デビューから30余年、美貌と実力を兼ね備えた俳優として、ずーっと輝き続けて来た。
さまざまな女性を演じながら、いつも彼女は凛として美しく、揺るがない。
成熟はしても、時間の流れを感じさせないミステリアスな存在だ。
鈴木京香さんにとって、年齢とは? そして、実際の年齢とは別に、自身で感じる「実感年齢」とは?
今の自分に何を思い、これからの自分をどのように作って行くのだろう?
撮影/萩庭桂太 ヘア&メイク/板倉タクマ スタイリスト/藤井牧子 取材・文/岡本麻佑
鈴木京香さん
Profile
すずき・きょうか●1968 年5月31日、宮城県生まれ。1989年、映画『愛と平成の色男』でデビュー。91年にはNHK連続テレビ小説『君の名は』でヒロイン真知子に抜擢され、以来、映画・ドラマ・舞台・CMと幅広く活躍中。現在放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(日曜・20時~)では、後白河法皇(西田敏行)の寵愛を受ける丹後局(たんごのつぼね)を演じている。
自分を知っていれば、
自分を快適にしてあげられる
どんな役を演じるときも、鈴木京香さんはごくごく自然に、そのドラマの世界に溶け込んでいる。
たとえば仕事に生きるキャリアウーマン、海辺の町で娘二人を育てる主婦、クセの強い刑事…などなど。時代劇から現代劇まで、どんな時代のどんなシチュエーションにも見事にハマって、物語に引きこんでくれる。
つい最近、朝ドラの回想シーンで女子大生を演じたときも、懐かしくて可愛くて初々しくて、とても魅力的だった。
「役を演じるとき、私が大事にしたいと思うのは、その女性の年齢ではなく、その女性の個性とか環境、今までどう生きてきたのか、ということなんです。
髪の色がちょっと明るいほうが海のそばの女の人っぽいかなとか、元学校の先生だから、シンプルで真面目な感じの衣装にしたいなとか。
妻として、母として、どんな経験をして、どんな選択をして、今があるのか。リアリティを出すためにいろいろとアイデアを考えて、衣装さんやメイクさんの力を借りて、助けてもらうことも多いですね。
年齢ではなく、その人自身のプロフィールが、どう演じればいいかを教えてくれるんです」
どう演じるか、その人について考えれば考えるほど、年齢という要素はさほど大きくないことを、鈴木さんは感じてきたのだろう。たしかに、その人のキャラクターを決めるのは、年齢という数字ではなく、生き方だ。
「ですから私、自分の年齢はあまり気にしていません。そういう考え方、普通じゃないんでしょうか(笑)。
50代だから、60代だからと、遠慮したり、したいことをしないで我慢するなんて、もったいないでしょう? もちろん、公的な書類にウソを書くのは良くないと思いますけど(笑)、それ以外の場面なら、自称何歳でいいんじゃないですか? 自分の思う年でいいと思います」
鈴木さん自身、53歳という自分の年齢についてどう思っているのだろう?
「特別には考えていません(笑)。年をとるのはみんな同じ、平等なことですから。20代から30代になるときも、30代から40代になるときも、別にとまどうことはありませんでしたし、50代に突入した時も、全然イヤじゃありませんでした。
これからも上の世代に進んで行くことに、ちょっとワクワクしていきたいですね」
さらに、年齢を重ねることで、良かったと思えることもあるという。
「体調が、以前よりも調子がいいんです。それはたぶん、経験のたまものでしょうね。
自分のことを理解していれば、日頃から、この季節にはこうしようとか、こういうときには備えておこうとか、準備することができますよね。
自分の体が何を必要としているのかわかっていれば、それを日々補給して、継続すればいい。サプリメントとか、運動とか、自分でできることはいろいろありますものね。
そういうセルフケアができるようになったから、今のほうが体調のムラがなく整っているなって感じています。だから私の実感年齢というのは、何歳だって数字を実感するのではなくて、自分が快適に生活しているという実感。それさえあればいいのかなと思っています」
自分を知って、自分をケアして、自分を快適にしてあげる。年齢を重ねたからこそできる、究極の健康法だ。
では鈴木さんは、いったいどんなセルフケアをしているのか。具体的に詳しく伺った内容は、後編に続く!
(鈴木さん自身の食事や運動について語った、インタビュー後編はコチラ)