タンパク質を、賢く上手に摂取する
美容や健康に欠かせないタンパク質。
それを効率よく体に効かせるためには、ちょっとしたコツがあります。その条件とは?
ここでは、そのコツや条件6つを2回に分けてご紹介します。
1.アミノ酸スコアの高い食品を摂取する!
タンパク質はさまざまな食品に含まれますが、必須アミノ酸の構成や量が違います。一部に不足しているアミノ酸があると、ほかのアミノ酸もそのレベルでしか活用できないシステム(前ページ「桶の理論」参照)。そのため、タンパク質を効果的に摂取するのなら、アミノ酸スコアが高い食品を意識してとるのが正解!
「優秀なのは肉、魚、卵、牛乳、大豆製品。これらを日常の食事に、必ず取り入れるようにするといいでしょう。白米や野菜もタンパク質を含みますが、多くはリジンが足りません。その欠けているアミノ酸を補うような食材を組み合わせることが大切」(本多京子さん)
2.動物性と植物性の両方を組み合わせるのが理想
肉や魚、卵などの動物性タンパク質のほうが、アミノ酸スコアは高く、良質なタンパク質なのだとしたら、どれか単品を食べ続ければよいのか? と思ったら、それは間違い!
「霜降り肉はおいしいけれど、脂肪分が多くカロリーは高くなります。一方で、魚なら、カロリーは控えめでEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸が同時にとれます。大豆製品なら、低カロリーで食物繊維や大豆イソフラボンが同時にとれます。脂肪の含有量が違うことに加え、“おまけ”の栄養素が違うわけです。タンパク質は、動物性と植物性の両方から、バランスよく摂取することが大切です」(本多さん)
3.調理に工夫して低カロリーを心がける
タンパク質のことばかり考えて、カロリーオーバーにならないように注意が必要です。例えば、ウナギのかば焼きはタンパク質も豊富ですが、カロリーもかなり高いので、たまのお楽しみ程度に! 低カロリー・高タンパクのものを選ぶことが大切です。また、調理方法でカロリーを上げない工夫を!
「例えば、脂肪ののった和牛を食べたいときには、しゃぶしゃぶにすると脂が落とせます。トンカツなどの揚げ物にするときは、パン粉をすりつぶして細かくするだけで、油の吸収がかなり減らせます。揚げたり炒めたりする代わりにオーブンで焼けば、油を少なくすることができます」(本多さん)
1食分の目安量における、タンパク質の含有量
本多京子さん Kyoko Honda
医学博士・管理栄養士。NPO日本食育協会理事。
日本体育大学児童スポーツ教育学部で「子供の食と栄養」を担当。
テレビや雑誌などで健康と栄養に関するアドバイスを行う。
著書は60冊以上
次回は、毎食タンパク質摂取を心がける、運動をプラスして効率よく筋活を! など、今回に引き続き3つのコツ&条件をご紹介します。
図表製作/ビーワークス 取材・原文/山村浩子 監修/本多京子