前回に引き続き、話題の絵本『子どもを守る言葉 「同意」って何?』から、気持ちよくNOが言え、ちゃんと尊重し合える関係を築くためのレッスン、「上手にNOを言えるようになるための6つのステップ」後編をご紹介します。
前回ご紹介した「上手にNOを言えるようになるための6つのステップ」前編は、下のリンクからお読みいただけます。
自分をどうするか、決めていいのは自分だけ、と認識しよう/上手にNOを言える人になる!②
お話を伺ったのは
藤岡淳子さん
Junko Fujioka
大阪大学大学院名誉教授、もふもふネット代表、臨床心理士、公認心理師。非行や犯罪行動のある少年と成人の教育プログラムの実施や管理・監督などに力を注ぐ。『性暴力の理解と治療教育』(誠信書房)など著書多数
『子どもを守る言葉 「同意」って何? YES、NOは自分が決める!』
レイチェル・ブライアン 作
中井はるの 訳
世界中で大人気の動画『Tea Consent(お茶と同意)』のアニメーターである著者が「同意」の概念とともに、自分自身と相手を大切にする意義とハウツーを紹介する絵本。ポップなイラストとともに“人間関係”のABCがわかりやすく描かれ大人にも人気。
¥1,760/集英社
◆『子どもを守る言葉 「同意」って何? YES、NOは自分が決める!』詳細はこちら
あなたにも言える!
NOを言うための6つのステップ 後編
相手の気持ちを尊重し合える関係を築く
断っても聞き入れてもらえないケースはどうしたらいいでしょうか。
「はっきり言葉にして伝えていますか? たとえ家族であっても別の人格。口にしなければ伝わりません。その結果、ぶつかる恐れもあるでしょうが、その恐れを乗り越えてこそ対等な関係になれるのです」
そう、気持ちよくNOが言え、ちゃんと尊重し合える関係を築くには、「お互いの気持ちや考えを確認する」作業が必須。
ステップ5
お互いの気持ちや考えを確認する
同意には大切なことが2つある
1. 自分がどう思っているか相手に話すようにしよう
2. 相手の気持(きも)ちや想(おも)いをよく聞くようにしよう
良好な関係には、お互いのバウンダリーの尊重が不可欠。そのために、まずすべきは、それぞれ想いを言葉にして伝えること。相手の依頼や誘いに同意できないなら、「NO」を口にして。自分から提案するときも相手がどう思っているかをよく聞いて。相手の気持ちがはっきりわからない場合は、YESでなくNOだと解釈するのが大事なポイント。
それは、相手の依頼や要望に対する自分の気持ちだけでなく、自分から相手に依頼や要望をするときも同じ。相手の想いを聞き、はっきり同意が得られないときは「NO」と解釈を。
今手にしている人間関係を見直してみる
「あなたのNOを聞いてもなお強引に言うことを聞かせようとする人がいるかもしれません。そういう人は、あなたにとって本当に必要な人でしょうか。今手にしている人間関係を『安心できる関係かどうか、見直してみる』ことをおすすめします。自分が苦しむだけの関係なら思いきって手放していいんです」
ステップ6
安心できる関係かどうか、見直してみる
ステップ1から5までを実践してもなお、あなたに無理やりYESを言わせようとする人や、どうしてもNOを切り出せない相手がいるかもしれません。そんなときは、その人との関係が本当に自分にとって必要不可欠か、を見直してみて。安心できない、心地よくない存在だと判断したら、思いきって離れてみる、解消するというのも一案。
家庭や職場のしがらみがなくなりつつあるアワエイジ世代は、このレッスンを行う絶好の年代。最初は比較的言いやすい人に気持ちを表し、慣れてから“強敵”に挑むのも手。繰り返すうちに、きっと身につくはずです。この先もっと豊かな人生を送るためにも、レッツ・トライ!
イラスト/©レイチェル・ブライアン(『子どもを守る言葉「同意」って何?』より) 構成・原文/村上早苗