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うつ、イライラ、動悸、不安感が止まらない!更年期メンタル不調の「リアル体験談」

体のあちこちが不調になるだけでなく、メンタルも弱りがちな更年期。そんなメンタル不調が起こりやすくなる理由や、婦人科ドクターがメンタルの弱った人に行う治療、おすすめのセルフケアなどを全5回の連載で紹介します。まずは、OurAge読者から寄せられたリアルボイスを聞いてみましょう。

更年期のメンタル不調の中でも多いのは、「イライラが止まらない」「ざわざわした不安感に襲われる」「憂鬱になって気持ちが落ち込む(更年期うつ)」「動悸や呼吸困難などの発作を繰り返し、『死んでしまうかもしれない』という強迫観念に襲われる(パニック障害)」という4つの症状。そして、これらが複合的に起こることが珍しくないのです。

 

そこで、OurAge読者の「実際に体験した症状」「そのときの気持ち」を具体的にヒアリングしました。すると、「感情のコントロールがきかなくなった」という声が多数!

 

いったい、いつまで続くの?「私はこうだった」エピソード

 

「感情のアップダウンが激しくなり、イライラが止まらない」(自営業・55歳)

イライラが止まらない更年期女性のイラスト

 

私の場合、体の症状は耐えられる程度でしたが、更年期が始まった頃は感情のアップダウンが激しくて、イライラが止まらない日々。夫と子どもが「最近のお母さんって、情緒不安定だよね」と言い合っているのを聞いただけでも、イラッ。頭では「怒るほどのことではない」とわかっていても、コントロールがきかず…。ほぼ毎日のように子どもを叱ったり、夫にあたったり、ケンカばかりしていました。そして、気持ちが落ち着くと自己嫌悪に陥るの繰り返し。「どうして、こんなにイライラするんだろう」とつらかったけれど、婦人科を受診して、今はちょっぴり落ち着いてきました。苛立ったときには、「これは私の本意じゃない。大丈夫、大丈夫」と平常心に戻るように努めています。

 

「わけもなく不安になり、胸がざわざわする」(パート・48歳)

 

今は不安感が強くて、日々、生活するだけで精いっぱい。食欲が落ちて体重が5kgくらい減ってしまいました。朝目覚めたときに「この先、私はどうなってしまうんだろう?」と、ざわざわとした不安に襲われて、わけもなく涙が出ます。夜もなかなか寝つけなくて、ため息が出る回数が増えました。もともと本を読むことが好きだったのに、集中力が低下しているのか、今は本を読んでもまったく頭に入ってこない感じ。「更年期は無理しないほうがいいよ。もう少しグータラ過ごしてみたら?」と年上の友人から言われたけれど、人からさぼっているように思われないかと、それもまた不安。なんでもいいので、更年期のメンタル不調を乗り越える方法を知りたいです。

 

「やる気が起きず、トンネルの中にいるような気分だった」(専業主婦・59歳)

更年期うつの女性イラスト

閉経前後はホットフラッシュや頭痛、肩こりなど、毎日どこかしら具合が悪くて、朝起き上がるのもつらい状態。気持ちが落ち込み、不眠が続いていたので、心療内科で精神安定剤を処方してもらっていました。でも、なかなかよくならなくて…。「こんなにしんどい状態が、いつまで続くんだろう?」と、長くて暗いトンネルの中にいる気分でした。以前はテキパキと家事をしていたのに、料理も掃除もしたくなくて。とにかく「やる気」が起きないんです。そんな自分が許せなくて、罪悪感でいっぱいでした。唯一の息抜きは、同じ更年期世代の友だちとたまに話すこと。お互いの体調を話して、「私だけじゃないんだ」と慰められました。夫に話してもまったく理解してもらえず、つらかったけれど、話を聞いてもらえる友だちがいたことが救いになりました。

 

「動悸がして、このまま死んでしまうのでは?という気持ちに」(会社員・56歳)

乗り物の中で心臓バクバク状態の女性イラスト

更年期って、ぶり返すこともあるのですね。ホットフラッシュで大汗をかくことがなくなり、ホッとしていたら、閉経後は動悸、息切れが起こるように。夜、なかなか寝つけないでいると、グルグルといろんなことを考えてしまい、心臓がバクバクしてくるんです。若いときはちょっとした失敗をしても、一晩寝て、朝起きたときには頭の切り替えができていたのですけど、今は、少しの失敗も引きずってしまいがち。何日たってもネガティブな気持ちが続きます。仕事のことを考えると突然めまいがしてクラッとしたり、心臓がバクバクしたりして、「このまま死んでしまうかも」と考えてしまいます。「動悸がしたらどうしよう」と、最近は電車に乗るのが心配です。

 

更年期のメンタル不調には「3つの要因」がある

 

読者の更年期体験談を読んで、「これって、私も同じ!」と感じている方も多いのではないでしょうか。

 

産婦人科医であり、臨床心理士でもある吉野一枝先生によれば、「更年期はメンタル不調に陥りやすい時期です。だからといって、誰もがメンタル疾患を起こすわけではないんですよ」とのこと。心と体はつながっているので、ホットフラッシュなどの体の不調が続けば、心が疲れてしまうのは当たり前のこと。こうした更年期特有の「身体的要因」とともに、もともとの性格や考え方のクセが影響する「心理的要因」、そして、職場や家庭など人間関係のストレスが原因となる「社会的要因」が加わり、これら3つの要因が絡み合って、メンタル不調を招く引き金になるのだそうです。

 

 

【教えていただいた方】

吉野一枝
吉野一枝さん
産婦人科医・臨床心理士
公式サイトを見る

よしの女性診療所院長。 一般企業での勤務経験を経て、帝京大学医学部を卒業。更年期世代の心の悩みに寄り添う親身な診察に定評がある。女性の健康啓発に力を入れているほか、LGBTQ当事者に性知識を伝える講演活動も行う。『40歳からの女性のからだと気持ちの不安をなくす本』(永岡書店)など、著書多数。

 

イラスト/内藤しなこ 取材・文/大石久恵

 

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第2回/更年期のメンタル不調の背景にある「3つの要因」って?

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