疲労回復に大きくかかわる睡眠の質。前回に続いて実践しやすいポイントをご紹介します。ぜひ取り入れてみてくださいね。
●寝るとき足が冷える場合、足首だけ温める
足が冷えるから靴下をはいて寝るという人もいますが、これはNG。
「眠気は、手足などの末端から熱が放散されることで体の内部の体温、つまり深部体温が下がったときに訪れます。でも、靴下をはいて寝ると足からの熱放散が妨げられ、深部体温が下がらず寝つきが悪くなり、疲れも取れにくくなります。冷え症の人は、寝るときレッグウォーマーで足首だけを温めるのが正解。足首の血流がよくなると足から熱が放散されやすくなり、スムーズに寝つけて睡眠の質も上がります」
シルク100%で肌に優しいレッグウォーマー。締めつけ感が少ないので、就寝時につけたまま眠ってもOK。
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肌に当たる内側はシルク、外側は綿素材の2重編み。シルクが余分な汗を吸い、心地よい温度を保つ。
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●パートナーと同じ寝室ならカーテンで仕切る
パートナーと寝室が一緒だと難しいのが、部屋の温度調節。
「一般的に男性は低めの温度を、女性は高めの温度を好み、快適と感じる温度が異なります。睡眠の質を高めるには寝室を分けるのが理想的ですが、難しい場合は、自分とパートナーとのベッドの間の天井にカーテンレールを取りつけ、カーテンを垂らして部屋を仕切りましょう。そして夏に冷房をしっかり効かせたい人は、エアコンの吹き出し口側で寝ます。こうすればカーテンが冷気を遮ってくれ、二人とも快適な温度で寝ることができます」
●冷暖房は一晩中かけるほうが快眠できる
睡眠の質を高めて疲れを取るには、寝室の温度も重要。
「疲れを取るためには寝るときに冷暖房を一晩中かけておくほうがおすすめです。部屋が寒すぎると鳥肌が立ち、暑すぎると寝汗をかきますが、そのどちらも自律神経に過度の負担をかけ、寝ても疲れが取れにくくなるのです。部屋の適温は25〜26℃なので、これより気温が高かったり低かったりする場合は、一晩中冷暖房をかけて寝るほうが眠りの質が高まります」
●太陽の光とともに起きるようにする
生体リズムを整えることも、質のよい睡眠には重要。
「体には、日が昇ったら目覚めて活動し、日が沈んだら眠って休むという生体リズムが備わっています。このリズムに沿った生活をすることは自律神経を整えることにつながります。特に朝は太陽の光を感じて目覚めるのが理想的で、これによって体内リズムが整い、夜の寝つきもよくなります。そのためにも寝るときに寝室のカーテンを少し開けて寝ましょう。朝日を感じて自然に起きることができます」
東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本修身さん
Osami Kajimoto
イラスト/いいあい 取材・原文/和田美穂