそが大きな資産になります
以前連載した「50歳からお金が貯まる人になる8つのレッスン」の第1回で「健康の価値は、お金に算すると試算すると××万円の価値があると割れているのですが言われているのですが、いくらだと思いますか?」とクイズを出したことがあります。
その答えはなんと、5000万円!
資産というと預貯金や不動産、株などが真っ先に思い浮かびますが、むしろ「健康であること」が5000万円もの大金に相当する重要な資産なのです。
そういう意味でも、健康を過信して何の対策もしないでいるのは本当に怖いことです。
自分の体の声をちゃんと聞いて、疲れたらすぐに休むこと。
自分の体が悲鳴を上げている状態を無視しない、無理をしないこと。
このふたつの基本的なことに加え、OurAge世代はさらに次の4つを心がけることが大切です。
◆自分の体の声に耳を傾ける、病気予防にお金や労力をかけることも大切
・生活習慣に気を遣う
・がん検診などの検診や人間ドックをちゃんと受ける
・かかりつけ医やかかりつけ薬局を持つ
・経済的備えをしておく
まずは生活習慣について。
人生100年時代、できるだけ長く働きたいと思っている人も多いと思います。
毎日でなくても週2~3回働くだけでも収入があるという安心感が生まれますし、お金だけではない人生のハリや楽しみも持てそうですよね。
これも心身とも健康でなければできないことです。
もちろん、いつどんな病気になってしまうかは誰にもわかりませんが、日々生活習慣に気をつけることで発症リスクを減らせる病気もあります。
特に日本人は入院患者の3人に1人は生活習慣病が入院の原因というデータもあります。
まずは毎日の生活を意識するだけでも、この先の健康を維持できるかどうかが変わってきます。
よく言われていることですが、バランスのとれた食事をとり、規則正しい生活を送ること。
そして運動も大切です。
週3回以上、1回30分以上の有酸素運動をすることで認知症の発症リスクを抑えるともいわれています。
近所をウォーキングするだけでもいいので、無理のないところから運動を習慣化していけるといいですね。
次に、がん検診などの検診や人間ドックについてです。
がん検診は、定期的に受けることでその病気による死亡を減少させる効果があるという医学的なエビデンスのあるものを、定期的に受けるのがおすすめです。
例えば、乳がん検診や子宮頸がん検診などがそうです。それら婦人科系のものに加え、胃がん検診、大腸がん検診、肺がん検診などもこれに当たります。
医療の発達に伴い、がんは早期に発見して適切な治療をすれば生存率が高まると言われているので、受ける価値は大きいと思います。
もしかしたら家庭のことや仕事で忙しくて、検診を受けることを後回しにしてしまうこともあるかもしれません。
また、「今はこんなに元気なのだから検診にお金をかけるのはもったいない」と感じる人もいるでしょう。
でも、万一病気の発見が遅れて後で大変なことになったときには、検診にかかる以上の時間とお金が治療にかかってしまいます。
それを防ぐためにも、きちんと検診を受けることはとても大切なことなのです。
これは人間ドックにも同じことがいえます。
ほぼ1日を費やしたり、コースによっては1泊2日など泊まり込みで受けるものもあるので、時間もお金もそれなりにかかりますが、何か異常がないかチェックし、早いうちに手を打つことは意義があります。
そして、かかりつけ医やかかりつけ薬局を持つことも大切です。
普段のあなたの心身の状態を知ってもらっていて、ちょっとしたことでも気軽に相談でき、アドバイスをもらったりする場があるのは、とても安心です。
家から通いやすいところで信頼できる先生がいる病院や、相談しやすい薬剤師さんがいる薬局を見つけておき、何かあったときには利用できるようにしましょう。
経済的備えについては、次回に詳しくお話ししたいと思います。
今回はここまで。
次回もお楽しみに!
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取材・文/倉澤真由美