気持ちよく暮らす「生活のしきたり」
しきたり69:元気で若い人は優先席には座らない
季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!
テーマごとに84の「しきたり」を生活研究家の阿部絢子さんが教えてくれます。
このパート【気持ちよい暮らしをするための、社会生活の「決まり」】では、暮らしを快適にするためのしきたり68~77をご紹介します。
•気持ちよい暮らしをするための、社会生活の「決まり」•
波風なく暮らしを快適にしたい、人とのつきあいも大切にしたい、近所ともうまく仲よくしたい・・・
この社会には、気持ちよく暮らしを快適にするための、社会を緩やかにかたちづくっているルールがあります。このルールは、誰が決めたわけでもないのですが、いわば長い歴史の常識がつくり上げてきたようなものです。それに逆らって暮らしても、きっと心地よさは得られないでしょう。少々はずれても、大きく添っていれば気持ちよく、暮らしていられるはずです。そんなルールを社会マナーと呼び、私たちはうまくルールに合わせてきました。これからも、ルールに添い、時に正したり、叱ったりしながら、気持ちよい暮らしを願っていきたいと思います。
しきたり69
元気で若い人は優先席には座らない
電車内の優先席は、身体的に弱い者に優先的に座ってもらう席、ということは知っています。でも、年齢による身体の疲れは防ぎようがなく、ときどき優先席に座ってしまいます。言訳がましく言えば、普通の状態なら座らない、もちろん優先席が条件の人が来れば譲る、などと決めていますが、気がつくと、つい座っていることが多くなったと思います。
これをどう考えたらよいか。年齢のせいかと思っていましたが、それだけではなさそうです。気が緩んできているのだと思えます。
優先席は優先条件を持つ人のためのもの。ですから、できるだけ座ることは避けたいものです。避けるために、空いている席を探す、時間帯を変える、長距離ではなく近距離なので我慢する、ベンチで十分に休んでから電車に乗るなど、方法はいくらでも考えられるものです。
優先席に座るのは、気持ちの持ちようで変えられるはずだと気がついたのです。とはいってもこれから先はどうするか、もっと年齢が重なっていったときはもっと気が緩んでいるはずですから座ってしまうでしょうが、いま元気なときに座るのは、やはり社会のルールに反していると思うのです。
若い人でも座っている人がいますが、これからは自分にとっての優先席をどう考えたらよいか、自問してほしいと思います。
次回は、しきたり70:座席を譲られたら、その親切心にこたえる、についてご紹介します。