こんにちは小野アムスデン道子です。蒸し暑い夏、あなたはガッツリとスタミナ食派?それともあっさりヘルシー和食派?NHK「きょうの料理」にも出演されている江戸懐石近茶流嗣家の柳原尚之先生による、すべてが天然というアラスカのシーフード、紅鮭、銀だら、ズワイガニを使った料理教室が池袋コミュニティカレッジで開催。“夏に効く”和食のコツを学んで来ました。
メニューは「スモークサーモンの酢の物」「焼き物 銀だらの変わり焼き」「かにの夏雑炊」の3品。まずは、柳原先生が料理を目の前で作りながら手順を説明してくださいます。流れるような動作で和食のコツを繰り出す先生に目を見張る私。当たり前ですが、調理に必要な素材を調味料にいたるまで、使う順にきちんと準備することから。いつも「あれっ、次の醤油を量るスプーンは?あっ砂糖は何杯?」とバタバタ作っている私は、まずここから。
さて、フルレシピはご紹介できませんが、料理のワンポイントアドバイスをそれぞれにご紹介。「スモークサーモンの胡麻酢」の胡麻酢は甘酢(米酢50mlを沸かして、砂糖大さじ1・1/3、醤油小さじ1/2、塩少々を加える)がベース。これはたくさん作って冷蔵庫で保存もできるので、食欲をそそる甘酸っぱさが夏場にとっても重宝。アラスカ産紅鮭のスモークサーモンを他の材料と合わせる前に、まず大さじ1/2のオリーブオイルで和えます。これで、滑らかになり酢の物にコクも少しでて、ひと味アップする感じ。
次は「銀だらの浅葱焼き」。まず脂ののったアラスカ産の銀だらに幽庵地(みりん大さじ1、酒大さじ1、醤油大さじ1・1/2)をかけて5分置きます。これは、北村祐庵という茶人が考え出した魚の漬け焼きですが、さらにそれに一手間でおいしさ倍増なのが「魚焼きグリルにホイルを敷いて焼き色がつくまで焼いてから、卵黄を刷毛でぬり、小口切りの分葱をたっぷりのせて、さらに焼き上げる」という技。これは卵のまったりと分葱のしゃきっとした感じが抜群のコンビネーション。
付け合わせには、万願寺唐辛子をさっと茹でて醤油洗い(醤油にからめて、さっと醤油は流す)とミョウガの甘酢漬け。ここでも甘酢が活躍。そして「古来、こうした薬味は素材の味を引き立たせ食欲増進し、殺菌作用もあるから重宝されたわけですね」と旬の薬味の大事さを説く柳原先生。
最後の「かにの夏雑炊」では、昆布とかつおぶしでだしをとるところから。「だしは15分もあったら出来ます。おいしい和食の基本」と先生。参考なったのは、小さい部屋が引っ付いたようになっているカニの本体部分を部屋ごとに分けて身をとること。箸でせせらないで、なるべく塊で取り出す方がいいらしいが「ここで、せっかちな方は性格が出ますねえ」と先生に言われて、その通りの私は苦笑い。だしを沸かし立ててから調味、ごはんは流水で洗ってから入れるのがさらりと仕上がるコツです。
さて、こうして出来上がりました私も入った4人チームの3品が以下。見た目もまあまあ、お味は大満足でした!
江戸懐石近茶流宗家を継ぐ柳原先生は、大学では醸造学を学び、醤油会社の研究員を務めた後に、外国船でお料理をされていたこともあるそう。赤坂でお料理教室を持たれ、グローバルに和食を広める活動もされています。多数あるご著書のうち基本の一冊「和食のきほん」を手にされる先生の横で、アシスタントのような気分で記念撮影させていただきました。
アラスカから来た天然のおいしいシーフードが、旬の薬味など和食の技でさらに引き立って、夏にぴったりのお料理でした。
取材協力/アラスカシーフードマーケティング協会
http://japanese.alaskaseafood.org