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血圧も、ネガティブ思考も、呼吸の仕方で治る⁉ 呼吸の専門家に聞く「不調を取り除く呼吸 Q&A」

呼吸コンサルタント大貫崇さんによる、更年期の不調を取り除く呼吸レッスン。ついに最終回になりました。連載の期間中、大貫さんの「きほんの呼吸」は商標登録され、呼吸のケアができる「きほんの呼吸®呼吸トレーナーC」という専門家が全国に増えつつあります。今回は、連載中に読者の皆さんからいただいた質問に大貫さんがお答えします!

呼吸が変われば不調や悩みが解決、人生が変わります!

 

質問❶
脈拍が速めです。
血圧計などで測定すると1分間の脈が80~90台。
呼吸で脈は変わりますか?

 

【大貫さんの回答】

変わると思います! 呼吸数を少なくすると脈拍や血圧が下がるという研究データがあります。呼吸数は少ないほどいいのです!
「きほんの呼吸」で少ない呼吸数を定着させることができれば変わってくると思います。
第1回でもきほんの呼吸を説明、1分間の呼吸数をカウントしていますので、ご参考に。

まずは、1分間に10回以下の呼吸を目指しましょう。

 

 

質問❷
ヨガに通って10年の友人が、
「呼吸が変わって思考がポジティブになった」と言います。
呼吸にはそんな効果もあるのですか?

 

【大貫さんの回答】
そうなんです! 呼吸が変われば、体にも心にも変化が起きることは数えきれません。

実際、呼吸と関係のないような悩みが解決してしまった人をたくさん見てきています。
体に痛みのある人が改善したりは当然ながら、心療内科に通っていた人が元気になって、悩みのある自分と向き合えるようになった例もありました。

これだけ呼吸だけをやってきた僕でも、そんな事例を目にするたびにいつもびっくりしています。まさに「呼吸が変われば人生が変わる」ことを日々感じているんです。呼吸の専門家冥利につきますね。

 

質問❸
鼻呼吸がよいとのことですが、
息を吸うときは鼻でも、口から吐くのが身についています。
それでもいいですか?

 

【大貫さんの回答】

口から息を吐けるのはよいことです。意識的に口から吐くと、口をすぼめたりしてゆっくり吐くことを助けてくれるのがいいところ。

たいていの人は普段、無意識に鼻から吐いているはず。鼻から吐くと一気に空気が抜けてしまうので、実は上級者向けなんです。もし口からゆっくり吐くことに慣れてきたら、同じペースで鼻から吐く練習をしましょう。

 

 

質問 ❹
「緊張しい」です。
息を吐けるようになれば緊張しなくなると聞いて練習していますが、
人前で発表するときなど、やはり緊張します。

 

【大貫さんの回答】

どんな人でも緊張はするものです。人前で話すことに慣れている僕でも緊張します。まずは「緊張しいなのは自分だけではない」と理解して、安心しましょう!

僕の場合、緊張したときは極限まで息を吐きます。吐ききったところで20秒ほど息を止めます。苦しくなってきたらそこでちょっとだけ鼻から吸い、また極限まで吐き、20秒止めます。
かなり苦しくなってくるのですが、これを数回繰り返すと、目の前の“緊張の原因”になっていることを忘れてしまいます。
その後は、ぜぇはぁせずに普通の呼吸に戻していくんです。すると、ふと緊張していない自分に気づくと思いますよ。

 

 

質問❺
ストレートネックと言われた娘が、
第12回を見て「タオル枕」に替えたら、
劇的に痛みがなくなりました。
オーダーした3万円の快眠枕、あれは何だったのでしょう?

 

【大貫さんの回答】

それはよかったです!
ほかの回でも何度か言っていますが、僕らは「あごを引いて胸を張って」が、よい姿勢だと刷り込まれて育ちました。
でも実は、「あごを引いて胸を張る」姿勢はよい姿勢だとは思えません。気道が潰れて呼吸が苦しくなりますし、胸を張れば息を吸った状態で止まりますから、口呼吸になりやすいですよね。
バスタオルをくるくる丸めるだけのタオル枕、ストレートネックの人にはぜひおすすめしたいです!

 

 

質問❻
寝つきが悪いうえ、夜中に何度も目が覚めます。
第4回の不眠症の回を見て、寝る前にカウントしながら呼吸しています。
でも、カウントに意識が行きすぎるのかうまくリラックスできません。
どうしたらリラックスできますか?

