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【膝痛/股関節痛】お尻の筋肉をうまく使って痛み取り! 呼吸で更年期の不調を改善【動画あり】

40代以降、膝や股関節の痛みを訴える女性も増えてきます。病院に行くほどではないけれど、違和感を感じたり歩くと痛くなったり。そんな人に大切なのが「呼吸」。「呼吸で痛みが消えるなら医者はいらない」と思ったあなた! とにかくやってみてください。呼吸コンサルタントの大貫崇さんが、自信を持ってお伝えする呼吸エクササイズです。

お尻の筋肉をうまく使えると、膝や股関節の痛み取りにつながる

 

骨と同じく関節や軟骨も、実は女性ホルモン「エストロゲン」がしっかり守ってくれていたこと、知っていますか?  40代以降エストロゲンの分泌が急に減少すると、関節に違和感や痛みが出やすくなるのはそのためです。

 

特に股関節や膝には、ただ立っているだけでも体重の0.6~1倍、歩くときには4〜5倍もの重さがかかるといわれます。その分、他の関節に比べて痛みが出やすい部位。若いときに比べて体重が増えた人は要注意です!

 

これまでも痛みを解消していくための呼吸エクササイズを紹介してきましたが、膝や股関節の痛みも、呼吸と運動によってある程度緩和することが期待できます。

 

解説してくれるのはもちろん、呼吸の専門家、呼吸専門サロンを主宰する呼吸コンサルタントの大貫さんです。

 

 

「股関節も膝も、つねに体重の重みがかかる場所。寝ない限り、荷重をゼロにすることができませんね。

 

他の部位に比べて難しいのはそこ。体重がかかったまま間違った体の使い方をしていたり、間違った呼吸をしていると痛みはなかなか治らないものです。

 

股関節も膝も、関節を動かす筋肉は臀筋(お尻の筋肉)とつながっているため、臀筋を正しく使うことが何より大切。まずは臀筋をうまく使いながら呼吸をする練習をしましょう。

 

でも、ただ使うだけではなく、悪いパターンの動きをしてしまう筋肉をオフすることも大事なんですよ。ここではそれを実現する運動を紹介します」(大貫さん)

 

エクササイズに入る前に、覚えておきたいのは「きほんの呼吸」。息をすっかり吐ききって肋骨を下げたまま、お腹と胸に同時に空気を入れる方法です。マスターしてからのほうが断然効果が上がります。よかったら下記動画を参考にしてくださいね。

 

【息をすっかり吐ききって、肋骨を下げたまま呼吸する方法】

 

【肋骨を下げたまま、お腹と胸に同時に空気を入れる方法】

 

 

赤ちゃんの“斜め座り”のポジションで呼吸エクササイズ

 

さて、今回最初にやりたいのは、赤ちゃんがハイハイからお座りに移行する途中の姿勢で行うエクササイズです。

 

「赤ちゃんは3カ月ですでに横隔膜をきちんと使う、ヒト本来の呼吸をしています。柔らかく見えても体幹が安定して、胴体がしっかりしているんですよ。

 

赤ちゃんのような斜め座りのポジションで、『きほんの呼吸』をしながらお尻の筋肉をしっかり活性化させることが痛みの解決につながるはずです」と大貫さん。

『きほんの呼吸』ができるとお腹の筋肉が使えるようになって、骨盤のポジションもよくなり、それによって臀筋が使いやすくなるということなんです。

サイドブリッジに似た体勢をキープし、肋骨を下げて、お腹をふくらませたままお尻の筋肉を使います。お尻の筋肉が長らく眠っている人は、これだけでも「効く〜!」となりそう!

