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続ければ改善が早い!「腰を前に倒すと痛む腰痛」に効果的な4つのエクササイズを専門医が解説

40代、50代の悩み「腰痛」。なかなか治らない、すぐまた発症するなど、すっきり改善しにくいので悩みは尽きません。そこで、脊椎外科専門医の吉原潔先生が、腰を前に倒すと痛いタイプの腰痛に効くエクササイズをご紹介。当てはまる人はぜひ実践を。

腰痛はタイプ別の対策が肝心!

前回、腰痛を改善するには、積極的に体を動かすほうがよいというお話をしましたが、今回は、おすすめのエクササイズを具体的にご紹介します。

ただし、腰痛のタイプによって合う運動が異なるので、自分の腰痛に合った運動をすることが大切。

 

「まずは、立った状態で、体を前に倒すほうが痛むか、後ろに反らすと痛むかをチェックしてみましょう。

前に倒すと痛む場合は、腰椎椎間板ヘルニアなど椎間板が原因の腰痛の可能性が高いです。

これに対し、後ろに反らすと痛むタイプは、脊柱管狭窄症が原因の腰痛か、筋肉の収縮で痛みが出る筋・筋膜性の腰痛、または椎間関節障害が原因の腰痛の可能性が高いです」(吉原潔先生)

 

そして今回はまず、体を前に倒すと痛むタイプにおすすめの運動からご紹介。運動のポイントを伺いました。

 

「体を前に倒すと痛む人は、背中やお尻の筋肉や、太もも裏側のハムストリングスが硬くなっていることが多く、この状態だと腰椎に負担がかかるので、ストレッチでこれらの筋肉の柔軟性を高めることがポイント。

同時に腹筋と背筋を鍛えて、正しい姿勢を保つことができるようにしましょう」

 

以下が、吉原先生おすすめのエクササイズ。

これらをセットで行うのが効果的。痛みが強いときには行わず、痛みが出ない程度に無理のない範囲で行いましょう。

 

体を前に倒すと痛む腰痛向けの4つのエクササイズ

1.タオルストレッチ

お尻の筋肉や、ハムストリングスの柔軟性を高めるストレッチ。タオルを使うことでテコの原理が働き、体が硬い人でも楽に伸ばせます。

① あお向けに寝て、片方の足裏の指付け根あたりにタオルを引っかけます。反対側の脚は真っすぐに伸ばし、なるべく浮かないようにしましょう。

 

② タオルを手前に引っ張りながら、ゆっくりと膝を伸ばし、太ももの裏まで伸びたら呼吸を止めずに10秒キープ。反対側も同様に。これを3回。

最初は無理をせず、軽く膝を曲げて行ってもOK。できるようになってきたら膝を完全に伸ばして、股関節が直角になるくらいまで脚を上げると効果がアップ。

 

 

②キャット&ドッグ

胸から骨盤にかけてをストレッチして、硬くなっている背中全体の筋肉の柔軟性をアップ。お腹に力を入れることで体幹のトレーニングにもなります。

① よつばいになり、左右の手は肩幅に、足は腰幅に開きます。手は肩の真下に置き、ひじを伸ばします。膝は腰の下につき、股関節と膝は90度に曲げます。

 

② 息を吐きながら、手のひらで床を押すようにしてゆっくり背中を丸めます。このとき、お腹を引き込んで、骨盤を後傾させるように腰を丸めるのがポイント。目線はおへそをのぞき込みます。

 

③ 息を吸いながらゆっくり肩甲骨を内側に寄せるようにして背中を反らし、目線を上に向けます。このとき、お腹の筋肉が伸びているのを意識して。①〜③の動きを10回。

 

 

③バード&ドッグ

腹筋や背筋など、幅広い筋肉を強化できるエクササイズ。腰痛予防に欠かせない安定感のある体幹をつくることができます。

① よつばいになり、左右の手は肩幅に、足は腰幅に開きます。手は肩の真下に置き、ひじを伸ばします。膝は腰の下に置き、股関節を90度に曲げ、つま先を床につけます。顔は下に向け、目線も床に。

 

② 左手、右脚を床と平行になるように伸ばし、息を止めず20秒キープ。手と脚はできるだけ遠くに伸ばしましょう。手脚を高く上げすぎず、体と同じ高さを保つこと。次に反対側も同様に。これを3回。

 

 

④ヒップリフト

お尻の筋肉が弱いと背中が丸まって姿勢がくずれ、腰痛の原因に。このエクササイズはお尻の筋肉だけでなく、腹筋にも効くので効果的に体幹を強化できます。

① あお向けに寝て、両脚を軽く開いて膝を立てます。両腕はやや広げて体の横に置き、手のひらを床につけます。

②肩を床につけたまま、息を吐きながらお腹をへこませ、お尻を持ち上げて5秒キープ。このとき、肩から膝が一直線になる高さまでお尻を上げ、お尻の筋肉に力を入れましょう。腰は反らせないこと。次にお尻を下ろして①に戻ります。これを10回。

 

 

前に倒しても、後ろに反らせても痛む人は、どちらのエクササイズも行うと効果的。

 

 

【教えていただいた方】

吉原 潔
吉原 潔さん
脊椎外科専門医・スポーツドクター・フィットネストレーナー
公式サイトを見る

医学博士。アレックス脊椎クリニック院長。日本医科大学卒業後、同大学整形外科入局。帝京大学医学部附属溝口病院整形外科講師、三軒茶屋第一病院整形外科部長を経て、2017年より現職。日本整形外科学会専門医、日整会内視鏡下手術・技術認定医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)公認パーソナルフィットネストレーナー、食生活アドバイザー。運動療法や筋力トレーニングにも精通した医師として、多角的な診療に定評がある。トレーナーとしての信条は「ケガをしないトレーニング方法を指導すること」。50歳を過ぎてから筋トレでメタボ体型を脱し、ベストボディコンテストに出場、受賞歴多数。著書に『ドクターズスクワット』(アスコム)など。

 

撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/佐々木  篤 モデル/SOGYON  取材・文/和田美穂

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