(「漫画家・一条ゆかりができるまで」と「絵をうまく描く・塗るコツ」についてのイベントレポート前編はコチラ)
みんな自分のことが分かっていない!
電子書籍限定『男で受けた傷を食で癒すとデブだけが残る たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集2』は、OurAgeの連載で語られた一条先生の金言を、「Truth」「Men」「Success」「Love」など、人生の切り口ごとにテーマを設け、再編集したエッセイ集。
タイトルは「私の周りにいる人たちを言語化した」とのことで、「男で受けた傷はもっといい男との関係で回復させなさい。食に逃げるな!」とバッサリ。
昔から他人に相談されやすいタイプだという一条先生。今回のトークでもエッセイの内容に触れつつ、まずは「みんな、自分のことを分かってないのよ」とのお言葉が。
MCを務めるのは、OurAgeの連載でもおなじみのライター佐藤裕美さん。息の合ったところを見せてくれました。
自称・弱気な女ほど図々しい⁉
「『私って気が弱いから~』という女ほど、実は言いたいことを言ってるのよ。かなり気が強いことに本人は全く気づいてない(笑)」
「幸せになりたいって相談が多いんだけど、みんな“幸せ”への定義が雑すぎる」と、悩める大人たちに対して次々とジャブが繰り出されます。
何をもって幸せとするのかは、人それぞれ。生きていく中で自分は何を手に入れたいのか、心から満たされるモノやコトとはなんなのかを知るのが大切……と、己の解像度を上げることの大切さを力説。
「推し活で他人に熱を上げるのも楽しいだろうけど、推し活はお金があってこそのもの。それに推しの存在は永遠ではない。最終的な推しは自分!」と、エッセイにも通底する、歯に衣着せぬ物言いで、幸せになるコツをズバズバと指南していきます。
一条流・日々のハッピーアクション
例えば一条先生は、創意工夫やリメイクや研究が大好き。この日、身につけていたスマートウォッチのバンドも、実は自分で作ったものでした。(エッセイの表紙イラストでもつけています!)
「ありきたりなものが好きではないもので。既製品はかわいくなかったから、自己流にカスタマイズしました。うまく作れたから『私、天才?!』って(笑)」
「こうした自分だけの小さな喜びを見つけていくのも、幸せへの近道」とのアドバイスが。
「私にとっては漫画も同じ。人と同じような作品を描いたってつまらないから、ずっと自分らしい、自分だけの世界を追求してきました」
本当の幸せとは長く味わえるもの
そして、宝くじが当たったなど、その場で終わってしまうような「“ショートステイ”の幸せに依存するな!」 とも。
「私の場合は、貸本漫画でデビューしたとき、自分が描いた漫画が世の中に出た感動を今でも覚えてるのね。何度思い返しても、あの喜びは色あせません」
「本当の幸せとは、どれだけ長い時間が経っても、心の中ににじみ出てくる種類のもの」なのだそう。
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不安は目的と自信のなさからくる。自信を持てる己であれ!
さらに40代、50代と年齢を重ねるOurAge世代に「将来が具体的に見えてくる分、不安が増えるお年頃よね」とフォローも。
不安とは、目的がないことと、自分に自信が持てないことからやってくると分析。
「ヒマだと無駄に悩むので、忙しくすることが大事」「自分ができるもので、自分以外の人の役に立てることを見つける。そうすれば少しずつ自信がついてくる」「どんな場所でも生きていけるようにする。そのためには健康な体が不可欠」と、幸せの極意に迫ります。
思い込みを正すため、脳内の思いは一度口に出してみよ!
自分にとっての幸せを確認するためには、「思い込みを正すのが大事」とも。
「一人のときに、心の中で思っていることを口に出すこと。頭の中で考えていることと現実は違うから、脳内に願望を溜め込んでいるとモヤモヤしていくだけ。
だけど一度言葉にしてみると『なんか変かも?』と、自分を客観視できる。私は朝起きたら、その日にやりたいことを声に出して、思考の整理をしています」
Q&Aコーナーでは参加者へ愛あるムチが飛ぶ
数々の幸せの極意を伝授したのちに、イベントは参加者から先生への質問コーナーへ。
「今、有閑俱楽部の6人に話しかけるとしたら?」という質問から、先生によるキャラクター解説も行われました。
「小学生に人気なのは清四郎、高校生には魅録、でも大人になると圧倒的に美童よね」
また、スマートな大人の社交テクにも言及。
「他人の話って別にそこまで真面目に聞かなくてもいいんだけど(笑)、流れは遮らずに最後まで受け止めること。そして頭の中で1、2、3とカウントしてから自分の話を始めると、己の心身もリラックスして落ち着きが生まれるし、相手からも好印象になります」
「更年期で元気が出ない」という人には「あなた、自分が思ってるよりだいぶ元気よ。今ぐらいでちょうどいいんじゃないの?」と明るく喝が。
厳しくもユーモアあふれる愛のムチと、笑いが絶えない中で、トークイベントは終了。最後に先生を囲んで記念撮影も行われ、皆さん大満足の様子でした。
そして今回のエッセイ集の中で『ゆかりが見た未来』という、一条先生が実際に見た夢を元に漫画を描き下ろしてくれたカトリーヌあやこ先生も見学にいらしたので、イベント終了後、ツーショット写真を撮らせていただきました。
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オンデマンドで動画配信中!
このイベントの様子は、HAPPY PLUS ACADEMIAより、オンデマンド配信中です。「私は毒舌な女だけど、大事な人たちへの愛情は深い」という一条先生の最新トークを、ぜひ動画にてご堪能下さい。(イベントの様子を一部再編集したオンデマンド版のため、Q&Aコーナーではカットされている内容もあります)
詳しくはコチラ。
※販売期間:2025年4月3日~10月2日 購入者の動画視聴期限:180日間(6カ月間)
2冊同時に大好評発売中!
『一条ゆかりポストカードBOOK 塗り絵倶楽部』(1.980円)
『男で受けた傷を食で癒すとデブだけが残る たるんだ心に喝! 一条ゆかりの金言集2』(電子書籍限定 1.760円)
【プロフィール】
いちじょう・ゆかり●1949年9月19日、岡山県生まれ。1967年第1回りぼん新人漫画賞準入選、1968年『雪のセレナーデ』でデビュー。代表作に『デザイナー』『砂の城』『有閑倶楽部』『プライド』など。1986年『有閑倶楽部』で第10回講談社漫画賞少女部門受賞。2007年『プライド』で第11回文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞受賞。
取材・文/石井絵里