庭園自慢の温泉旅館で、おこもり親子旅ステイ
こんにちは小野アムスデン道子です。Go Toトラベルに東京都民や東京発着の旅も対象になり、気をつけながらお出かけがしたいという方も多いと思います。私も大学から戻ってきている娘とどこかにと考えました。まずは、都心から2時間以内、プライベート感のある温泉旅館で、という条件で探した親子旅をご紹介したいと思います。箱根にある、旧三菱財閥岩崎家の別荘という流れを汲む「強羅環翠楼」です。
箱根強羅まで、東京から車で約2時間、電車だと箱根湯本まで約90分で箱根登山鉄道に乗り換えて強羅まで約40分。強羅駅から「強羅環翠楼」は徒歩約3分とすぐ。向う途中から木々の美しさに改めて箱根の自然に魅了されましたが、この宿はその箱根強羅の森の中に立っています。
この自然と静寂こそが魅力の老舗旅館は、旧三菱財閥岩崎家の別荘といういわれを持ち、昭和30年に昭和天皇、皇后両陛下をお迎えしたお部屋も残っています。10室と離れが4室の総14室は、歴史を感じる造り。今回、こちらを大人親子旅に選んだのは、そのうち9室には部屋うちに温泉風呂があってプライベートな滞在を楽しめるのと、総5200坪という敷地に広がる素晴しい庭園があるからです。
ゆっくりと親子で源泉かけ流しの温泉を楽しんで、お庭を散歩したり、スケッチしたりとおこもりで過ごすことができます。ちょっと新型コロナの心配から離れた静かで涼しげな強羅で、ほっとする時間を持てると思ったのでした。到着すると検温と手指の消毒、体調についての確認書にサインをしてからのチェックインとなります。1組ずつのチェックインができるように、重なった場合には待機できるように、控えの間がフロント横にあります。
華清園と名づけられた庭園は本当に広くて、中を散策するだけで箱根の緑と庭園の妙を満喫できます。
私たちが宿泊したお部屋からは、そのまま庭に降りることもできて、こんな美しい眺めがまるで自分たちの庭という感じで広がっていました。
お庭で湧き出した温泉が箱根強羅の温泉第1号だったのだとか。弱アルカリ性単純泉で柔らかい肌ざわり、湯上がりはすべすべした心地よさです。
源泉を2本引いていて、お庭を通っていけば露天風呂も。鳥のさえずりと緑に囲まれてのお風呂もまた気持ちいいものです。
箱根の山を下れば相模湾です。夕食には、そこで獲れた新鮮な魚介と地元の野菜など旬の素材生かした様々な料理が出て、どれから箸をつけようか迷ってしまうほど。滞在した時はこのような御膳スタイルでの提供でしたが、今は会席スタイルだそう。
前菜やお造りは、ついついお酒が進むおいしさ。親子で杯を交わすのがうれしい夕食となりました。
金目鯛の煮付けは、2人に大きな1匹が出てきました。お吸い物の出汁のおいしさが際立ち、久々にゆっくり日本料理を楽しめました。
翌朝、娘はゆっくりと休んで、私は朝早めに露天風呂へ。その後にこれまた品数の多さに驚く朝食が並びます。下から温めている菱形の2重の器には、だし巻きとお手製の汲み上げ豆腐が入っています。湯気が立っていて、出来立てを食べられる贅沢さを堪能。
庭園が自慢の宿と聞いていたので、今回の旅では絵の具と筆、スケッチブックを持参して、親子で絵を描こうと決めていました。観光などには出かけずに、お庭を眺めながらゆったりした広縁の椅子にかけて「この色どうかな?」となんやかや言いながらのお絵描きタイムは、とても心地よく、大人になってからは貴重な親子の時間だったと思います。
それぞれ仕上げた作品はよい思い出になりますし、おこもりステイでおすすめの過ごし方です。出発までの間、絵を描いた広縁からの眺めをもう一度ゆっくりと楽しみました。箱根は都心から近場ですが、時を越えた非日常感のある旅が楽しめました。
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300
電話:0460-82-3141