さまざまなリフォーム会社があるなかで、どこに依頼するかは大きな問題。いったいどのように選べばいいのでしょうか。今回も住宅ジャーナリストの山本久美子さんにそれぞれの住まいに合わせた依頼先の選び方を教えていただきました。
山本久美子さん
Kumiko Yamamoto
住宅ジャーナリスト。リクルートにて「週刊住宅情報」「都心に住む」の編集を経て、2004年に独立。著書に『今こそ! 中古マンション「得」する買い方・選び方』(小学館)。セミナーなども
リフォームの成功は
依頼先選びから始まる
「どこに依頼するか」は、リフォームの成功を左右する大きな問題。ホームページで検索するだけでもたくさんの依頼先が出てきて悩む人は多いようです。そんななか、インターネットで複数のリフォーム会社に見積もりをまとめて請求できるサイトも数多くあります。そのひとつ「ホームプロ」は、複数のリフォーム会社に匿名で(自分の情報を公開せずに)、見積もりを依頼できるというもの。匿名のままサイトを通じてやりとりしながら候補を絞ることができるので安心。それぞれ提案してくれる内容を見ながら、費用の目安を知る判断材料にもなるので、自分たちに必要なリフォームが検討できるというメリットがあります。
ただしネットだけで決めてしまうのは危険です。リフォーム会社によって得手不得手があり、担当者のスキルもさまざまです。なにより、お互いコミュニケーションできるかどうかが重要になるので、実際に複数のリフォーム会社と直接会って、イメージに合う工事をしてもらえるか、意思疎通に問題がないか確認して信頼できる会社を選ぶようにします。
次のページで代表的な依頼先をご紹介。
リフォームの依頼先はさまざまですが、それぞれの特徴を知ると選ぶときの目安になります。おもな依頼先をご紹介しましょう。
●建築家や設計事務所
リフォームの設計を建築家に依頼する場合は、施工するのは工務店になり、建築家が施工監理を行います。設計のプロとして、暮らし方に応じたプランやこだわりの空間が期待できます。空間の質を大きく変えたい時に向いています。
●大手総合リフォーム会社
マンションや戸建てのデベロッパーとしてのノウハウがあるため、社内の設計士やリフォームプランナーなどのエキスパートがそれぞれ対応してくれます。大規模なリフォームをする場合に、トータルで依頼できるのがメリットです。
●設備・建材系のリフォーム会社
キッチンやお風呂、洗面スペース、窓まわりなど設備の交換を中心にしたリフォームに向いています。フランチャイズ展開している会社も多く、特定の設備メーカーの商品を多く仕入れることによって設備機器が安く使えるといったメリットも。ただし、異なるメーカーのものを組み合わせたい、デザインや素材にこだわりたい場合は、割高になることがあるので注意しましょう。
●インテリア会社のリフォーム部門
インテリアにこだわりたい人におすすめ。プランニングをはじめ、床材や壁の仕上げ、家具のコーディネートやカーテン、照明まで、インテリアをトータルで相談できます。得意分野は会社によってそれぞれ異なるため、ホームページなどで施工例を参考に、テイストが合う会社を見つけましょう。
●工務店
工務店は木造住宅のリフォームに適し、構造を見ながら間取りの変更や設備の交換まで幅広く対応してくれるので、信頼できる工務店が身近にあると便利。地元を中心に活動する工務店が主流ですが、施工のレベルや得意分野など個人差があり、見極めが必要です。
いずれも、信頼関係が築けるかどうかが満足できるリフォームのポイント。アフターメンテナンスの有無も確認して選ぶようにしましょう。