初めてのHRT(ホルモン補充療法)を受けてみることにした、読者の篠田レイさん。まずは対馬ルリ子先生のクリニックで、今の健康状態を確認することに。
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。産婦人科医、医学博士。最新刊は吉川千明さんとの共著『「閉経」のホントがわかる本 〜更年期の体と心がラクになる!』(集英社)
閉経前後、ホルモンの波による不調に悩む皆さん、
ぜひ相談に来て!
「女性ホルモンが急激に減って、脳がパニックを起こしてしまうのが更年期。不調を抱えてつらい思いをしている女性はとても多いのです! 更年期は閉経の前後10年間。不調をそのままにしておくと、さらに複雑に症状が重なり、疲れ果てて外見だってボロボロになってしまいます。症状を緩和するために何か行動を起こすことはとても大切。いつでも相談に乗りますよ!」
私が体験しました!
1965年生まれ。自営業。茅ヶ崎で夫と二人でカフェを切り盛りして忙しい毎日。趣味はサーフィン、SUP、ボディボード!
まさか自分が!?…の更年期症状。
あれもこれも重なってイライラの毎日
「子宮筋腫と卵巣嚢腫で、子宮上部と卵巣ひとつを摘出手術。するとどか〜んと来ちゃったんです。ホットフラッシュ、わけもないイライラ、頭痛に肩こり、手のしびれ、疲れる、手足の冷え、仲良し以外は人と会いたくない…。整形外科で手のしびれを診てもらったら『これは更年期! よくいるんだよねえ』なんて相手にされないし。HRTなら治るかもしれないと、期待しています!」
HRTの前にがんチェック!
乳がん検診と子宮がん検診
対馬ルリ子先生のクリニックでの初診の日、篠田レイさんは事前の指示で、婦人科検診も予約。HRT(ホルモン補充療法)が問題なくできるかどうか、女性ホルモンの数値を見たり、検診で健康状態を確認する必要があるためです。
特に乳がん検診と子宮がん検診は必須。篠田レイさんは検診を過去2年ほどしていなかったので、まとめてお願いすることに。
HRTメモ
「HRT」が適さない人とは?
HRTを受けられない人は、乳がん・子宮体がん・重い肝臓病の人、血栓症・心筋梗塞や脳卒中にかかった人。
場合によっては受けられない人は、婦人科がんの手術を受けたことのある人、喫煙者、コントロールできていない糖尿病や高血圧の人です。
その他、注意が必要な人もいますので、医療機関で確認を。
事前の準備が必須です
問診票に記入
クリニックでは現在の体の状態を把握するため、細かい確認事項の記入も。更年期指数の自己診断やうつ病チェックシート、問診票、家族の病歴、自分が今までかかったことのある病気など。
詳細情報は思い出すのに時間がかかり、少々パニック! 特に親族の婦人科がんリストは今後も必要になるので、一度まとめておきましょう。
乳がん検診の結果は即日判明!
問診と診察
対馬ルリ子先生の診察は、問診と内診。内診は子宮頸がん・体がん検診も兼ねていて、卵巣の様子も超音波で診てもらいます。
この日最初に乳腺科で受けた乳がん検診の結果がもう出ていて、マンモグラフィ、超音波、触診と、どれにおいても乳がんの心配はなしと判明してひと安心!
HRTについても直接先生から説明を受けました。
HRTメモ
改めて「HRT」とは?
HRT(ホルモン補充療法)とは、閉経前後に、体内で不足してしまった女性ホルモン(エストロゲン)を必要最小限に補い、更年期の症状や骨粗しょう症などを改善する治療法のこと。
その人の状態に合わせ、オーダーメイドのように処方されます。HRTはHormone Replacement Therapyの頭文字。
本格処方の前に…
お試しの薬を処方してもらえた!
問診で、明らかに更年期の症状であると診断された篠田レイさん。血液検査などの結果はまだ出ていないけれど、症状のつらさを見かねた先生が、エストロゲン剤を2カ月分処方してくれました。
HRTには飲み薬や貼り薬、ジェル状の塗り薬などいくつか種類がありますが、篠田レイさんが処方されたのはパッチ剤。思ったよりお手軽です!
「女性ホルモンを分泌するのは卵巣なので、卵巣がひとつでも残っていれば症状が急に出ることはないのだけれど…。何か引き金になることがあったのかな」と先生。読みが深い!
篠田レイさんのHRT体験ルポは、次回にも続きます。
撮影/藤澤由加 イラスト/小迎裕美子 構成・原文/蓮見則子 協力/対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座