眠りに関する5大悩み、4つめと5つめは睡眠中に起きる現象「いびきをかく」と「寝汗をかく」です。
「いびき」「寝汗」とも加齢とともに女性ホルモンが減ることが原因にある場合も!
ちょっとしたテクニックで変えることができれば、ありがたいですね。
眠りの5大悩み解決テクニック
お悩み4
いびきをかく
加齢とともに女性ホルモンのプロゲステロンが減ると、筋肉のハリがなくなり、気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。枕を替えたり寝姿勢を変えるだけでも改善することがあるので試してみて。
解決テク1
枕の高さを合わせる
枕の高さが合っていないといびきをかきやすくなるとか。「枕は、高すぎても低すぎても、気道が狭くなっていびきの原因になります。首がすっと伸びてシワが寄らず、仰向けで楽に呼吸ができる枕に替えるだけで、いびきが解消することもあるので、まずは枕を見直してみましょう」(三橋さん)
解決テク2
マウスピースを利用する
いびき改善にはマウスピースを作るのも効果的。「いびきは寝たときに舌が喉の奥に落ち込んで気道をふさぐことが原因。睡眠専門クリニックなどでは下あごを少し前に出すマウスピースを作ってもらうことができ、これをつけると舌が奥に落ち込まず、いびきが改善。医師に相談を」(根来先生)
解決テク3
横向き寝をする
寝姿勢を変えるだけでいびきが解消することも。「いびきをかく人におすすめなのは横向き寝です。仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込んで気道をふさぎ、いびきをかきやすくなりますが、横向き寝ならその心配がありません。これだけでいびきがかなり軽減するので試してみて」(三橋さん)
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解決テク4
舌回し体操をする
加齢とともにいびきをかきやすくなったなら舌回し体操を。「舌の筋肉を鍛えると舌のたるみが改善して気道をふさぎにくくなり、いびき防止につながります。口を軽く閉じ、頰の内側を舌先でプッシュしながらゆっくり回します。左回し、右回し各2回。朝昼晩に各3セット行って」(三橋さん)
お悩み5
寝汗をかく
夜中に起きてしまうほど寝汗をかくというのもOurAge世代の女性に多い悩み。ホルモンバランスの関係、または
寝具が原因の場合もあるので、ふたつのアプローチで対策を。
解決テク1
婦人科を受診する
寝汗がひどいなら、まずは婦人科へ。「加齢とともに女性ホルモンが減少してくると自律神経が乱れやすくなり、汗の量の調節もうまくいかず寝汗をかきやすくなることが。症状がひどいなら婦人科を受診しましょう。ホルモン補充療法など適切な治療を受ければ改善する場合もあります」(三橋さん)
解決テク2
寝具を通気性の
いいものに替える
寝汗がひどいのは寝具が原因の場合も。「特にマットレスは背中と密着して熱がこもりやすいので、通気性のよい敷きパッドをマットレスの上に敷くのがおすすめ。掛け布団もガーゼケットなど通気性・吸湿性の高いものに替えましょう。寝るときにタオルに包んだ保冷剤で頭を冷やすのも効果的」(三橋さん)。この連載『睡眠の質を高めるための22か条』<その5>で紹介した商品も参考に。
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編集部Uの
実感・実体験レポート
眠れることが人生最大の幸せと思っていた編集部Uが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されたのは2016年夏(OurAgeコラム『睡眠時無呼吸症候群の正しい知識』で報告)。でもSASから脱却して、20代の頃のようにもっと質のよい睡眠を取り戻したいと、この連載の悩み解決テクニック同様、さまざまなことにトライ。具体的にやってよかった対策を、第2弾としてレポートしました!
詳しいレポートは、OurAgeで追ってご紹介します。参考にしてくださいね!
お話を伺った方々
すなおクリニック院長
内田 直さん Sunao Uchida
1956年生まれ。医学博士。精神科医。スポー ツドクター。早稲田大学スポーツ科学学術院 教授などを経て現クリニック開業。睡眠にまつわる病気やうつ病、認知症の診療にあたる
ハーバード大学医学部客員教授
根来秀行さん Hideyuki Negoro
1967年生まれ。医学博士。パリ大学医学部客 員教授。事業構想大学院大学理事・教授。専門は抗加齢医学、睡眠医学など。著書『「毛細 血管」は増やすが勝ち!』(集英社)も話題
快眠セラピスト
三橋美穂さん Miho Mihashi
寝具メーカー勤務を経て独立、睡眠のスペシ ャリストとしてメディアや多方面で活躍。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)など
撮影/天日恵美子 イラスト/しおたまこ、sino(編集部Uの実感・実体験レポート) 取材・原文/和田美穂