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2カ月で−6kgに成功した医師が伝授! 勝手に内臓脂肪が落ちていく3つのメソッドとは!?

放っておくと生活習慣病の原因になってしまう内臓脂肪。そんな内臓脂肪を効率よく落とす方法を、自身が1カ月で約-21,600kcal=ごはん茶碗 約92杯分の体脂肪減に無理せず成功した、形成外科医であり分子栄養学認定医でもある齋藤真理子先生に教えていただきました。内臓脂肪や体重増加が気になっている人は、要チェック!

 

脂肪燃焼体質に変わり血糖値も安定させる、MCTオイルの活用が効果のカギ

この連載の前回までに、内臓脂肪を落とすためには、脂肪燃焼体質になって血糖値を安定させることがポイントであることをご紹介しました。

今回、そのための具体的な方法について齋藤真理子先生に伺ったところ、以下の3つのメソッドがおすすめなのだそう。

 

MCTオイル生活

満腹フードを使ってラクに糖質を減らす

戦略的間食をとる

 

まずひとつめの、“MCTオイル生活”とは、どのような方法なのでしょうか?

 

「油汚れは油で浮かせるとよく落ちるように、体の脂(脂肪)も油で落とすのが効果的です。

そして特におすすめの油がMCTオイルです。

MCTオイルとは、中鎖脂肪酸の英語名Medium Chain Triglycerideの略称で、母乳や牛乳などの乳製品や、ココナッツやしなどのヤシ科の種実に含まれる成分です。

 

MCTオイルは近年、注目されるようになりましたが、実は50年以上、医療や介護、スポーツの現場では使われてきたもの。

このMCTオイルは、脂肪燃焼体質になるのと、血糖値を安定させるの両方をかなえてくれます。

 

脂肪燃焼体質になるには、糖質を制限してエネルギー不足を起こすことで、脂肪をケトン体に変えてエネルギーにする脂質代謝を呼び覚ますことがポイントです。ただ、極端な糖質制限は体に負担をかけ、リバウンドも招きやすいので、一般の人が続けるには難しいという問題があります。

 

そこで利用したいのがMCTオイルです。

MCTオイルは、一般的な油と比べて4倍速く分解され、脂肪としてたまりにくいという特徴があります。

さらに、MCTオイルをとると、脂肪をエネルギーに変えるケトン体が産生され、体内の脂肪を使ってどんどんケトン体を作るようになります。

ケトン体が増えると、ミトコンドリアが活性化し、基礎代謝が上がります。脂肪が減って基礎代謝が上がるというふたつの効果によって脂肪燃焼体質に変わるのです。

 

ケトン体には満腹中枢を刺激して食欲を抑える効果もあるので、食べすぎを防ぐこともできます。

さらに、MCTオイルにはインスリン抵抗性を改善する効果があり、食後の血糖値の急上昇を抑制する効果が期待できるので、血糖値を安定させます。そのため糖が脂肪として吸収されづらくなるのです」

 

MCTオイルは、スープやサラダなど、いろいろなものにかけて摂取を

では、MCTオイルはどのようにとるとよいのでしょうか。

 

「MCTオイルは、無味無臭で和・洋・中、どんな料理にも合うので、スープやサラダ、パスタ、味噌汁、ご飯など、いろいろなものにかけてとりましょう。

コーヒーや紅茶などのドリンクや、ヨーグルトや果物などにかけてもOK。

 

ただし、最初は1日小さじ1/2程度から始めましょう。

MCTオイルは腸内環境にも働きかけますが、BMIが高めで、今まで糖質を多くとってきた人や、脂質のエネルギー代謝がしにくい体質の人は、お腹が少々緩くなることがあるためです。

そして体調を見ながら、1日に小さじ1/2を2、3回と増やしていきます。

 

内臓脂肪を燃やす効果を高めるためには、小さじ1/2を1日3回とれるようになるとよいと思います。

それでも体調に問題がなければ1回の量を小さじ1に増やし、徐々に量を増やしていって1回大さじ1までなら増やしてOK。

大量に摂取するのは避けましょう。

また、空腹時に摂取すると胃腸が刺激されて不快感が出る場合があるので避けてください。直接口に入れるのではなく、MCTオイルをなにかにかけてとることを意識して。

 

MCTオイルは、最近、小分けのパウチになっているものもあるので、持ち歩いて外食やお弁当などにもかけてとるのがおすすめです」

 

“かさ増し”や“置き換え”などで満足感を与えつつ、糖質量を減らそう

では、ふたつめの方法、“満腹フードを使ってラクに糖質を減らす”というのはどんな方法なのでしょうか。

 

