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正しい呼吸できてる? 肋骨の位置や動きでチェック!【動画あり】

呼吸コンサルタント大貫崇さんによる「呼吸レッスン」。不調知らずになれる、具体的な「呼吸」を実践します。更年期の不調やちょっとした痛みなどを取り除く「きほんの呼吸」。その呼吸自体は意外にも単純で「とにかく息を吐ききる」ことがポイント。普段、自分がいかに息を吐ききれていないかを知ることになりそう!

 

あなたが「よい」と思っている呼吸、本当にそうですか?

「現在40代以上の人は、ラジオ体操からして『息を大きく吸って』深呼吸することが大事と教えられて育ちましたよね。はと胸OK、猫背はNG、呼吸は肺活量と密接な関係がある…など、正しいと思ってきた人も多いと思います。

ほかにも、腹筋(腹直筋)を鍛えるとうまくいく、猫背はよくないので胸を張って呼吸したほうがいいなど、実はどれも間違いです!  以前はよいと考えられていたことが劇的に変わる“パラダイムシフト”が呼吸の分野でも起きているのかもしれません」(大貫崇さん)

 

では、大貫さんが考える「よい呼吸」とは?

★肺に空気が残らないよう、しっかり吐ききることができる
★鼻の奥から吸って鼻から吐く
★大きく(または長く)吸いすぎない
★ゆったりとしたペースで呼吸している
★「吐く」「止める」「吸う」の割合は3:1:1が目安
★リラックスしたまま横隔膜が動いている
★肋骨が開いたり浮いて(飛び出て)いない
★胸式呼吸でも腹式呼吸でもなく、胸もお腹も一緒に動く

 

ちょっとイメージが湧かないものもあるので、ここではざっと頭に入れておく程度でOK。

 

呼吸レッスンの前にチェック!

自分の呼吸の状態は、胸骨(胸の中央にある骨)や肋骨(あばら骨/左右12本ずつ、計24本からなる胸部を覆う弓状の骨)に表れます。筋肉や骨が赤ちゃんの頃のように自然に動いている人は、胸骨や肋骨が無駄に浮いていないのが特徴。

逆に胸骨の傾きが急だったり、肋骨のカドが目で見てわかるほど浮いている人は、うまく使えていない、自然に動いていない証拠です。人それぞれに形状が異なるのは、もともとの骨格だと思っていたら、呼吸の“クセ”によるものだったのです!

 

❶胸骨の形・傾きは?

体の横に鏡を置いて、あお向けに寝ます。胸骨が床に対してどれくらいの角度になっているかを見ます。理想は約20度。45度に傾いている人は、呼吸をするときに肋骨がうまく動いておらず、吸ったり吐いたりがスムーズでないことを表します。iPhoneに入っているアプリ「計測」で水準計を胸に当ててみるか、他の人に横から見てもらうなどしてみてください。

 

左の南雲さんは35度くらいの傾き。右の真野さんは45度くらいの傾き。

 

 

❷肋骨の開き、出っ張りは?
同様に、肋骨の状態も見てみましょう。息を吐ききったとき、どうなっていますか? あお向けになったときに「胸が4つある」かのように見える人は明らかに肋骨が開いています。つまり息を吐いても肋骨が閉じられない状態ということ。見た目でわからない人は手で触ってみましょう。

 

Before:肋骨がかなり飛び出していることがわかります。

After:大貫さんの呼吸レッスンを受けた後、すっきり肋骨が下げられるようになりました!

 

❸呼吸すると、お腹と胸はどうなる?

では、あお向けのまま、両手を一方は胸に、もう一方はお腹にそっと置いて、呼吸をしてみましょう。このとき、手の高さの違いを見てください。
息を吸ったらお腹と胸、どちらがどれだけ膨らんでどれだけしぼみますか?

一緒に動きますか? バラバラですか?

これで横隔膜が正しく動いているかどうかがわかります。

 

1)お腹のほうが大きく動く
2)胸のほうが大きく動く
3)どちらもあまり動かない
4)どちらも一緒に上がったり下がったりする
5)お腹と胸があべこべに上がったり下がったりする

 

 

この中で、正しいのは4)だけです! お腹には空気が入るけれど胸に空気が入らない人、胸はよく動くけれど、お腹(ウエストラインのあたり)があまり動かない人など、人それぞれ。横隔膜がきちんと動いている人は、胸もお腹も同じ高さで動き、体の前側だけでなく、横にも後ろ側にも360度膨らんでしぼむのだそう!