 

【大貫さんの回答】

リラックスしにくい人には、呼吸するときに秒数を数えることをおすすめしています。呼吸の回数ではなく秒数のほう。吐く時間が長くなるように、呼吸を整えるやり方です。
最初に、吐きながら1、2、3、4…と数え、6〜8秒ぐらい数えたら、3秒止めます。そこからゆっくり3~4秒吸います。
ちょっと苦しくなってくるかもしれませんが、3〜5分ぐらい続けているうちにリラックスして楽に呼吸できてくると思います。
また、息を吐くときのコツはとにかく「脱力」すること。まず力を抜くようにしてみたら勝手に空気が抜けていきますよ。

特に、吐くときは「吐こう」と思って頑張ると、よけいに力が入ってしまうことがよくあります。

逆に吸ったあとは全身脱力するだけで、勝手に力が抜けていくのがわかると思います。
あきらめずにゆっくりトライしてみてくださいね。

 

 

質問❼
第2回の「きほんの呼吸」。
どうしても、胸とお腹が一緒に動きません。
何かコツはありますか?

 

【大貫さんの回答】

胸とお腹が一緒に動かない場合、「ちゃんと息が吐けていない」ということになります。
もちろん、頑張って息を吐いてくださっているとは思うのですが、おそらくその他の筋肉に力が入りすぎているのかもしれません。
背中の筋肉やお腹の前側、胸まわりなどをストレッチして緩めてみたら、意外に簡単に胸とお腹がシンクロして動きそうな気がします。

あとは、単純に息を吐ききれていない、ということが考えられます。自分のいつもの「吐く」よりも、もっと多くの空気を抜いてみてください。きっとその次に吸ったときには、いつもより胸が動くはずです。

サロンに来るお客さまもそうですが、最初はできなくても、いつのまにか「あれ、できてる!」となることが多いんです。頑張りすぎず、適当にでよいので続けてみてくださいね。

 

 

 

質問❽
第2回の「肋骨を下げたまま呼吸する」のがうまくいきません。
腹筋で肋骨を押さえ込んでいる気がします。
どうやって下げればいいですか?

 

【大貫さんの回答】

肋骨を下げたまま呼吸する「肋骨内旋呼吸」。これは、肋骨を下げようとするとどうしてもお腹が力んでしまいがちです。
第7回第12回でやった、みぞおちほぐし(腹直筋の付け根、みぞおちのあたりを手で優しくほぐす)をやってみてください。
大事なのは「息を吐こう」とするよりも、まず脱力して、肺から空気が勝手に抜けていく感覚をつかむこと。

それでも「全然肋骨が動かない〜」という場合は、ぜひ僕の呼吸専門サロン「ぶりーずぷりーず」にお越しください!

 

質問❾
背中側まで息を入れようとすると、吸うときに肩が上がる気がします。
ちゃんとできているか確認するには?

 

【大貫さんの回答】

吸うときに肩まで上がってしまうのは、やはり避けたいところです。
肩が上がるということは、肋骨の下側、つまりお腹で肋骨をコントロールできていないということ。
まずはゆっくりと息を吐ききってから、次に息を吸ったらお腹の横が膨らんで硬くなっているか、確認してみてください。お腹の横がちゃんと膨らんで、肋骨が上に浮いていなければ、肩も上がらないはずですよ!

 

 

呼吸を変えるだけで、体は変わります。

ぜひ、きほんの呼吸®、続けてみてくださいね!

 

 

【教えていただいた方】

大貫崇
大貫崇さん
アスレティックトレーナー・呼吸コンサルタント
公式サイトを見る
Twitter

1980年神奈川県生まれ。呼吸コンサルタント。アスレティックトレーナー。京都にある呼吸専門サロン「ぶりーずぷりーず」主宰。大阪大学大学院医学系研究科 健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室 特任研究員。呼吸に関連した企業研究や商品開発など法人向け呼吸コンサルティング事業を展開し、アスリートから高齢者まで呼吸目線でのコンディショニングに従事。著書に『きほんの呼吸 横隔膜がきちんと動けば、ムダなく動ける体に変わる!』(東洋出版)など。

 

撮影/露木聡子 取材・文/蓮見則子

 

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