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三条通りや高瀬川を OMOレンジャーに導かれてタイムトリップ気分! 京都の町を再発見

坪田三千代

坪田三千代

女性誌、旅行誌などを舞台に、旅の記事の企画、取材、執筆を手がけています。国内外を問わず、シンプルな味わい旅からハイエンドなラグジュアリー旅まで、広く旅の喜びや楽しみ方を伝えることがモットー。海外の訪問国も80カ国を超えています

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京都の中心部の見慣れた町や風景を、より深く知る愉しみが!

 

先日ご紹介した「星野リゾート OMO3京都東寺」と同じ4月に、実はもうひとつのOMOが京都に誕生しています。「星野リゾート OMO5京都三条が、それ。

ホテル名に付けられた数字の「3」と「5」の違いは、OMOブランドが定めた「サービスの幅」を示すナンバー。「3」のホテルは、たとえば朝食をロビーの自販機などで買う、よりカジュアルなスタイル、「5」のホテルは、館内にカフェを備えている、などの違いがあります。ただ、旅の楽しみ方を提案するOMOならではの「ご近所アクティビティ」や「ご近所マップ」があるのは共通。気軽さや親しみやすさも同じです。

 

京都・三条というと、言わずと知れた老舗や飲食店が集まる京都でもど真ん中の繁華街エリア。「星野リゾート OMO5京都三条」が立つのは、三条河原町の交差点から徒歩約1分、河原町通り添いから入ると少し奥まったところに入り口があります。

 

 

人通りの多い河原町通りから、路地を入ったところにあるので、館内は落ち着いた雰囲気。

 

江戸時代の京都の賑わいを思いながら、高瀬川のほとりを歩く

 

OMOブランドの魅力は、東寺でも体験した、旅をアシストしてくれる「OMOレンジャー」さん(ホテルスタッフが担当)の案内で街を歩く「ご近所アクティビティ」です。今回トライした「星野リゾート OMO5京都三条」のアクティビティは、三条エリアの歴史を遡る小さなタイムトリップ2つ!

 

まず、木屋町通沿いに流れる高瀬川に着目したご近所アクティビティが「京都らんまん川さんぽ」。OMOレンジャーの八十田さんと今江さんのお二人が案内してくれました。

 

 

元気はつらつのOMOレンジャー、八十田さん(右)と今江さん(左)。「知らなかった三条をご案内します!」

 

鴨川のすぐ西側を並行するように走る、両岸に柳が植わる小さな流れが高瀬川。河原町あたりでの食事や買い物の際に、目にしている人も多いはずです。一見、風流な小川かしら?と思いますが、

「高瀬川は、江戸時代初期に豪商であった角倉了以(すみのくらりょうい)とその息子の素庵(そあん)によって、私財を投じて開削された運河なんです」と八十田さん。

 

 

鴨が群れ遊ぶ清流がなんとも涼やか。春は美しい桜でも知られます

 

その高瀬川の要所要所に置かれ、荷物の上げ下ろしや方向転換をした舟溜まりは「船入り」と呼ばれていました。流れをたどる歴史ガイドは、一番上流に唯一残る「一之船入」から始まり、さまざまな逸話を織り交ぜながら、川沿いにさんぽが進みます。

「この舟は、何と呼ばれているかお判りですか?」「えーと、高瀬舟!」

底が平たく舷側の高い高瀬舟。往時は、約200隻もの高瀬舟がこの川を行き来していたそうです。と言っても浅い川のため、川の左右に人足が並び、荷物を乗せた船をえっちらおっちら移動させていたとか。

 

今やひっそりとした風情の高瀬川ですが、昔は経済の大動脈だったことに、しばし感慨。そして、森鴎外の小説「高瀬舟」を思い出したり。

 

 

「この高瀬舟に炭やお酒などの荷物を載せて、伏見を経由して、大阪と京都の間で交易をしていました」と解説を聞くと、急にその時代がリアルに感じられます

 

 

しばらく川沿いにさんぽをした後は、先斗町(ぽんとちょう)へ。普段は日暮れから息づいてくる先斗町を、昼間に歩くのはちょっと新鮮です。

「京都の5つの花街にはそれぞれシンボルがありますが、先斗町は『千鳥』なんです。冬の鴨川に舞う千鳥をデザインしたそうです」と今江さん。

 

 

パネルの説明はわかりやすく、見やすいのも我々世代にはポイント高い。よく見ると、通りを舗装する石畳にも千鳥の意匠が埋め込まれていて。足元にも再発見が

 

町屋の間の細い路地を通って、再度、高瀬川に戻ると、そこは、七之船入の跡地。自らつるはしを取って運河作りを率いた、という角倉了以がつるはしを片手にした像が我々を待っていました。OMOレンジャーの八十田さんが、持っていたつるはしは、これだったんですね!

