すぐに鼻づまりを解消したい方、必見です!
呼吸専門サロンを主宰する呼吸コンサルタントの大貫崇さん。推奨する「きほんの呼吸」は、鼻呼吸で息をしっかり吐ききる呼吸法です。
口呼吸はNGと知ってはいても、鼻炎がある人はいつの間にか口呼吸になっていたり、寝るときも口を開けたままになっていたりするもの。
それは仕方のないことでは…?
「いいえ、本来ヒトは鼻で呼吸するようにできています。それが口で呼吸するようになってしまったら、体にはさまざまな悪影響が出ます。
『鼻づまりだから鼻呼吸できません』というのは間違いなんです。鼻で呼吸しないから鼻がつまるし、鼻水も出るんです!
鼻水が出るのがいやだからと、無意識に鼻水を吸ってしまうのがクセになっている人もいるでしょう。
でも、体が異物を出そうとする方向は内側→外側。
この原則にあらがって吸ってしまえば、異物はいつまでたっても体の中にとどまり症状は改善されませんよね。
ここは考え方を変えてみて。
鼻水は出てヨシ! むしろ出しましょう。
今回のは、ずっと鼻づまりで困っている人にこそやってほしい呼吸。
サロンのお客さまでも、普段から鼻づまりの方が鼻呼吸のレッスンを受けていると『鼻、通ってきました!』となることが多いんですよ。
だまされたと思って『きほんの呼吸』をやってみてください」
大貫さんの「きほんの呼吸」は、動画でおさらいしてみましょう。
苦しくてもガマンして! ひたすら片方の鼻で呼吸するだけ
さて、鼻炎の改善が期待できるスペシャルな鼻呼吸とはどんな方法かといえば…。
片方の鼻を指でふさぎ、もう片方の鼻だけで吐いて吸うという、とても簡単な呼吸法でした!!
さっそくやってみましょう。
ポイントは、
①肋骨を下げたまま行う(手で押さえておく)。
②吐くことから始める。鼻で吐いて吐ききる。
③鼻で吐いて、鼻で吸う。
④ゆっくり静かに、丁寧に行う。
これだけです。
最初に吐くのは、肺の空気を全部吐ききることができれば、自然に吸うことにつながるから。
つまりそれが呼吸の成り立ちだからです。
ヨガにも昔から「片鼻呼吸」という呼吸法があり、片方の鼻から吸ってもう片方から吐くのですが、慣れないと難しいのでここでは片鼻をふさぐだけにします。
ただ、鼻がつまっている人にとって、片方の鼻だけで呼吸するのはとてもつらいこと。
片方の鼻だけでは空気がうまく出ていかないので、吐ききる前に吸いたくなってしまうはずです。しかも、鼻の穴が狭くなっているため、吸おうと思ってもなかなか吸えないということが起こります。
まずは時間がかかってもよいので、頑張って片方の鼻から吐ききることだけ考えましょう。
吐くときは必ず鼻からです。
でも、どうしても鼻から吸うのが難しければ、最悪は口からでもよいので静かに吸います。
「10秒かかっても吐ききれない人もいるでしょう。それでも吐くときだけは、どんなに苦しくてもガマンしてやってみてください。
1分間の呼吸数がわずか3回になったりしますが、2、3分続けていると鼻が通ってきますから!」
片鼻2分半として、両方の鼻で5分。
1日に1回、この呼吸をする習慣がつけば、鼻炎解消も夢じゃないのです!
鼻呼吸の習慣を身につける、とても簡単な方法とは?
そして、大貫さんが教えてくれたとっておきは、日常の中で鼻呼吸を意識する方法です。
これまたとても簡単!
いつでもどこでも「ハミング」するだけです。
ハミングとは、口を閉じてメロディーを歌うことを言います。
鼻歌と同じように思われがちですが、ハミングは口を閉じて歌うのに対し、鼻歌は口を開いて鼻にかかった声で口ずさむことを指します。
もちろん、鼻呼吸しながら歌いましょう。
口は開けず、息継ぎも必ず鼻です。
歩いているとき、自宅にいるときなど、どこでも気軽にできるのがいいところ。
力まずにリラックスした状態でハミングすれば、気持ちもポジティブになり、鼻炎のイライラからも解放されるかもしれません。
■■まとめ■■■■■■■
鼻水・鼻づまりは鼻呼吸で治す。
鼻水は出すもの、出てよいものと考えて。
苦しくても、片鼻の呼吸を続けると不思議と鼻は通るもの。
ハミングで鼻呼吸の習慣づけを。
【教えていただいた方】
1980年神奈川県生まれ。呼吸コンサルタント。アスレティックトレーナー。京都にある呼吸専門サロン「ぶりーずぷりーず」主宰。大阪大学大学院医学系研究科 健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室 特任研究員。呼吸に関連した企業研究や商品開発など法人向け呼吸コンサルティング事業を展開し、アスリートから高齢者まで呼吸目線でのコンディショニングに従事。著書に『きほんの呼吸 横隔膜がきちんと動けば、ムダなく動ける体に変わる!』(東洋出版)など。
【呼吸についての悩みや質問、大募集】
呼吸について、大貫さんへの質問を募集しています。
●レッスンの内容でよくわからなかったこと、うまくできなかったこと
●自分の呼吸についての悩みや困ったこと
●呼吸についての素朴な疑問
内容についての感想などもOKです。大貫さんにお答えいただく予定です。
こちらからお気軽にどうぞ!
撮影/露木聡子 取材・文/蓮見則子