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“科学的に証明された究極の食事”と話題の「地中海食」。普段の和食ごはんも“究極の食事”にしてくれる食品とは?

こんにちは、草間由紀です。「おでかけ女史組」スタート時から4年間、旅行や食を中心に書いておりました。現在もPRやライターの仕事を通して、特にアラフィフ女性に向けて情報を発信しています。今回は、今話題の健康食“地中海食”に欠かせないオリーブオイル発祥の地と言われる、チュニジアのオリーブ農園を訪ねる機会に恵まれました。

 

 

1980年代に提唱され始めた地中海式ダイエット(地中海食)は、2010年にユネスコ無形文化財に登録され、再び注目が集まっています。「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」(UCLA助教授 / 医師 津川友介著)でも紹介されているように、クスクス、全粒パン、米などの穀類、イモ類、果実、野菜、豆類、ナッツ、オリーブオイル、チーズ・ヨーグルトを毎日、魚、鶏肉などの白身の肉、卵などを週に数回、牛肉、豚肉などの赤身肉は月に数回摂取するのが、「科学的に証明された究極の食事」である地中海食なのです。

 

地中海食で多用されているのがオリーブオイル。乾燥した地中海気候から肌を守り、ビタミンEやポリフェノールの含有量が多く抗酸化に優れたオリーブオイルは、古より美と健康に用いられてきました。紀元前8世紀にはすでにオリーブオイルを生産し、世界で初めてオリーブ樹木の栽培を始めたと言われるチュニジア。世界最古、樹齢4000年とも言われるオリーブの樹木が残っているそうです。かつてフェニキアの交易拠点として栄えた都市国家カルタゴがあり、フェニキア人がオリーブ樹木を栽培し、交易によって地中海沿岸にオリーブ樹木の栽培が広まったそうです。

 

 

今回、私はチュニジアのオリーブオイルメーカーの大手、チョー(CHO)社の農園を訪ねました。農園には、幹の太い立派な樹木が整然と植えられています。樹木間の距離は24m。これによって、オリーブ樹木はしっかりと根を張り、雨量の少ない環境でも必要な水分を吸収できるそうです。半砂漠性気候がもたらす効果で肥料がいらず、また害虫が生息していないため、伝統的な無農薬・無肥料農法が続けられています。

 

オーガニック栽培の樹木から収穫するオリーブの実は全て手摘み。小さな熊手のような道具で熟した実をやさしく枝から樹の下に敷かれた網に落としていきます。落とした実はふるいにかけて混じった葉を取り除いてから、収穫籠に集めます。私も収穫を体験させていただきました。実がなっている小枝に熊手を差し入れ歯の部分で実を小枝から摘んでいく単純なものですが、ひと掻きで摘める量はわずかなもの。腕をずっとあげながらの作業はかなり大変でしたが、傷のない艶々とした実を収穫する喜びを味わうという貴重な体験ができました。

 

 

 

オリーブオイルの活用法と、古くから伝わる地中海食とは?

実はこの日、日本の農林水産省にあたるチュニジア農業省のオーガニック農業局長、マーメル・サミア女史も臨席されていて、直接お話を伺うことができました。

 

チュニジアはオーガニック大国。1984年から国をあげてオーガニック農法に取り組んでいて、特に主産業となるオリーブについては、現在約100万ヘクタールにわたりオーガニック栽培が行われています。オリーブオイルの輸出量は世界一で、輸出先にあわせてエコサート、JASエコサート、USDAなどの認証をとっています。欧米のオーガニックストアのプライベートブランドのOEMも多く、チュニジアのオリーブオイルの品質の高さがうかがえます。

 

 

男性社会のイメージが強いチュニジアですが、チョー社では、副社長をはじめ多くの主要ポジションで女性が活躍。今回会ったチュニジアのワーキングウーマンたちに、オリーブオイルの活用法を尋ねてみました。

 

乳児の沐浴後の肌の保湿や、レモン汁を混ぜて咳どめにするなど、日常生活のあらゆるシーンで使われているオリーブオイル。美容面では、エキストラバージン・オリーブオイルにローズやカモミールなどの好みのエッセンシャルオイルを混ぜて、アンチエイジングのスキンケアに用いるのが一般的。肌にオイルが残っていると紫外線によるダメージをうけるので、朝ではなく夜のお手入れに使うそうです。週に1回くらいの頻度でエキストラバージン・オリーブオイルを使った頭皮ケアとヘアパックをするのもお薦めだそうです。その効果のほどは、乾燥して陽射しが強い環境でも、艶々とした髪やハリのある肌を保っている彼女たちが証明していますね。

 

 

 

そして健康と美味しさで古から伝わる料理は、と尋ねたところ「クスクス」という答え。日本でもおなじみの北アフリカ地方の煮込み料理。地中海食で“毎日摂取すべき”炭水化物にあげられているクスクスに煮込んだ具とスープをかけていただきます。クスクスは地域によってラム、魚、シーフード、野菜のみなど使われる食材が変わるそうですが、ベースはじゃがいも、にんじん、ベルペッパー、ひよこ豆、クスクスと、ほとんどが“毎日摂取すべき”食材で構成されています。

 

レストランではなく伝統的な家庭料理のクスクスをいただいてみたいと思ったところ、オリーブ農園近くのゲストハウスで、地元の方が調理した郷土料理をご馳走になりました。

 

 

見た目からして彩りがよくヘルシーな感じがしませんか。

 

オリーブが添えられた唐辛子のハリッサは、タッブーナという円形のパンに塗ったり、料理の調味に用います。前菜はキュウリとトマトのサラダ、ナスとツナ、そしてブリック(ジャガイモ、ツナを薄いパイ生地で包んで揚げたもの)。メインは青唐辛子、にんじん、じゃがいも、ひよこ豆とラムのクスクス。食材の美味しさがストレートに味わえて、舌が喜ぶお料理。そこにエキストラバージン・オリーブオイルをタップリとかけていただきます。「液状の金」ともよばれ、風味が増し栄養価もアップするのでチュニジア人の食卓に欠かせません。デザートはローズフラワーウォーターをかけたザクロ。ローズもザクロも女性に嬉しい食材ですね。

 

写真にはありませんが、インドのラッシーのようなヨーグルトの飲み物もあり、クスクスとあわせるのが定番のようです。

 

典型的な地中海食のメニューはいただいたあとも身体が軽く、日本人好みの味わいです。
日本で手軽に入手できる食材で、チュニジアのヘルシーなお料理を再現してみました。
材料は、押し麦、トマト、キュウリ、ツナ。チュニジアではサラダにグリーンレモンを絞ってからエキストラバージン・オリーブオイルをかけていましたが、ここでは白ウィンビネガーをふってから軽く塩胡椒してエキストラバージン・オリーブオイルをたっぷり。簡単につくれてヘルシーな一品です。

 

 

今回はチョウ社のブランド「テラ・デリッサ」のオーガニックエキストラバージン・オリーブオイルを使いました。とてもマイルドな風味で素材の美味しさが際立つので、和食にあわせてもおいしいのです。地中海食で提唱されている食材は、お豆腐やお味噌汁、お浸しや煮物、焼き魚などの和食メニューで摂取することもできます。オリーブオイルを加えれば、日常のお惣菜が「究極の食事」に早変わり。オーガニックのエキストラバージン・オリーブオイルは家庭に1本常備しておきたいですね。

 

 

テラ・デリッサ
https://lilcoco.jp/blog/terra-delyssa/

チュニジア政府観光局
http://gotunisia.jp/

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