産婦人科医として仕事をしていたときの経験から、フェムゾーンに特化したクリニックを立ち上げたという喜田直江先生。10~70代まで年齢も悩みも多様なフェムゾーンケアについて伺いました。
大切な部分だからこそ
自分のペースで優しくケアを
進化し続け、さまざまな治療法やアイテムも増えているフェムゾーンケア。単なるブームや他者との比較ではなく、「自分と向き合うきっかけ」として無理がない範囲で始めてみることが大事です。
“10代〜70代までケアはさまざま。人と比較せず、自身の快適さとQOLのために動いて。”
喜田直江先生
フェムテックやフェムゾーンが話題になり、クリニックへの取材もとても増えました。
産婦人科医として仕事をしていたときに、出産時の会陰切開や出産後の腟の緩み、尿失禁などに悩んでいる人がとても多いことを知り、誰にも言えない悩みを抱えている人がたくさんいるならと、フェムゾーンに特化したクリニックを立ち上げました。
始めてみると産後の女性だけでなく、年齢も悩みも多様で、10代から70代後半まで受診しています。
そのとき、多くの人に聞かれるのが、「他の人に比べてどうですか?」という質問です。
フェムゾーンは他者との比較ができない分、自分だけが劣っているのではないか、と悩みやすい部分でもあります。
特に、フェムゾーンケアがこうやって話題になると、自分はきちんとできていないのではないか、フェムゾーンに関心を持てないなんてダメなのではと、自分を責めてしまう人もいるようです。
でも、その必要はありません。かかわり方も治療法もいろいろ。他者との比較ではなく自分のペースで気になる部分をケアする、という意識で向き合ってほしいです。
お話を伺ったのは
喜田直江さん
Naoe Kida
なおえビューティークリニック院長
医学博士。2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。形成外科医として多くの女性が悩みを抱える婦人科形成の専門クリニックを2011年に開院
日本で初めてフェムゾーン医療に特化した女性専用クリニック。緩みや痛みの悩み以外にも形状や脱毛などのケアも。
●東京都中央区銀座5-5-1 ニュウ銀座千疋屋ビル 9F
☎03-5537-7560
撮影/ケビン・チャン 構成・原文/安藤由美