知識を持って、ポジティブに向き合ったもの勝ち!
正しく知りたい「更年期」
「更年期って何?」「私って更年期なの?」「このつらさ、いつまで続くの?」etc。40代、50代といっても年齢によって、また人によって、更年期についての知識や、現れる症状にはかなり差があります。
ホルモンのバランスがくずれることで、実は誰にでも来る更年期は、不調の感じ方や症状の程度に差こそあれ、私たちの体に大きな影響を及ぼします。今と将来の自分の健康を考えるために、ここでしっかりと更年期のこと、学んでみませんか?
Part2
真っただ中の人に朗報
あの手この手で
更年期もHAPPYに過ごす!
今までとは違う疲労感、不眠、だるさ、のぼせ、多汗…、さまざまな症状が出ている人こそ、目をそらさずに向き合ってください。
約10年間の更年期をネガティブになることなく快適に過ごす方法と、元気で素敵な60代、70代にステップアップするための知恵を身につけたい!
ここでは、ちょっぴり辛口でちょっとエッチ、痛快なコメントを繰り出すことで有名な精神科医の和田秀樹先生にお話を伺いました。
さらに、2回に分けて12人の女性たちの不調改善法をご紹介。今回は、まず5人の女性の体験談です。
和田流 更年期の不調を乗りきる 3カ条
1. 食べ物をバカにするな
2. 思考パターンを変えよ
3. もっと恋をしよう
精神科医の視点で更年期の過ごし方を教えてくれる指南書
『思秋期ー感情的な人ほど早く老いる!?』
和田秀樹 著/ブックマン社
成人から老人になる間の時期(40~60歳くらい)を
「思秋期」と名づけている和田先生。
「岩崎宏美さんの歌を思い出す人もいるかもしれません」
と語るようにご自身も50代半ば、思秋期真っただ中。
精神医学やアンチエイジング医学の立場から、
ここ10年ほど勉強を続けているのがこの時期のこと。
思秋期を賢く乗りきり、ハッピーな老年期を迎えるヒントが満載!
『思秋期』の著者、和田秀樹先生に聞く
更年期との上手なつき合い方
頑固になる思考を自覚して
コントロールすることも大事
「何が不思議かって、ホルモンには驚くべきパワーがあること。老化防止はもちろんだけど、気分にも効く。例えば、60代くらいで急に社交的になる女性もよくいます。実はそれ、男性ホルモンが増えているからなんです。そもそも女性の体にも男性ホルモンは多くあるのですが、年をとってさらに増えてくる人もいるんですよ。反対に、意欲ががっくり衰えてきたなと思ったら、男性ホルモンが下がってきたせいかも。そういう方は、たとえ女性でも男性ホルモンを少しだけ足すという方法もあります」(和田先生)
そして、忘れてはならないことは更年期はホルモンの減少と、脳の老化がいっぺんに起こる時期だということ。前頭葉も萎縮してきます。
「それはもう新しいことをする意欲、冒険心もなくなってきます。どうも頑固になって『決めつけ思考』『かくあるべし思考』に傾いていく。すると脳の老化は進むんです。TVばかり観ている人はなりやすいですね。うつにもなりやすい。
それを自覚して『いろんな考え方があるんだな』と柔軟にとらえる努力をしたり、発想の転換をしないといけない。そして老化しきる前、40〜50代のうちに、苦労してでも趣味とか夢中になれるものを見つけておく。後からでは当然難しくなりますからね。更年期でつらい不調を抱えている人は、そこまで頭が回らないかもしれないけれど、急がば回れです。頭は固くなるんだと自覚を持って、思考パターンも生活パターンも変えていく必要があると思います」(和田先生)
今、輝いている女性たちにも
実はつらい時期があった…
●絵に描いたような更年期症状がホルモン療法ですべて改善!●
岩見 薫さん(1962年生まれ・会社員)
