血圧を抑える薬は一度飲み出したら続けていかなくてはいけないのでしょうか? 東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授で高血圧治療の第一人者・市原淳弘先生にお話を伺いました。
お話を伺ったのは
市原淳弘さん
Atsuhiro Ichihara
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授。日本内分泌学会内分泌代謝科専門医。日本高血圧学会理事。高血圧治療の第一人者として、日々患者に向き合う。著書に『食べ方、座り方、眠り方で下がる! 血圧リセット術』(世界文化社)など
高血圧の薬は一度飲んだら続けなくてはいけないの?
答えから言えば「ノー」。かつてはそのように言われた時代もありましたが、現在は症状によって薬を減らしたり、医師によっては薬を飲まない治療をすることもあります。
「薬を飲んでいるけれど、いつかはやめたい」と思っている人は、日々の小さな努力から。無理をせず、1週間減塩に励んだら、1日は好きなものを食べて、翌週リセットすればOKです。
「実際、私の患者さんで、日々の努力が功を奏して薬をやめられた人もいます。ただし、血圧が下がったからといって、自分で判断して薬をやめるのはよくありません。血圧は測る時間帯や気温の影響を受けやすいので、1〜2回の数値で判断するのは危険です。
高血圧は多くの原因が重なっている場合が多いので、専門医の診断のもと、高血圧の原因が何かを見極め、そのひとつひとつを時間をかけて解消していくことが大切なのです」
さあ、今日から“血圧リセット”。今の血圧コントロールが、10年後、20年後のあなたの健康を守ります。
[参考文献]
『食べ方、座り方、眠り方で下がる! 血圧リセット術』(市原淳弘著/世界文化社)、『「治せる高血圧」を見逃すな!』(市原淳弘著/学研プラス)、『高血圧 最高の治し方大全』(市原淳弘共著/文響社)
イラスト/寺田久美 取材・原文/安齋喜美子