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がんの予防・検査と治療法 ②がんの「標準治療」とは?

前回に引き続き、「がんの予防・検査と治療法」をご紹介。東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一先生にお話しを伺っていきます。

 

中川恵一さん

1960年生まれ。東京大学医学部附属病院放射線科准教授、緩和ケア診療部長。厚生労働省「がん対策推進協議会」委員も務める

 

 

Qがん治療で重要なことはなんですか?

A 治療法の決定は冷静になってから!

以前はがんの治療といえば手術でしたが、今はさまざまな選択肢があります。医師に言われるままではなく、どれを選ぶかは、価値観やライフスタイルに応じ、自分で選ぶ時代。説明をきちんと受け、自分でも情報を集め、セカンドオピニオンをとるなどして、納得して決めることが"悔いのない治療"のポイントです。がんの告知を受けると多くの人は頭が真っ白になります。治療方針や仕事を辞めるなど、重要な決断を早い段階でしないこと。2週間ほどたてば、冷静な判断もできるようになります。治療法を決めるのはそれからで十分です。(中川先生)

Qがんの「標準治療」とはどういう意味ですか?

Aエビデンスがある最良の治療のこと。

標準治療と聞くと、平均的な治療と思われがちですが、現在エビデンスがある最良の治療のことです。その3本柱が手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤など)です。進行がんではこの3つを上手に組み合わせることが必要になります。がん病巣を消し去り、完治をねらう場合には、手術か放射線治療のどちらか、もしくは両方を選択することになります。最近では、新しい放射線治療法として、重粒子線治療など、がん病巣だけをねらい撃ちするものも登場しています。現在、臨床試験の段階に入っており、治療法も日々進歩しています。(中川先生)

 

 

Qがん治療の副作用は?

A軽減傾向ですが、少なからずあります。

手術療法のデメリットは、がん周囲の正常な部分まで切除するので、臓器や体の機能の低下、浮腫などが起こることが。また乳がんなどでは、乳房の見た目が変わることで、精神的ショックがあるかもしれません。また、抗がん剤では倦怠感や吐き気、脱毛(薬の種類で個人差あり)などの副作用が。最近では、冷却などの工夫で脱毛が軽減されるという報告もあります。放射線治療は最も副作用が少ない治療ですが、一時的に照射した部分の皮膚が赤くなる、吐き気やだるさなどが。ホルモン療法では更年期のような症状が起こることがあります。(中川先生)

 

 

 

次回は、OurAge世代がこれから備えておくべきことについてご紹介します。

 

 

イラスト/浅生ハルミン 構成・原文/山村浩子

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