「MCTオイルをとると脂肪が落ちて代謝も上がるとはいえ、糖質を大量に食べていたらインスリンによって脂肪に蓄えられてしまうので、やはりとりすぎは禁物。

そこでおすすめなのが、満足感を覚えながらも糖質をオフできる満腹フードです。

 

糖質を減らすには、ご飯やパンなどの主食を減らすのが最も手っ取り早い方法。

そこでご飯やパンの量を減らし、別の低糖質な食材で量をかさ増しするのがおすすめ。

例えば、お米1合に木綿豆腐1丁を混ぜて炊いた“満腹豆腐ご飯”などがおすすめ(作り方は下記参照)。

炊いたら3〜4回の小分けにして冷凍保存できるので、作り置きしておくと便利です。

ほかには、主食を減らす分、バナナやサラダチキンなどに置き換えるのもよい方法。バナナにすると100g当たりの糖質をご飯の4割も減らすことができます。

 

また、玄米には食物繊維が白米の6倍も含まれていて血糖値が上がりにくいので、白米を玄米に変えるのもよいでしょう。

食べにくく感じる場合は、白米と玄米を半々にして炊くのもよいと思います。

パンの場合は、白いパンでなくライ麦、パスタなら全粒粉のパスタと、食物繊維が多い茶色いものを選べば、血糖値が上がりにくくなります」

満腹豆腐ご飯レシピ

材料(作りやすい分量)

米:1合

木綿豆腐:1丁(300g)

 

作り方 

①米を洗い、水(材料外)を炊飯器の目盛りの1合まで入れる。
②大さじ1の水を捨てる。
③木綿豆腐をそのまま炊飯器に入れ、通常通りに炊飯する。
④炊き上がったら、しゃもじで豆腐とご飯を混ぜ合わせる。

 

戦略的に間食をとって、血糖値が急激に上がるのを予防

そして、3つめの方法が、戦略的間食をとるという方法。こちらはどのような方法でしょうか?

 

食事をとらない時間が長いと、血糖値がどんどん下がってしまい、体がエネルギー不足になります。その状態で食事をすると食後血糖値が急激に上がり、インスリンによって脂肪がため込まれてしまいます。

これを防ぐために、あえて戦略的に間食を食べて、ちょっと血糖値を上げておくのがおすすめです。

食後3〜4時間後に間食をとりましょう。このあたりの時間でエネルギー源となる糖が体内で少なくなり、血糖値が下がった状態になるためです。

昼食を午後0時にとったら、間食は午後3〜4時にとるのが目安です。

 

とるとよいものとしては、“齋藤流間食味噌汁”(作り方は下記参照)をすすめています。

くず粉を入れた味噌汁で、糖質をあえて足すことで血糖値を上げます。

発酵食品の味噌によって腸内環境を整える効果も期待できるほか、いりこだしからは鉄分やタンパク質もとれます。

簡単に作れますし、水筒に入れて持ち運んでちょこちょこ飲めば、血糖値が安定します。

 

ほかに、おすすめの間食を挙げますね。

鍋の残り汁のスープ

食物繊維が豊富な茎わかめ

代謝を促すビタミンB群が豊富なミックスナッツ

抗酸化作用の高いポリフェノールが多いハイカカオチョコレート(カカオ分70%以上)

バナナ

などです」

 

齋藤流間食味噌汁レシピ

材料(1杯分)

味噌:大さじ1
いりこだし(かつおだしでも可):大さじ1
くず粉:大さじ1
湯:200〜300ml

 

作り方

①水筒に湯以外のすべての材料を入れる。
②①に湯を入れる。
③かき混ぜる。

 

この3つの方法を実践して、齋藤先生も1カ月で体重−3kg、換算すると約-21,600kcal=ごはん茶碗 約92杯分の体脂肪減に、無理なく成功したそう。

 

 

「この方法は、空腹で苦しむことがないので長く続けることができます。

3つすべてやっていただくのが最も効果的ですが、ハードルが高そうと感じる場合は、まずは①のMCTオイル生活から始めてみてください。慣れてきたら②、③と増やしてみましょう」

 

 

【教えていただいた方】

齋藤真理子
齋藤真理子さん
医学博士。日本形成外科学会専門医。分子栄養学認定医。
公式サイトを見る

医療法人社団山本メディカルセンター理事長。2010年に同センターに入職し、皮膚科・形成外科を立ち上げる。アンチエイジング分野にも取り組み、メディカルエステ、ドクターズコスメなどの開発・販売も手がける。2016年山本メディカルセンター2代目院長に就任。皮膚科・形成外科、美容皮膚科、内科、人間ドック、訪問看護ステーションを統括。分子栄養学の観点からメニューを考案しているカフェレストラン「桜山茶寮」も運営。著書に『「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術』(アスコム)がある。

 

写真/Shutterstock   取材・文/和田美穂

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