特に注意が必要なのは、息を吸ったときに胸が突き出てお腹はへこんでいるあべこべの状態。これは、動いてほしいはずの横隔膜が動いていないことを示しています。

 

呼吸 きほんの呼吸 2-2 呼吸チェック

片方の手は胸へ、もう一方はお腹へそっと置いて、動く速さや高さを感じてみましょう。

 

やってみよう!「きほんの呼吸」ドリル

大貫式の「きほんの呼吸」は、首や肩など余計な筋肉を使わず、リラックスしたまま横隔膜を自然に使うことが最初の目標です。

それができたら、肋骨を下に下げたまま(正確には内旋させたまま)、呼吸する練習に入ります。

この2段階だけで、不調が改善するの?

 

はい。要領はとても簡単なものなんです。

ただ、マスターするのにとても時間がかかる人もいます。それがまさに「呼吸の“クセが強い”人」。

すぐにできないからとあきらめずに続けていると、「あ、できてる!」という日がくる、くらいに思って取り組みましょう。

 

気がつくと、いつしか体の痛みや不調がよくなっていたり、眠りが深くなっているなど、何らかの変化が見られるはずです。

 

【STEP1】
「吐いて・止めて・吸う」をリピート!

長くしっかり吐ききることを第一に考えて

横隔膜を自然に動かすため、まずは胸とお腹をシンクロさせて呼吸(大貫式では「アンチパラドックス呼吸」)する練習をします。
まず「あお向けに寝て」胸とお腹に手を当てて始めます。慣れてきたら座ってでもかまいません。

 

【吐いて】8〜9秒かけて、鼻から(すぼめた口を使ってもOK)ゆっくりと息を吐き、

【止めて】3秒息を止めてから、

【吸う】少なめに(短いほどいいのですが、目安は3秒程度)息を吸います。

 

秒数は絶対ではなく、だいたい8~9秒:3秒:3秒(3:1:1)を目安に。

どうしても苦しくてたくさん吸ってしまう人は、自分のできる秒数から始めましょう。6秒:2秒:2秒でもかまいません。

 

ただ、吐くときも吸うときもお腹と胸が一緒に同じように動くことは鉄則として守ってください。毎日少しずつでよいので続けることで、できるようになっていきます。

 

きほんの呼吸のSTEP1は、胸とお腹が同期する、「アンチパラドックス呼吸」です。

 

 

胸とお腹が一緒に同じように動くことがポイント!

 

 

胸だけ動いている状態は、NG

 

お腹だけ動いている状態も、NG

 

 

 

【STEP2】
息を吐いて「肋骨を下げる」練習。

慣れたら下げたまま「吐いて・止めて・吸う」

次に、少しステップアップ。
肋骨を下げたまま呼吸する(大貫式では「肋骨内旋呼吸」)練習です。

どこからが胸骨で、どこからが肋骨かわからないくらい肋骨を下げられれば理想的。

もともと肋骨がポコッと出ている人はなかなか下げられないものですが、焦らずゆっくり呼吸していると、そのうち必ず肋骨が下がってくる感覚がつかめます。

 

きほんの呼吸のSTEP2 は、肋骨を下げたまま呼吸する「肋骨内旋呼吸」です。

肋骨を下げて呼吸している状態。

 

 

まずはここまでを、ドリルとして行いましょう。STEP1とSTEP2を、1分ずつでもよいので、毎日繰り返すことに意味があります。

呼吸が変わった! と実感できる日を目指してコツコツと!

 

 

 

【教えていただいた方】

大貫崇
大貫崇さん
アスレティックトレーナー・呼吸コンサルタント
公式サイトを見る
Twitter

1980年神奈川県生まれ。呼吸コンサルタント。アスレティックトレーナー。京都にある呼吸専門サロン「ぶりーずぷりーず」主宰。大阪大学大学院医学系研究科 健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室 特任研究員。呼吸に関連した企業研究や商品開発など法人向け呼吸コンサルティング事業を展開し、アスリートから高齢者まで呼吸目線でのコンディショニングに従事。著書に『きほんの呼吸 横隔膜がきちんと動けば、ムダなく動ける体に変わる!』(東洋出版)など。

 

【呼吸についての悩みや質問、大募集】
この連載では、大貫さんへの質問を募集しています。
●レッスンの内容でよくわからなかったこと、うまくできなかったこと
●自分の呼吸についての悩みや困ったこと
●呼吸についての素朴な疑問
内容についての感想などもOKです。大貫さんにお答えいただく予定です。
こちらからお気軽にどうぞ!

 

撮影/露木聡子 取材・文/蓮見則子

 

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