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リピーターにお勧めの金沢とっておきスポット「石川県文化財保存修復工房」

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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寺社部長の吉田さらさです。

先日、能登に行った帰りに金沢に寄りました。

地元の方に、「どこか定番の観光地以外のお勧めはないかしら」と訊ねてみたところ、最新の興味深い場所を教えてくれました。金沢はもう何度も行ったという方にお勧めしたい、とっておきのスポットです。

 

「石川県文化財保存修復工房」。石川県立美術館の「広坂別館」という建物に隣接しています。

現在日本には、東京、京都、奈良、九州の四つの国立博物館に、文化財を保護修復する施設がありますが、地方自治体が運営するこのような施設は、こちらが唯一。しかも、実際の修復作業を、一般人が無料で、かつ予約なしで見学できるのも、全国でこちらだけです。

 

この施設は、石川県立美術館の付属施設として、現在とは違う場所に開設されました。貴重な文化財の保存、修復、調査、研究のみならず、修復に携わる技術者の育成に取り組み、県内、県外の文化財修復も多数行ってきました。もとの建物の老朽化に伴い、現在の広坂別館に移転。こちらは、大正11年に建てられたもと陸軍第9師団の師団長官舎だった建物で、現在は登録文化財となっています。そしてその建物のお隣に、2016年に、一般人も見学できるスペースを備えた新しい文化財保存修復工房が建てられました。

まずは、修復工房ガイダンス室で、作業の工程をわかりやすく解説した映像やパネルを見学します。タッチパネル式のディスプレイで、過去にどんなものを修復したかを見ることもできます。

引き続き、修復工房の見学スペースへ。ガラス窓越しに、実際に行われている作業を見学します。修復するものはその時々で違うので、大きな作業が行われていることもあれば、少人数の方が、机に向かって細かな作業をなさっていることもあります。

 

次ページに続きます。

掛け軸、屏風、古文書などの修復を行う表具修復室です。

漆工芸品の修復を行う部屋です。

壁にはさまざまな美術品の修復工程を説明するパネルやディスプレイもあり、細かく複雑で気が遠くなるような作業の積み重ねであることが理解できます。

こちらを見学すると、博物館に展示されている美術品や寺社の所蔵品をよい状態に保つことの困難さがよくわかり、見る目が変わります。ぜひその足でお隣の石川県立美術館に行き、たくさんの美しいものを大切に守ってきたこの街独特の美意識を堪能しましょう。

 

 

 

近年では、「金沢21世紀美術館」が爆発的な人気を呼んでいますが、森に囲まれた石川県立美術館や県立歴史博物館周辺の雰囲気もとてもよいです。21世紀美術館からも近いので、ぜひ足を伸ばしてみてください。

 

 

石川県文化財保護修復工房

http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/jpc/cars/

 

 

吉田さらさ

公式サイト

http://home.c01.itscom.net/sarasa/

個人Facebook

https://www.facebook.com/yoshidasarasa

イベントのお知らせページ

https://www.facebook.com/yoshidasarasa2

 

 


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