HAPPY PLUS
https://ourage.jp/karada_genki/more/364051/

痩せホルモン「アディポネクチン」「インクレチン」を増やして、効率よくダイエット

40代、50代になるとどうしても太りやすくなりますが、我慢が必要なダイエットは続かないもの。そこで知っておきたいのが「アディポネクチン」「インクレチン」というふたつの“痩せホルモン”。このふたつを増やせば、我慢いらずでダイエットに成功できるかも⁉ 内科医の工藤孝文先生に伺いました。

脂肪燃焼効果や血糖値を下げる働きがある「アディポネクチン」

 

人間の体で働くホルモンには、100種類以上あるといわれていますが、その中で、ダイエットをサポートする“痩せホルモン”と呼ばれるものがあるそう。そのうちのふたつが、「アディポネクチン」と「インクレチン」。まずは「アディポネクチン」とは、どういうホルモンなのかを伺いました。

ホルモン_太った女性のイメージ

 

「アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで、糖や脂肪の代謝に関与しています。脂肪燃焼効果や、血糖値を下げる効果があり、太りにくい体づくりをサポートしてくれます。また、血管を修復・拡張する働き、善玉コレステロール(HDL)を増やす働きもあります。これらの作用から、高血圧や糖尿病、脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病全般を予防・改善してくれるので、“長寿ホルモン”ともわれています」

Adiponectin.the,Word,Is,Written,On,A,Slip,Of,Colored,Paper.

<アディポネクチンの働き>

・脂肪燃焼を促して太りにくい体に導く
・インスリンの働きを助け、血糖値を下げる
・血管修復・拡張作用
・善玉コレステロール(HDL)を増やす

 

アディポネクチンを増やすには、大豆製品をとるのが効果的

 

つまりアディポネクチンが増えると痩せやすくなるということ。では、増やす方法とは?

 

「まずアディポネクチンは、おもに内臓脂肪によって分泌されるので、内臓脂肪の量が極めて少ないと分泌できなくなってしまいます。また逆に、太りすぎていて内臓脂肪が多すぎても分泌が減ってしまいます。正常に分泌されるためには、太りすぎず、適度な量の内臓脂肪を保つことが大切です。

 

また、大豆タンパクに含まれる『β₋コングリシニン』という成分には、アディポネクチンを増やす作用があります。ですから、大豆製品をしっかりとるようにするのが効果的。特におすすめなのが『緑茶おからコーヒー』です。これは私が、なかなか痩せられないと悩む患者さんにもすすめているものです。

 

作り方は、緑茶とコーヒーを1:1で割り、そこに市販のおからパウダーをティースプーン1杯程度混ぜるだけ。緑茶のカテキンにも、コーヒーに含まれるクロロゲン酸にも脂肪燃焼効果があり、おからパウダーのβ₋コングリシニンとの組み合わせで、さらに効果がアップするのです。おからパウダーは、食物繊維が豊富で腹もちもいいうえ、筋肉の材料になる良質なタンパク質をとることもできます。1日3回、食前に飲むのがおすすめです」

 

Dry,Bean,Curd,Powder.it,Is,Called,[okara,Powder],In,Japan.

 

食後の血糖値を下げ、食欲を抑える働きがある「インクレチン」

 

では、もうひとつの痩せホルモン「インクレチン」は、どのようなホルモンなのでしょうか?

 

「インクレチンは、食事をとることによって小腸などから分泌される消化管ホルモンです。インスリンと協調して、食後に高くなった血糖値を下げる働きがあるため、肥満治療薬にも使われています。インクレチンには、GLP-1と、GIPというふたつのホルモンがあり、このうちのGLP-1には、インスリンの分泌を促進する作用や、食欲を抑える作用があります。

 

GLP-1は、小腸に食べ物が届くと分泌され、脳や膵臓(すいぞう)、胃に合図を送ります。すると、脳は全身に満腹の指令を出し、胃の動きがゆっくりと休息モードになり、膵臓はインスリンを出して血中の糖を回収し始めます。つまり、GLP-1がしっかり分泌されると、食べすぎず、太りにくくなるのです」

 

Papers,With,Hormones,List,And,Tablet,With,Words,Incretins.

 

<インクレチンの働き>

・食欲を抑える
・インスリンの分泌を促して血糖値を下げる
・胃の動きを遅くするので、少量でも満腹感を感じやすくなる
・グルカゴン(血糖値を上昇させるホルモン)の分泌を抑制する

 

インクレチンは、肉から食べる「ミートファースト」で増やせる

 

では、インクレチンを増やす方法とは?

 

「インクレチンは食物中の栄養素に反応して分泌されるのですが、食べる順番では、ご飯や野菜を先にとるより、肉や魚などを先にとるほうが、分泌量が増えることがわかっています。そこでおすすめなのは、肉から食べる『ミートファースト』です。

 

最初に肉をとることでインクレチンが増え、それによって膵臓からインスリンが分泌され、食後の血糖値の上昇が抑えられます。また、食欲抑制効果や満腹感も得られます。肉のタンパク質は腸内細菌と結びつくと短鎖脂肪酸になり、それによってもインクレチンが分泌されます。ダイエット中は肉を控えがちですが、野菜ばかりとっているとタンパク質が不足し、代謝が落ちて痩せにくくなったり、髪や肌の老化も進んでしまうので要注意。肉を積極的に取り入れることが大切です」

Top,View,Of,Plate,With,Beef,Steak,And,Mixed,Salad

 

40代、50代からは無理な食事制限は禁物。ふたつの痩せホルモンをうまくコントロールして、健康的に太りにくい体をつくりましょう。

 

 

【教えていただいた方】

工藤孝文
工藤孝文さん
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医
Twitter

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。著書に『「毎日疲れない」にいいこと 超大全』(宝島社)など多数。 工藤孝文先生 著書  

 

 

写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂

MyAge

大人のからだバイブル vol.2 「痛み知らずの体になる!」

OurAgeの人気記事が1テーマムックに!
何度も読み返せる保存版OurAgeです。

MyAge
試し読み Amazon Kobo 7net

この特集も読まれています!

子宮筋腫特集~症状から治療まで
フェムゾーンの悩み解決
ツボ・指圧で不調を改善
40代からでも「絶対痩せる」
広瀬あつこさんの「若返りメイク」
閉経の不安を解消

今すぐチェック!

まさか本当に誕生するなんて! リライズ改め「ブローネ ナチュリラ」に、待望の「ダークブラウン」が登場

まさか本当に誕生するなんて! リライズ改め「ブローネ ナチュリラ」に、待望の「ダークブラウン」が登場

supported by 花王
<前の記事

<前の記事
第1回/食欲を司るふたつのホルモン「レプチン」「グレリン」をうまくコントロールして太りに…

次の記事>

次の記事>
第3回/幸せホルモン「セロトニン」&愛情ホルモン「オキシトシン」を増やして、更年期のメン…

この連載の最新記事

朝起きてから夜寝るまで「ホルモン」を味方につける理想的な行動パターンって?

第8回/朝起きてから夜寝るまで「ホルモン」を味方につける理想的な行動パターンって?

骨ホルモン「オステオポンチン」「オステオカルシン」を増やして若返り&免疫力アップ!

第7回/骨ホルモン「オステオポンチン」「オステオカルシン」を増やして若返り&免疫力アップ!

更年期の睡眠トラブルの改善には、ホルモン「メラトニン」をいかに働かせるかがカギ

第6回/更年期の睡眠トラブルの改善には、ホルモン「メラトニン」をいかに働かせるかがカギ

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

今すぐチェック!

OurAgeスペシャル