「人生なんて砂の城のようなものかもしれないわね。作っても作ってもいつの間にか波がさらってしまう」…私の作品『砂の城』の中で、ヒロインのナタリーがつぶやくセリフです。
確かにそうですよね。必死で働いて、家族に尽くしてきたのに、旦那の浮気ひとつで築き上げたお城ががらがらと崩れてしまった……なんていう人もいるでしょう。でも、大切なのは、そこで終わりだと思わないことです。
城なんて、壊れたら、また作ればいいんです。とくに若者と違ってOurAge世代は、残された時間は多くないのだから、できるだけ早くリスタートすることが大事です。
ただ、年齢を重ねるほど、人はやらない言い訳がうまくなるんですよね(笑)。「どうせ私なんか」「私には向かないから」と、あらゆる言い訳をして、やるべきことを後回しにしがちです。
でも、悲嘆に暮れている暇があったら、さっさと城を作り直すことをおすすめします。人間暇になると、余計なことばかり考えて、ナタリーのように不幸になってしまうから(笑)、とにかく忙しく働いて、疲れたら寝る!これに限ります。コンクリートの城と違って、砂の城なら、意外と早く建て直すことができるかもしれませんよ。
取材・文/佐藤裕美