加齢とともに増える眠りにまつわる悩みの解決テクニック、
今回のお悩みは、これも多くの方が感じているかもしれません。
「途中で起きてしまう」というお悩みについてです。
眠りの5大悩み解決テクニック
お悩み2
途中で起きてしまう
夜中に何度も目が覚めるのは、寝ているときも交感神経が優位なままになっていて、体の緊張が強いことが原因。寝る前に、ストレッチなど副交感神経を優位にする方法を取り入れて、体の緊張をほぐすのが効果的。
解決テク1
夜中にトイレに起きても
照明をつけない
夜中に目が覚め、その後眠れなくなるなら照明をつけないのがポイント。「夜中に起きたとき照明をつけると光の作用でメラトニンの分泌が抑えられ、再入眠しづらくなります。トイレに起きたときは、人の動きを察知して点灯するフットライトなど照度の低いライトを利用して、なるべく照明はつけないのがおすすめです」(三橋さん)
解決テク2
夜のアルコールは控える
寝つきをよくしようと寝酒を飲む習慣がある人もいるかと思いますが、これはおすすめできません。「お酒を飲むと寝つきはよくなりますが、睡眠後半になると交感神経の働きが活発になって眠りが浅くなり、中途覚醒しやすくなります。また、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因にも。飲むなら夕食時に適量程度に」(三橋さん)
解決テク3
片鼻呼吸で左の鼻の通りをよくする
睡眠中に交感神経が優位なままだと眠りが浅くなりますが、この改善によいのが片鼻呼吸。「鼻は自律神経と通じ、右の鼻は交感神経、左の鼻は副交感神経に通じているので、左鼻の通りが悪いと体が緊張し、眠りも浅めに。眠る前に片鼻呼吸をして左鼻の通りをよくすると、副交感神経が優位になりやすいので取り入れて」(三橋さん)
左手の人差し指で右鼻を押さえ、左鼻からゆっくり4秒かけて息を吸い込みます
左手親指で左鼻を押さえて、右鼻からゆっくり4秒かけて息を吐きます。しっかりと吐ききること
しっかり吐ききったら、そのまま左手親指で左鼻を押さえて、右鼻からたっぷりと息を吸い込みます
左手人差し指で右鼻を押さえ、左鼻から吐ききったら終了。脳に十分な酸素が送り込まれ眠りが深く
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解決テク4
手で目を温める
交感神経が優位になっていると眠りが浅くなりますが、この改善にいいのが目の温め。「目を温めると副交感神経が優位になって眠りが深くなります。両手をこすり合わせて温め、手のひらをお椀のようにしてまぶたに当て、鼻から息を吸い、口から吐く呼吸を1分間継続。寝る前や夜中に起きてしまったときに行って」(三橋さん)
解決テク5
寝る前に
快眠ストレッチをする
眠りが浅いときは三橋さん考案の"快眠ストレッチ"をするのも◎。「背中にくるくる巻いたタオルを当てて深呼吸をしたり、腕を回すことで、胸が開き呼吸が深くなってリラックスします。血流もよくなって筋肉のこわばりもほぐれ、眠りが深くなるので、就寝前に行ってみてください」(三橋さん)
バスタオルを4つに折って丸め、高さ10㎝ほどの筒状にします。布団に仰向けに寝て、背骨に沿うようにバスタオルを当て、頭は枕に置いて、ひと呼吸。両肘を曲げ、外回りに20回軽く回します。次に手のひらを上にして腕を体の横に置き、目を閉じて10回深呼吸。そのあとバスタオルをはずすと、全身がリラックス。そのまま眠りましょう
お話を伺った方々
すなおクリニック院長
内田 直さん Sunao Uchida
1956年生まれ。医学博士。精神科医。スポー ツドクター。早稲田大学スポーツ科学学術院 教授などを経て現クリニック開業。睡眠にまつわる病気やうつ病、認知症の診療にあたる
ハーバード大学医学部客員教授
根来秀行さん Hideyuki Negoro
1967年生まれ。医学博士。パリ大学医学部客 員教授。事業構想大学院大学理事・教授。専門は抗加齢医学、睡眠医学など。著書『「毛細 血管」は増やすが勝ち!』(集英社)も話題
快眠セラピスト
三橋美穂さん Miho Mihashi
寝具メーカー勤務を経て独立、睡眠のスペシ ャリストとしてメディアや多方面で活躍。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)など
撮影/天日恵美子 イラスト/しおたまこ 取材・原文/和田美穂