50代後半から60代はポスト更年期から老年期への移行期、
症状が一段落しても、安心せずに、
行うべきことはたくさんあります!
吉川千明さん(美容家・オーガニックスペシャリスト)
1959年生まれ。「ビオ代官山」代表、認定メノポーズカウンセラー。
産婦人科の医師、対馬ルリ子氏とのセミナー「女性ホルモン塾」を定期開催。
ナチュラルで美しいライフスタイルをさまざまな角度から提案。
アワエイジの連載「ハッピー女神プロジェクト」も毎回、大好評
女性ホルモンの守りから卒業して、
次のステップへ!
体の不調だけではなく
“心の不調”がつらかった
30 代後半には、仕事の重圧と多忙さからプレ更年期の症状に悩まされ、45 歳からの本番更年期でも、あらゆる不調を体験したという吉川さん。
「更年期症状はさまざまですが、私の場合、なぜか最も一般的なホットフラッシュだけはなく、それ以外のすべてを体験した感じ(笑)」
ひどい肩コリ、冷え、動悸、不眠、肌あれ、喉やデリケートゾーンの乾燥、頻尿、尿もれ、中耳炎…。
「なかでもメンタルにきたのには参りました。会社では経営者としてしっかりした人間を演じ、家では夫婦間に亀裂が入っていました。その後、離婚をするのですが、そのことでまた自分を責めて、このままでは本格的なうつになると思いました。体はますます冷え、頻尿や尿もれにも悩まされました」
心理テストを受けたところ、やはり過度なストレス状態。これらを解消するために、リラックスする漢方薬を飲んだり、ヨガなどの運動療法、アロマテラピー。そして初めてカウンセリングも受けたといいます。
「特に離婚前後、プロのカウンセラーに話を聞いてもらうことで、混乱した思考がずいぶん整理され、心が軽くなりました。もっと自分の心を大切にしなければ…と思いましたね」
体の内側で、骨や血管、内臓の機能が衰えはじめます。
それを少しでもくい止める努力が今から必要です
そして大きな救いになったのが、HRT(ホルモン補充療法)でした。
「更年期は卵巣から卵がなくなり、女性ホルモンが低下した体の状況に、脳が混乱している状態。そこに女性ホルモンを少しだけ補ってあげることで、脳が納得して、心身の調子がすごくよくなります。試しに一度やめてみたことがあるのですが、とたんに気持ちが暗くなりました。女性ホルモン、恐るべしです(笑)」
HRTは2種類で子宮の健康を守る!
[右]卵胞ホルモンであるエストラジオールを経皮吸収させるジェル状塗り薬「ル・エストロジェル 0.06%」。[左]定期的に黄体ホルモン「プロゲストン錠 2.5㎎」を飲んで、子宮内の掃除をすることも大事
次回は、後編。吉川千明さんの更年期から老年期への移行期の体への対処法をご紹介します。
撮影/ 塩谷哲平(t.cube) 取材・原文/山村浩子