日常で何気なくしている行動も血圧上昇の原因に…。できるだけ避けたほうがよい行動を高血圧治療の第一人者・市原淳弘先生にお伺いしました。
お話を伺ったのは
市原淳弘さん
Atsuhiro Ichihara
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授。日本内分泌学会内分泌代謝科専門医。日本高血圧学会理事。高血圧治療の第一人者として、日々患者に向き合う。著書に『食べ方、座り方、眠り方で下がる! 血圧リセット術』(世界文化社)など
脚を組まない
椅子に座って脚を組むのはNG。血管が圧迫され、足からの血液の戻りが悪くなってしまうのです。
すると、心臓は体の隅々で血液が不足していると錯覚し、心拍数が増えて血圧が上昇。その上昇値は最大で10㎜Hgになることもあります。座っていて疲れたら、脚を組まずに立ち上がって歩きましょう。
朝、すぐに起き上がらない
血圧は、朝起きると上昇し、起床後1時間30分後に最高値がやってきます。そのため、起き抜けに急に体を動かすと血圧が急上昇。
日頃から血圧が高い人だと、心筋梗塞、狭心症発作、脳卒中などを引き起こす危険性も。目覚めたら、ゆっくり起き上がりましょう。
トイレでいきまない
血圧高めの人にとって、トイレは“要注意スポット”。長くいきむと交感神経の活動が活発になり脈拍が上昇、それに伴って血圧も上昇してしまいます。
いきむと20㎜Hgほど血圧が上がるという報告も。脳血管障害を起こすこともあるので、いきむなら“10秒以内で、こまめに”を心がけましょう。
練り製品は控えめに
塩分を控えることは高血圧対策の第一歩ですが、気をつけたいのが、食品に含まれる塩分。ハムやソーセージなどの加工食品や、さつま揚げなどの練り製品には塩分が多く含まれています。魚の干物も塩分が多いので要注意。
[参考文献]
『食べ方、座り方、眠り方で下がる! 血圧リセット術』(市原淳弘著/世界文化社)、『「治せる高血圧」を見逃すな!』(市原淳弘著/学研プラス)、『高血圧 最高の治し方大全』(市原淳弘共著/文響社)
イラスト/寺田久美 取材・原文/安齋喜美子