婦人科医の八田真理子先生が、更年期世代にとって大切なこととしてあげるのは、何でも気軽に話せて体の悩みを丸ごと受け止めてくれる、かかりつけ医に出会うこと。その理由とは?
人生の全部を共有できる、
そんな婦人科医を
かかりつけ医に!
八田真理子先生
地域に根差した産婦人科を開業している私は、日々さまざまな悩みを抱えた女性を診ています。父の代から半世紀近く、親子3代で通っている方も。顔かたちが似るように遺伝性疾患がある一方で、生活習慣で改善できるトラブルや病気も多いと感じています。
検査や画像より、顔色や声のトーンなどを注視する。専門外なら近隣の先生に紹介し、患者の求めに真摯に応える。それがかかりつけ医の任務だと思っています。アドバイスの基本は「食生活・運動・睡眠」の大切さ。 栄養バランスの悪さが月経トラブルや更年期症状を引き起こす一因になっているからです。
私自身、更年期を機に食生活のリセットをしたところ、体調が格段に改善。身をもって実感した「医食同源」の大切さを伝えたく、クリニック併設キッチンで健康食の提供もしています。
また、女性性を大切にするあまり「子宮は女性のシンボル」だから仕方ないと、つらい月経過多や生理痛を我慢している女性に、正しい情報を届けたい。
そして、腟まわりもレーザー治療で若返りができる時代です。乾燥やかゆみ、性交痛、頻尿や尿もれなどに悩むなら、5分程度で治療可能。更年期世代こそ、顔と同じくフェムゾーンケアが重要。意識するかしないかで、これからの人生が大きく変わってくるはずです。
もっとオープンに月経や腟まわりの話ができたら素敵ですね。私たち医療者も、今後もっと積極的にサポートできる体制づくりを考えています。何でも気軽に話せる、かかりつけ医をぜひ見つけてください。
お話を伺ったのは
八田真理子さん
Mariko Hatta
産婦人科医。1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。著書に『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』 (アスコム) など。
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イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子