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大事故を起こす前に! 更年期、収まらないイライラの原因と対処法

吉川千明

吉川千明

1959年生まれ

美容家、オーガニックスペシャリスト

自然や植物の力に着目し、オーガニックコスメをはじめ、スパ、漢方、食にいたるまで、ナチュラルで美しいライフスタイルを提案

オーガニックビューティの第一人者として知られる

 

OurAgeインタビュー「美容の世界をあらゆる角度から学び、最高の知識で女性を救いたい」はこちら

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大事故を起こさないで欲しいから

更年期、イライラの原因と対処法

「イライラさせる方が悪いのよ!」
イライラするあなたの気持ちわかります。と言いたいところですが、

この時期のイライラは、あなたのホルモン変化によるものと思った方がいいかもしれません。

更年期のイライラは大事故につながります。引き金を引くのは私たち。後悔するのも私た
ち。
今までだったら絶対に言わなかったことを相手に放ったり、泣き叫んだり、怒り狂ったり、物を投げたり、

この時に失った信用や対人関係のもつれが取り返しのつかないことにつながります。

実は、2割の人が更年期に仕事を辞めています。
イライラも怒りも女性ホルモンが急降下する時期の、「一過性の脳の暴走」が原因です。
回避する方法も、治療もあるのです。

それなのに、長年やってきた仕事を辞めてしまうなんて本当にもったいないことと私は思います。
あなた自身も傷つくし、相手も傷つきます。どうあれ、回避して欲しいのです。

吉川連載更年期のいらいら写真1吉川さん
写真は、新幹線の中で。10年やった仕事をやり終えて。

私も更年期真っ只中は苦しい時もありました。今は笑顔になりました!

 


イライラの原因は、相手じゃない、

あなたの脳の中から

40代に入ると卵巣機能は急激に落ちます。女性ホルモンは卵巣から分泌されます。

卵巣機能が落ちれば、女性ホルモンの分泌も急激に低下します。
脳は、いつもホルモンを見張っています。卵巣がホルモンを分泌していれば、脳は安心します。

しかし、ホルモンを出さなくなると脳は慌てます。

「卵巣よ、ホルモンをいつものようにお出しなさい!」卵巣に向かって強く指令を出すのです。

卵巣機能は低下していくだけですから、どんなに指令を出されても脳のリクエストには応えられません。
許してくれるどころか、卵巣機能が落ちれば落ちるほど、脳は狂ったように指令を出し続け、ついにはパニック状態になります。

この脳のパニックが、イライラや怒り、焦燥感、不安感など

脳の中の心よりもっと深い「情動」と呼ばれる強い感情にまで影響を与えるのです。
あなたが悪いわけじゃない。だけど、イライラだけじゃない。仕事もうまく進まない。
脳のパニックと暴走が影響を与えるのは情動だけではありません。

心を安定させ、冷静さを保ち、頭の回転をよくしてくれる脳内物質セロトニンの分泌も減少します。

いつもは考えずに手が動いたことに、「あれ〜なんだっけ?」と考え込んでしまったり、

約束の時間を忘れたり、締め切りに間に合わなかったり。

無気力、やる気のなさ、集中力や段取り力の欠如、それに物忘れ、

正直、仕事にはかなり支障が生じてくることも事実です。
私も、乗る電車の方向を間違えたり、約束を忘れたり、買い物に出て何を買うのかわからなくなったり・・・、

そんなことがしょっちゅうありました。
仕事場ではかなり人に迷惑をかけることもあるわけです。

それはこの時期特有のことで、仕方のないことなのですが、

そこに、「ごめんなさい、迷惑かけて」ではなくて、大きなイライラ爆弾を落とすのですから、正直周りも大変です。

 


数値を測ってもホルモンは減ってない

しかし確実に「状態は更年期」

イライラや不安感に、産婦人科医を訪れる人は多い。

周りの人から勧められて受診する人もいます。

しかし、血液検査をして女性ホルモン値を測っても数字は平均的、「減っていませんよ」と何も処置されずに帰されることはよくあります。

数値に表れていなければ、更年期症状が出ていても治療もアドバイスもしないドクターもいらっしゃいます。
これが大きな落とし穴。むしろ仇になります。

数値ではホルモンは減っていなくても、確実に「状態は更年期」。

「私は更年期じゃないのに、更年期扱いして!」とさらに怒りを露わにする人もいるくらい。
それは、単に数字に現れていないだけです。滑り台に例えれば、台の頂点に立っているようなものです。

ここからホルモンは急降下していきます。点で見ると、変化はわからなくても、ベクトルの方向は右下がりの急降下。

体は先んじて察知しているのです。それが大きなイライラの元なのです。
私もそうでした。数字には表れていなかった更年期の初めの頃、あの当時の私のイライラも体調も相当酷かった。

私は、主治医である産婦人科医の対馬ルリ子先生の方針で、数字に出ていなくても、症状に出ているのなら、治療するということで本当に助けられました。

 


イライラの産婦人科での治療法

女性ホルモンのバランスをとる「低用量ピル」がありますし、

足りなくなったホルモンを補うための「ホルモン補充療法」(H R T)もあります。

「漢方薬」もよく使われます。漢方はピルやH R Tと一緒に使うこともあります。

更年期の治療には「プラセンタ」も保険適用になっています。

あなたの症状を診て、総合的な更年期治療をしてくれるはずです。

更年期って病気のような病気でないような、これまでは曖昧な扱われ方をされてきたような気がします。女の人が通っていく、自然のことだから我慢したらいいと・・。

しかし、2割の人が仕事を辞めてしまうなんて、そのままにしていいはずがありません。
イライラを放置して、喧嘩して、自信を失って、自分自身をボロボロにしてしまわないでくださいね。