 

七つめの「七之船入」があった場所には、つるはしを持つ角倉了以の像を掲げた石碑が建てられていました

 

 

 

OMOレンジャーさんの案内で、何代も続く老舗の「のれん」のその先へ

もうひとつのご近所アクティビティは、「京町らんまん老舗さんぽ」。数多くの店舗が並ぶ三条通りで、これぞ、という興味深い老舗を、OMOレンジャーさんが案内してくれます。

 

まずは、東海道五十三次の始終点だった三条の橋のたもとから。

おかきやあられ、豆菓子などを100種類以上扱う「本家船はしや」さんは、明治17(1884)年創業の老舗。店頭に並ぶたくさんの商品は、どれも美味しそうで、少しずつ何種類も買いたくなります。

 

 

橋の風情とマッチした風情ある外観が、なんともフォトジェニック。えんどう豆と砂糖だけでつくる、素朴な美味しさの五色豆は、約500年も前に禅僧が編み出したものが進化したものだそう

 

 

お隣りは、箒やタワシを扱う「内藤商店」。創業は文政元(1818)年。

「うちの箒やタワシは、棕櫚や竹など自然のもんを用いて職人が手作りしてるんです。丁寧に使うと、何年も長く持ちますよ」と7代目の内藤さん。

ここでは、以前もタワシを購入したことがありましたが、OMOレンジャーさんと一緒に伺うと、お店の方といろいろなお話ができるのがいいところ。

「このフライパン用ブラシも人気がありますよ。ぐりぐりせんと細かく動かして洗うのがコツです」

と、お話しをうかがいながらおすすめのフライパン洗い用ブラシを購入しました。

 

 

やわらかな笑顔の内藤さん。さまざまなサイズ・形の箒やブラシの説明にも心がこもります。右側のお孫さんが9代目でいらっしゃるそう

 

続いて、河原町通りを越えて、寺町通りに続く三条名店街のアーケード街へ。すぐ右側にある「吉田源之丞老舗」は、織田信長が比叡山を焼き討ちした翌年の1572(元亀3)年から、約450年(!)もの長きに渡って仏具商を営む店。「京都の仏具屋は、京都のお寺だけではなく、宗派を問わず、日本各地の寺院の仏像や仏具の修復や製造も手掛けるんです」と16代目に当たる吉田さんに聞いてびっくり。聞けば中尊寺などの全国の名刹から、代々修復を任せられているのだそうです。「仏像の内側に、何代か前の店主が補修したときの名前があることもしばしば」という吉田さん。仏具だけでなく仏教全般に広く精通されています。

 

 

看板をはじめ、堂々たるたたずまいの店舗だけれど、その仕事の奥行は見た目をさらに上回るもの。お数珠や線香などから、手乗りの仏像、伝統的な仏具までが店内に置かれ、どことなくエキゾチックな雰囲気も

 

店の奥では、修復された著名なお寺の古い仏像も拝見できました。店の看板は、比叡山で千日回峰行を終えた大阿闍梨の方の筆。観光では立ち寄る機会が少ない仏具店ですが、店主のお話からは京都ならではのお寺まわりのお仕事事情もうかがえて、興味津々です。

 

京都ならではの歴史や風雅の漂う店で、逸品との出会いを楽しみながらのお土産選びも

アーケード街の建物の一角にある通路の奥、かわいいのれんをくぐった先に、風情の漂う庭と小ぢんまりとした店舗が。「三條本家みすや針」の創業は、江戸時代の初め。当時の当主から数えて、現在の福井さんは18代目にあたり、今では日本で唯一の縫い針屋さんです。

 

 

携帯にも便利な桐箱入りの針と糸のセット。一本一本に、細部にまで技が凝らされた針は、もはや芸術品。針山や針箱などの布を、さまざまな可愛い柄から選ぶのも楽しみ

 

上質でかさばらない針は、江戸時代から京土産として大人気だったそう。小さな逸品をもらってうれしい気持ちは今も変わりませんね。

 

商店街を西に向かうと匂い袋専門店「石黒香舗」が。創業安政2(1855)年という、日本で唯一の匂い袋専門店です。

ここでは、自分だけの匂い袋セレクトを楽しめます。友禅や西陣織の巾着袋と紐の色を自由に選んで、天然の香木をブレンドしたオリジナルの4種の香りから好みのものを選んで詰めてもらいます。

 

 

手のひらサイズのコロリンとした匂い袋。サイズも香りも迷うのが楽しい体験

 

最後に訪れたのは昭和12(1937)年から続く風呂敷メーカーのオフィシャルショップ「むす美」。店内には、伝統的な絵柄の風呂敷はもちろん、ポップな色や柄のものまで500種類ほどのオリジナル風呂敷が並びます。中には、ミナ ペルホネンなどとのコラボ商品も。

 

アート作品の展示のようで眺めるだけでも楽しい店内。風呂敷は一枚の布ですが、木のフレームを使えばバッグにも早変わりするなど、幾通りにも使えます

 

お店では、よく雑誌で見るようなちょっと素敵な風呂敷の結び方をササッと実演して見せてくれます。見れば「なるほど!」と、やってみたくなるし、持ってみたくなる!

 

どこのお店ももちろんフリで入れますが、「京都の老舗」と思うだけで、ちょっと敷居が高く感じる所もあり。OMOレンジャーさんと一緒に訪ねると、お店の人との距離がキュッと縮まって、話しやすく、居心地がよく、気軽に相談しながら買い物できる(もちろん買い物しなくても大丈夫)のがいいところです。

 

「京都らんまん川さんぽ」も「京都らんまん老舗さんぽ」も、どちらも所要約1時間で、やっぱり無料! 三条エリアを地元感覚で歩きながら、京都の歴史をより深く知り、楽しむきっかけにできそうです。

 

 

「星野リゾート OMO5京都三条」のスーペリアルーム。団らんテーブルを備え、お茶の間感覚で過ごせます。(3名まで宿泊可能)

 

京都らんまん川さんぽ

所要時間:60分 料金:無料 最小催行人数1名 要予約

京都らんまん老舗さんぽ

所要時間:60分 料金:無料 最小催行人数1名 要予約

いずれもさんぽ中の買い物等は別途料金

 

◆星野リゾート OMO5京都三条

京都府京都市中京区恵比須町434−1

全122室 ¥6,000〜(2名1室利用の1泊1名料金、食事別)

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5kyotosanjo/

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