日頃の生活習慣で高血圧は予防・改善ができるものです。寝る姿勢など毎日心がけたい「血圧リセット」方法を、高血圧治療の第一人者・市原淳弘先生が直伝!
お話を伺ったのは
市原淳弘さん
Atsuhiro Ichihara
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授。日本内分泌学会内分泌代謝科専門医。日本高血圧学会理事。高血圧治療の第一人者として、日々患者に向き合う。著書に『食べ方、座り方、眠り方で下がる! 血圧リセット術』(世界文化社)など
横向きに寝る
「血圧を下げたい」と思う人は、ぜひ“横向き寝”を。あお向けで寝ると枕の影響で呼吸が浅くなりますが、横向き寝は気道を確保できるので、特に無呼吸症候群の症状を持つ人におすすめ。
睡眠中に十分な酸素を摂取でき、酸素不足になりにくいメリットがあります。日中の血圧が下がったという報告も。
毎日血圧を測る
血圧は毎日、そして1日の中でも変動します。朝、昼、夜と測るのがベストですが、難しければ、朝だけでも毎日測りましょう。測る前にトイレをすませ、深呼吸して穏やかな気持ちで。「スマホを見ながら」はNGです。
「1週間のうち2日以上、140/90㎜Hgの日があれば病院へ。血圧コントロールは、自分の血圧を知ることから始まります」(市原淳弘先生)
水を飲む・緑茶を飲む
水分不足は“ドロドロ血液”のもと。血液の粘着度が上がると血圧が上がりやすくなります。サラサラ血液を保つには、起床時と寝る前に「ゆっくりコップ1杯」の水を飲みましょう。
また、食後には緑茶を。緑茶の成分カテキンは1~2時間でほとんどが血液中に吸収され、食後の血圧の上昇を抑えてくれます。水と緑茶は高血圧予防の強い味方なのです。
しょうゆはスプレーする
塩分は高血圧の大敵! しょうゆの量を減らすには、スプレータイプの容器に入れるのがおすすめです。自然としょうゆの使用量が少なくなります。
「とはいえ、人間は塩味をおいしいと感じるようにできています。減塩生活の頑張りすぎは、続かない原因に。1週間頑張ったら1日“ごほうび”の日をつくるなど、無理せず続けてください」(市原淳弘先生)
[参考文献]
『食べ方、座り方、眠り方で下がる! 血圧リセット術』(市原淳弘著/世界文化社)、『「治せる高血圧」を見逃すな!』(市原淳弘著/学研プラス)、『高血圧 最高の治し方大全』(市原淳弘共著/文響社)
イラスト/寺田久美 取材・原文/安齋喜美子