西村知美さんが産婦人科医の松峯先生に「尿もれ」について相談! 松峯先生によると「頻尿や尿もれは改善できます!」と心強いお言葉。長年悩んできた人にはうれしいお話ですね。では早速、お話を伺います。
1.尿もれのカギはここが握っている「骨盤底筋」
尿失禁には、切迫性尿失禁と
腹圧性尿失禁が。合併型も多い
松峯 尿失禁には、切迫性尿失禁と腹圧性尿失禁があります。切迫性尿失禁は、急に強い尿意を感じてトイレが間に合わなくなる症状。これは膀胱が自分の意思に反して収縮する、過活動膀胱という病気が原因で起こります。薬での治療が可能で、お腹の横に貼る貼り薬や、飲み薬があります。
一方の腹圧性尿失禁は、重い荷物を持ち上げたときや、くしゃみ、大笑いをしたときなどにもれるというもの。こちらの原因は、おもに出産や加齢による骨盤底筋の緩みにあり、骨盤底筋を鍛えるトレーニングをすることで、症状を改善することができます。ただ女性の場合、切迫性だけとか腹圧性だけということはなく、両方が合併しているケースが多いんですね。
西村 私は腹圧性で、立ち上がったときにもれることが多いんですが、今後、切迫性へと変わっていく可能性があるということでしょうか?
松峯 あります。ですから日々のトレーニングで、骨盤底筋の筋力をアップすることが大切なんです。人生100年時代と言われる今、昔の人のように子どもを5人も6人も産んで50歳で死んでしまうならともかく、尿もれを気にしながら70歳、80歳と生きていくのはつらいですものね。
西村 本当に切実です。予防法があるとしたらどんなことですか?
松峯 一番には、まず産後に無理をしないことです。骨盤を締めるベルトをしっかり巻いて安静にして、開いた骨盤を元に戻す。ただ、もうお産が終わってしまった人にそれを言っても仕方がないので、あきらめずに今から努力することが肝心です。骨盤は戻せなくても、そこに付随する軟部組織や筋肉、腱などは強化できますから。あとでトレーニング法をお教えしますね。
西村 うれしい! しっかり覚えて帰ります。
西村知美さん
Tomomi Nishimura
1970年生まれ。’85年に第1回ミス・モモコグランプリで優勝。’86年の映画『ドン松五郎の生活』で主演デビュー。’97年に西尾拓美さんと結婚、2003年に長女が誕生した。現在はバラエティ番組を中心に、幅広い分野で活躍中
松峯寿美さん
Hisami Matsumine
1970年、東京女子医科大学卒業。医学博士(婦人科)。特に不妊治療、思春期・更年期医療に力を注ぐ。’80年に東峯婦人クリニックを開業、院長に就任。女性専門外来の先駆けとなる。著書に『50歳からの婦人科 こころとからだのセルフケア』(高橋書店)などがある
そもそも骨盤底筋とは? 次回は、尿もれのカギを握る「骨盤底筋」の役割についてご紹介します。
撮影/織田桂子 ヘア&メイク/営野 充(STUDIO KUMU)〈西村さん〉 スタイリスト/三上しろえ〈西村さん〉 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/上田恵子