48歳で閉経すると、ホットフラッシュに多汗、不眠、頭痛、うつ、不安症、過活動膀胱、イライラ…諸々の不定愁訴がみごとにやってきました。2年半ほど何もせずにいたのですが、医師に混合ホルモン療法(女性ホルモン+男性ホルモン)をすすめられ、3週間〜1カ月に1度、約1年通いました。初回でホットフラッシュと睡眠障害、イライラが解消。1カ月近くたつと効能が切れるのがわかるんです。
現在は半年間投与していませんが、症状はほとんどなく、毎日が快適です。多少産毛が濃くなったりしましたが、12回でここまで改善するなら、いい選択だったと思います。
●お試しのつもりで始めたHRTが、大きな力に!●
宇江佐りえさん
(1959年生まれ・エイジングスタイリスト/更年期ナビゲーター)
更年期と気がつかず、イライラやひどい脱力感を抱えたまま過ごしていた数年間。ようやくホルモン値の検査をすると更年期の不調だと診断。50歳でHRT(ホルモン補充療法)を受け、その効果に驚きました。それでも元来の薬嫌いのため、最低量しか使わなかったり薬剤を変えてみたり、途中で数カ月間休んでみたり…試行錯誤で5年間。
更年期症状もそろそろ落ち着いてきたので、現在は健康維持の目的でジェル状のエストロゲンと黄体ホルモンを使用中。症状の強弱はありつつも約10年間の更年期を経て、今は体も心も吹っきれたよう。本当の意味で「大人の女」になった実感を味わっています。
『更年期をハッピーに生きる 幸年期メソッド』
宇江佐りえ 著/自由国民社
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●元気をくれるのは週1回のプラセンタ注射●
青木ユリさん(1952年生まれ・主婦)
だるい、体が重い、疲れやすい、就寝中のホットフラッシュ…。50代中頃からそんな症状があったのに、更年期だから仕方ないと我慢していました。友人の女医にプラセンタ注射をすすめられ、週に1回始めてみたところ、ホットフラッシュがかなり改善されたうえ、「肌が変わったね」と言われたり、夫には「疲れたと言わなくなった」と!
プラセンタ注射をすると、帰宅する頃には元気になっています。自然がいいと考えていましたが、何かの力を借りることも必要なのだと実感しています。
●自律神経を整える「呼吸法」に救われて●
kyoさん
(1962年生まれ・ボディワークプロデューサー)
50歳を境に生理が乱れはじめ、同時にホットフラッシュのような症状やだるさを感じるように。私のメソッドの中でも大切にしている呼吸法を、毎日意識的に行ってみることにしました。軽い運動(交感神経の刺激)と骨盤呼吸(副交感神経と交感神経の安定を図る)によって自律神経のバランスをとることができたようで、気がつけば改善されていた感じです。
b-i STYLEの骨盤調整レッスンに通ってくださる皆さんの中には、更年期の女性もたくさんいます。最初は少しつらそうだった方も、毎週通うにつれて体調を上手に保てるようになることが多いんです。この年代は心身のメンテナンスが大切だと、皆さんのことを見てつくづく感じています。
●自分に合うHRTを見つけ、今は最高の状態!●
KIMIKOさん
(1961年生まれ・ポスチュアスタイリスト)
症状があったのは46歳から53歳頃。50歳あたりまで、ひどかったのはめまいとふらつき。手足のしびれも少し。それでも「自然のままがいいんだ」と言い続け、やり過ごしていました。そんなとき雑誌の取材で婦人科を紹介していただき、HRT(ホルモン補充療法)と漢方薬の加味逍遙散(かみしょうようさん)を併用することに。気力とパワーが断然違いました。
ポスチュアウォーキングで心身を鍛えていたおかげで、自律神経も完全にバランスを取り戻し、その後HRTはいったん終了。最近再開してジェルタイプのエストロゲン薬を塗っています。これが私にはとても合っていて、むくみやすかった体調も正常に。その他、好きで飲んでいる漢方薬も数種類。今は絶好調です!
次回は、更年期を認めて自分に合った方法を見つけた方たちの体験談、私の不調改善法・その2です。
イラスト/平松昭子 構成・原文/蓮見則子