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自分のことよりも、頼まれごとを優先してしまってストレス…。

地曳いく子

地曳いく子

non-no、MORE、Oggi、eclatなど雑誌を始めとし、タレントの衣装も担当。イタくない大人のスタイリングを得意とし、テレビ、トークショーなどで活躍、キャリア30年のスタイリスト。大人のおしゃれを考え直す「50歳、おしゃれ元年。」(集英社)をはじめ、「服を買うなら、捨てなさい」(宝島社)、「ババア上等! 余計なルールの捨て方 大人のおしゃれDo!&Don’t 」(集英社)など著書多数

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<お悩みその12>

頼まれごとやお願いごとなどを聞くと、自分の事よりも先に考えてしまい、行動してストレスを感じてしまいます。自分優先で物事を考えたいが、性格が邪魔してる。(51歳・会社員・東京都)

<お答え>

 

私もまったく同じなんですよ! 困ってる人がいるとどうしても助けてしまう。それで頑張りすぎて、自分が疲れちゃうんですよね。お気持ちがよくわかります。

 

でも、私はコロナで仕事がキャンセルになったりして、人助けをするどころじゃなくなってしまった。お金と、動ける自由がないと人を助けられないんだなと痛感しました。自分が余裕があって、ハッピーじゃないと人助けはできないんだということを、還暦をすぎてやっと学び出したところです。

 

頼まれたら全部助けてしまっていた私は、もう疲れた! と思って「全部助けない」をやってみたことがあるんですよ。例えば、クラウドファンディングも、最初片っ端からドネート(寄付)していたんですけれどキリがない。思い切って全部やめてみた。今までだったらちょっと無理すればできるかな? な仕事も全部キャンセル。そうしたら、それはそれで心が苦しかったんです。身体と金銭的には楽になりましたが(笑)。何もかも断ってしまうのは、私の性じゃない。それで、「私は人助けが好きなんだ」と気づいてしまいました。

 

人助けは義務じゃない。疲れきるまでやることじゃないです。自分の身体と心が健やかでいられるときに「好き」でやるぐらいにとどめてはいかがでしょうか。釣りやテニスが好き、ぐらいの感覚で(笑)。

 

見返りは求めてはいけません。助けた相手に利用されることもあります。でも、「あなたが好きで勝手にやったことでしょ」と昔、私の母に言われました。これ、格言ですよね。母も下町のお人好しお節介おばさんだったから、私の世話好きはDNA遺伝子からなのかもしれませんね。

 

人助けは娯楽だ、ぐらいに考えて、見返りがなくても笑ってすませられる範囲でやりましょう。あなたの時間やお金が犠牲にならないように。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出して! 蜘蛛の糸は垂らしてあげすぎちゃダメなんです。人が溺れてつかまってきたら、自分に浮力や体力がないと自分まで沈んじゃう。無理は禁物です。

 

この方はきっとまじめな方だと思うので、100%自分ファーストでやることはきっと無理。人助けをまるっきりやらないのも苦しくなると思います。人助けをできる範囲でしつつ、ちょっとだけ自分優先にしてみましょう。疲れたら、友達にLINEで30分だけ話そうと言ってみる。助けてもらうことも必要です。人を助けるには、自分に浮力と体力をつけること! 私は、還暦近くになってから中学時代の同級生と改めてつながって、精神的に助け合っています。互助会みたい(笑)。

 

自分を許して、人助けは楽しむ。この精神で、無理せずやってみてくださいね。

 

イラスト/松元まり子

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