HAPPY PLUS
https://ourage.jp/kounenki_no_chie/about-menopause-period/332726/

更年期メンタル不調をセルフケア!「自分ファースト」の時間を持とう

更年期のメンタル不調をこじらせないためには、疲れやストレスをまめにリセットすることが大事。短時間でいいので、1日1回、リラックスできる時間を作りましょう。「自分ファースト」で過ごす時間がストレス解消&気分転換に。気分を上げる工夫や考え方について、吉野一枝先生からアドバイスをいただきました

【教えていただいたのは】

吉野一枝
吉野一枝さん
産婦人科医・臨床心理士
公式サイトを見る

よしの女性診療所院長。 一般企業での勤務経験を経て、帝京大学医学部を卒業。更年期世代の心の悩みに寄り添う親身な診察に定評がある。女性の健康啓発に力を入れているほか、LGBTQ当事者に性知識を伝える講演活動も行う。『40歳からの女性のからだと気持ちの不安をなくす本』(永岡書店)など、著書多数。

自分のことを後回しにしないで、「自分ファースト」の意識を持ちたい

 

「多くの人が自分のことを後回しにして、よい妻、よい母、よい娘、よい部下、よい上司であろうと根を詰めているのではないでしょうか。でも、『よい人』でいようとするのをやめて、もっと『自分ファースト』で生きてもいいんじゃないかと思います。自分の人生は自分の責任。この先も人生が続くので、老年期に向けて『自分の健康をしっかりと守って生きていこう』という意識を持たなくては」(吉野一枝先生)

 

更年期の諸症状を我慢してハードに過ごしていると、知らず知らずのうちにストレスがたまり、ある日、ダムが決壊するようにメンタル不調を引き起こすことがあるのです。そうなる前に手を打つことが大事。負のスパイラルに陥ると思考が低下して、落ち込みや不安、イライラ、不眠などの不調に悩まされてしまいがち。メンタルを守るためにも、気分転換を図る術を知っておきましょう。

 

かつて吉野先生自身も更年期の頃にお母さまとの同居生活を経験し、ストレスがマックスに。紆余曲折を経て、同居を解消した経験があるのだそう。当時、車の運転中にパニック発作のような症状が出たこともありました。

 

「私の場合、そのときの自分を落ち着かせる一番の方法が〈怒ること〉だったんです。といっても、人に八つ当たりしたりはしませんよ。『日本の社会は、なんでこんなにひどいの!女性がないがしろにされている!』と、社会に対して怒りまくっているうちに気持ちが落ち着きました。ただ、これは万人向けとはいえないので、誰にでもおすすめできる方法ではないですけどね(笑)」

 

吉野先生が日頃、更年期の患者さんたちにすすめているのは「1日10~20分でいいので、自分が好きなこと、あるいは自分が心地よく感じられることをする時間を持ちましょう」ということ。例えば、朝目覚めた直後や夜寝る前はベストタイム。一日の始まりをすっきりとした気持ちでスタートしたり、イヤなことをリセットすることができます。

 

1日10分、自分が好きなことをするセルフケアタイムを意識的に作ろう

 

自分自身がリラックスできるセルフケア法は人それぞれ。もしかしたら、日頃無意識にやっていることかもしれません。自分が心地よくなることをリストアップしてみましょう。

 

ゆっくりとお風呂に入ったり、好きなアロマを漂わせたり、あるいは運動することでリラックスが得られる人もいるでしょう。お気に入りのカップでお茶を飲むだけで「気持ちが落ち着く」と感じる人、友だちと電話でおしゃべりすることでストレス発散する人、静かに本を読んだり、音楽を聴いて過ごす時間を大切にしている人もいるはず。

ゆっくりお茶を飲みながらホッとしている女性イラスト

あるいは、家中をピカピカに掃除したり、洗濯すると気持ちが整うという人、料理をして、おいしいものを食べると元気が出る人もいます。家事を一切しないで、ぼーっとする時間を持つのもいいですね。OurAgeの編集スタッフからは「目を閉じて深呼吸して、好きな色に囲まれるイメージをすると、幸せな気分になる」という声も聞かれました。

 

また、吉野先生によれば、「頭の中でグルグルと考え込んでしまうときは、〈書くこと〉で気持ちが整理されるそう。日記のように、そのときの気持ちを書き残すのもいいかもしれません。

嫌なことを書き出す女性イラスト

 

「要は自分の心をクールダウンさせ、気持ちが楽になることを意識的に行うことが大切だと思うんです。そうすれば、ストレスを小出しに発散することができます」

 

仕事や介護、家族の世話に注力して、自分のことを後回しにしてばかりいると、心身の不調を重症化させることになりかねません。そもそもセルフケアというのは、自分自身をいつくしむ行為です。

 

「みなさん、自分のことをもっともっと大切にしてあげなくては!心がざわついたときには、気持ちが楽になることを意識的に行うことが大切です。『これをすると、自分の気分がよくなって、元気になる』という方法を、いくつか持っているといいですね。『今日はこれをやってみよう』と、1日1回、気分転換を図る習慣を持ちましょう。そのひとときは、誰もが『自分ファースト』の時間を過ごせるはず。更年期女性だけでなく、この国で立場が弱く、守られていないすべての人たちにエールを送りたいと思います!」

 

ご機嫌をアップする「私が好きなこと」リスト

・お気に入りのカップで、お茶を飲む
・緑がある場所を散歩する
・友だちとおしゃべりやメールを楽しむ
・心地よい色に囲まれたイメージをする
・室内に好きなアロマを漂わせる
・ゆっくりとお風呂に入る
・音楽を聴く、好きな映画を観る
・読書をする
・日記を書く
・窓や床を磨いたり、洗濯をする
・料理をする
・好きなものを食べる
・何もしないで、ぼーっとする

など

 

「ぜひご自分のリストを作ってみてください!」

 

イラスト/内藤しなこ 取材・文/大石久恵

この特集も読まれています!

子宮筋腫特集~症状から治療まで
フェムゾーンの悩み解決
ツボ・指圧で不調を改善
40代からでも「絶対痩せる」
広瀬あつこさんの「若返りメイク」
閉経の不安を解消

今すぐチェック!

やや無骨な名前とは裏腹に、上品で優しい芋焼酎! 原日出子さんの簡単おつまみもご紹介中です

やや無骨な名前とは裏腹に、上品で優しい芋焼酎! 原日出子さんの簡単おつまみもご紹介中です

PR
<前の記事

<前の記事
第4回/吉野一枝先生の診察室より「婦人科で行う更年期のメンタル不調の治療例」

この連載の最新記事

更年期メンタル不調をセルフケア!「自分ファースト」の時間を持とう

第5回/更年期メンタル不調をセルフケア!「自分ファースト」の時間を持とう

吉野一枝先生の診察室より「婦人科で行う更年期のメンタル不調の治療例」

第4回/吉野一枝先生の診察室より「婦人科で行う更年期のメンタル不調の治療例」

更年期メンタル不調をこじらせないためのセーフティネットとは?

第3回/更年期メンタル不調をこじらせないためのセーフティネットとは?

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

今すぐチェック!

OurAgeスペシャル