こんにちは小野アムスデン道子です。京都は、寺社仏閣や史跡を訪れるだけでなく、歴史が培った街の佇まいや、おもてなしなどにも心惹かれる街。2022年4月1日に開業した「ノーガホテル 清水 京都」は、「MEET HOT KYOTO.」をテーマに京都の美や知恵を発見するための”きっかけ”が散りばめられたホテルです。
京阪清水五条駅から歩いて7分、歴史的意匠建造物の2棟の町家を表に残し、周囲と馴染みながらもガラス張りのファサードは、非日常な京都に誘う入り口。
エントランスに置かれた和と洋の鉢植え、天井の高いロビーを飾る梁のような意匠など、モダンな中に侘び寂びや京都らしさを感じさせます。1階には、ベーカリーやカフェ&バーなども入って、地域との繋がりの場にも。
シンプルでモダンな客室には、家具や照明などあちこちに京都の伝統工芸とコラボレーションしたプロダクツが使われています。ミニバーやベッドヘッドには引箔、ハンガーは漆塗、ランプシェードや湯呑みは清水焼きと、京都の技が現代に生かされます。オリジナルの湯呑みなど一階のショップで購入できるものも。
また、客室や館内廊下を飾る京都の美を写し出すようなモダンアートの数々と、空間に合わせて置かれたスピーカーにもこだわりを感じます。
千本柱が並ぶような入り口のレストラン。ジョスパーオーブン(炭火のみを熱源としたオーブン)のグリル料理や、切りたてのシャルキュトリー、京野菜などの地元食材を活かした料理に、国内外のナチュラルワインやホテルオリジナルカクテルなどのドリンクも充実しています。
食事の前後などには、東山、清水寺など京都市内に比叡の山々も一望するルーフトップバーで、杯を傾けて。
「ノーガホテル 清水 京都」では、抹茶、瞑想、香道などの伝統と結びつきながらも、京都の新しさを知るきっかけとなる仕掛けはまだまだあります。
まずは、建仁寺塔頭両足院の副住職・伊藤東凌氏が総合プロデュースした「メディテーション(瞑想)」体験。美術家・音楽家である立石従寛氏が企画・設計した、神秘的な光と音に包まれる瞑想室で、30分のプログラムが行われます。客室のテレビでも瞑想プログラムを受けられます。
そのほかにも客室での体験プログラムとして、京都市内でコーヒー文化を発信する「KURASU」が教えるコーヒードリップや、京都出身のアロマ調香デザイナーTOMOKO SAITOによるオリジナルアロマ調香体験などが用意されていて、五感で京都を感じる体験ができるのがユニーク。長い時をかけて磨きあげられて来た京都の魅力を知るきっかけになります。
「ノーガホテル 清水 京都」では滞在しながら、初めての体験にいろいろと刺激されます。さらに、京都のことを探訪する旅をしたくなるはず。
取材・文 / 小野アムスデン道子