今の時代に、あなたに寄り添ってくれる良いドクターを見つけてくださいね。
家族も困っている。実は上司も困っている。ましてや部下だったら・・?
実は、このコラムを書こうと思ったのは、私の友人の嘆きを聴いたから。
「千明さん、これって更年期ですよね?」
彼女の部下のイライラが目に余るという。

ちょっとしたことで当たられて食ってかかられる。しかも集中できなくて、仕事が終わらないのだという。

婦人科を薦めたら、行ってはみたものの、ホルモン値が減っていない、数字に出ていないからと帰されてきたという。
「どうしたらいいですか?」
彼女の部下はれっきとした更年期年齢。疑う余地はありません。
更年期は、定義では、閉経の前5年、後ろ5年、この10年を更年期と呼ぶことになっています。

それはあくまで定義上。閉経の5年より前から症状が出る人もいますし、

更年期の入り口は、閉経してからわかるものなので、

すでに更年期に入っているかどうか、入り口がわからないのも特徴です。

彼女の部下は、年齢的には更年期ドンピシャの年齢ですし、それだけ症状が出ているのですから、

間違いなく、更年期のトラブル、更年期症状です。

そう思って治療やケアをしてあげれば心も体も楽になるはずです。

イライラが酷い時、体も辛いはずなのです。
「もう一度きちんと話してみて。仕事を続けて欲しいからって。更年期をちゃんと診てくれる婦人科医をもう一度紹介してあげて」と伝えました。
更年期は本人も辛いけど、周りの人達、家族や会社の同僚や上司、それに部下も辛いものがあります。

今回は、上司だったけれど、部下だったらどうするのだろう。

荒れ狂う上司にどうアドバイスするのだろうか。

 

イライラは一過性だから安心して。いつか終わるしね。

でも更年期をそんなに嫌がらないで欲しいのよ。
脳のパニックもいずれ収まります。脳はホルモンがないことに慣れるから。
それにしても、「更年期」と言われることを多くの女性達が嫌がります。

確かに、月経がなくなって、卵巣の中の卵がなくなって、女でなくなるような気がするのも確か。

さみしいのはわかります。女性ホルモンは、女性を丈夫にみずみずしく保ってくれる最強のホルモンです。それがなくなるのは怖いことだけど、避け続けるよりも受け入れて、

先手先手で手を打っていけば、むしろ、閉経前よりも綺麗で、美しく、穏やかでいられます。

更年期カウンセリングを通じて、たくさんの女性たちを見てきたからよくわかります。

今までよりもっと美しい大輪の花を咲かすことができますよ。

更年期を嫌って、目を背け、老化を進めてしまわないで欲しいのです。


イライラを鎮めるためにできること

 よく寝ましょう。疲れを溜めないで。ランチ後の10分ほどの昼寝も良いと思います。
 アルコールや刺激物を控えて。体は楽になりますよ。
 イライラした気の発散には、運動が一番。意識して体を動かして。
 手に余ることは引き受けない。仕事も約束も半分に減らしていい時期です。
 忘れやすい時期。ノートやメモをフル活用。なんでも書き留めて。
 東洋医学ではイライラは目と繋がっています。アイピローで目元を温めて楽にして。
 瞑想やヨガ、深い呼吸がとても効果的です
 アロマテラピーもとても効果的。精油の香りは鼻から入り、脳へダイレクトに働きます。
 旅に出るのも良いよ。喧嘩するくらいなら、一時避難も効果的。

 


さあ、お待ちかね。おすすめのコスメです。香りの良いもの選びました。

イライラにおすすめのアロマオイルを2種類ご紹介します。バーナーで拡散したり、お風呂に入れたりしてお使いください。

吉川連載更年期のいらいら写真2.アロマオイルjpeg
●写真左は、イランイランをベースにしたブレンドで、ローズ、オレンジ、パチュリなど7つの精油を使っています。とてもリラックスさせてくれます。

センシャルオイル(ナリン)
https://www.nahrin.jp ナリン公式サイト

●写真右は、for inner confidence and joyとボトルに書いてあります。自信と喜びのためのブレンドオイル。ジャスミンとブラックペッパーをブレンド。ベストセラーのオイルです。
ブレンドエッセンシャルオイル オプティミズム(ニールズヤードレメディーズ)
https://www.nealsyard.co.jp ニールズヤードレメディーズ公式サイト

 

 

女性に自信を持たせてくれるというローズの芳香蒸留水を2種類ご紹介致します。薔薇の花びらを水蒸気蒸留したローズ水で、持っているととても便利です。化粧水代わりに使ったり、髪や体にかけたり、気分転換にお部屋にスプレーしたり。贅沢ですけどね!

吉川

●写真左は、ブルガリアのバラの谷の名家、エニオボンチェフ社のもの。2021年、今年の初摘みのバラから作っています。華やかな香りです。

HANA ORGANIC ウォーター ヌーボー 2021(HANA ORGANIC )
https://www.hana-organic.jp  HANA ORGANIC公式サイト

●写真右は、北海道十勝郡浦幌町の自然栽培で育て朝5時に収穫するバラを使用。2021年、今年の初摘みの日本のバラ、ハマナスを自社で蒸留した芳香蒸留水。精油ごと汲み出している貴重品。エレガントな香りです。
朝摘みローションミスト(ロサ・ルゴサ)
https://rosa-rugosa.jp ロサ・ルゴサ公式サイト

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