 

さっそく始めましょう。

 

①左側を下にして床に横になり、膝を軽く曲げた状態から、左ひじをついて上体を浮かせます。お腹をしっかり安定させ、右手は腰へ。

 

 

②右脚を前へ出し、足の裏を床につけます。お腹の力が抜けないように頑張って。

 

 

③腰を上へ持ち上げます。このとき、下側の左のお尻を使っていることがわかれば正解。肋骨は浮かないように注意して。

 

 

④そのまま「きほんの呼吸」を4〜5回繰り返しましょう。何セットか繰り返し、これを反対側も同様に行います。

 

 

⑤もし可能であれば、前側の右足を床から離して浮かせ、同様に呼吸します。

 

 

腰が反ってしまうのはNG。お腹の力を緩めずに安定させておくとうまくいきます。

 

 

よりお尻の筋肉に活を入れる、カニ歩きエクササイズ

もし、上のエクササイズがうまくいかない、または軽すぎるという人は、よりお尻の筋肉を目覚めさせる呼吸エクササイズも追加しましょう。

 

股関節を曲げた状態で行う、カニのような横歩きです。簡単に見えますが、先のエクササイズ同様、お尻の筋肉が眠っていた人にはきついトレーニング。毎日繰り返すことで、お尻と体幹がしっかり使える体に近づいていくはず。

 

まずは、エクササイズチューブ(エクササイズや筋トレ用のバンド)を用意しましょう。百均で売っているものでOK。チューブの強さは弱めで十分です。

 

①足首にチューブをつけてピンと張らせ、軽く膝を曲げます。お尻に効きやすいのは、膝がつま先よりも前に出ないくらいの位置です。

 

 

②つま先をのぞき込むように、上半身をやや倒してお尻を引き、股関節を曲げます。お腹の力も抜けないように注意し、重心はかかと側に。肋骨が浮いたり腰が反ったりしないように肋骨に手を当てておいて。

 

 

③つま先はもちろん、膝頭が真っすぐ前を向くように意識。このまま「きほんの呼吸」をします。

 

 

④呼吸を続けたまま、片脚を小さく横に出し、カニのように数歩横歩きします。バンドが緩まないように同じ間隔を保つように心がけて。反対側へも横歩きして戻りましょう。これを何往復か繰り返します。

 

 

NGあるある!

膝やつま先が内側を向いたり、外側を向いたりしていないか正面でチェック。お尻は突き出しても腰は反らないこと。

 

 

「このエクササイズは重要な動きが多く含まれるので、股関節や膝が痛い人だけでなく、腰の痛みを予防したい人にもおすすめ。

 

関節まわりに痛みがあると、動かしてはいけない、運動してはいけないと考えがち。急性期のひどい痛みでなければ、運動はしたほうがいいんですよ。もちろん、正しい呼吸を伴っての運動です。

 

安静にしていることで逆に筋肉を衰えさせ、ますます痛みが強くなる負のスパイラルに陥ってしまいます。眠っている筋肉に活を入れる、それを忘れないでくださいね」

 

 

■■まとめ■■■■■■■

膝も股関節も、関節を動かす筋肉はお尻とつながっている!

膝、股関節の痛みを軽減してくれるのは臀筋の役目。

臀筋を正しく使いながら、正しく呼吸する練習を。

 

 

【教えていただいた方】

大貫崇
大貫崇さん
アスレティックトレーナー・呼吸コンサルタント
公式サイトを見る
Twitter

1980年神奈川県生まれ。呼吸コンサルタント。アスレティックトレーナー。京都にある呼吸専門サロン「ぶりーずぷりーず」主宰。大阪大学大学院医学系研究科 健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室 特任研究員。呼吸に関連した企業研究や商品開発など法人向け呼吸コンサルティング事業を展開し、アスリートから高齢者まで呼吸目線でのコンディショニングに従事。著書に『きほんの呼吸 横隔膜がきちんと動けば、ムダなく動ける体に変わる!』(東洋出版)など。

 

【呼吸についての悩みや質問、大募集】
呼吸について、大貫さんへの質問を募集しています。
●レッスンの内容でよくわからなかったこと、うまくできなかったこと
●自分の呼吸についての悩みや困ったこと
●呼吸についての素朴な疑問
内容についての感想などもOKです。大貫さんにお答えいただく予定です。
こちらからお気軽にどうぞ!

 

撮影/露木聡子 取材・文/蓮見則子

 

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