皆様も興味を持っていながら、なかなか体験までに至らないことは
ありませんか。
好奇心旺盛な私は、この年になっても、これから体験したいことが
まだまだ山の様にあります。
過日の型紙彫刻体験に続きまして、今回は
「水引の結び方」と「のし袋の作り方」を体験する機会に恵まれました。
教えてくださったのは、田村京淑先生。
中秀流お家元のとても素敵な先生でいらっしゃいます。
身近なものから大作まで、
素晴らしい作品をたくさんお作りになっています。
まず、水引の歴史や種類などのお話をしてくださいました。
すべてが興味深いお話でしたが、
私がとくに興味を持ったのは、「色」のお話でした。
水引は、初めの頃<白一色>で、
<神聖で汚れのない>という意味があった様です。
そしてお祝いごとでは、魔よけの色の<赤>に
「お祝いに魔が来ない様に」という願いを込めて、
白と組み合わせて使われる様になったそうです。
そして現在では、水引にはなんと数百種類もの色があり、
お好みで楽しめる様になっているようです。
水引についての基礎知識をいろいろと学んだ後、
「淡路に始まり、淡路に終わると言われるほど、
水引の中で最もよく使われます」
と、田村先生がお話してくださいました<淡路結び>を作ってみました。
皆様がよくご覧になるのし袋の水引も、淡路結びです。
左右の輪が互いに結び合い、両端を持って引くとさらに強く結ばれるため、
「末永くお付き合いしたい」という意味を持つそうです。
基本の淡路結びを体得した後、、アレンジで「梅結び」も
教えてくださいました。
水引を上から通すのか、あるいは下から通すのか。
わからなくなってしまうこと、多々でしたが、
とても丁寧に教えてくださったおかげで、何とか形になりました。
多少不格好でも、形になると嬉しいものですね。
人々は古来より、結びには願いや思い、祈りを込めてきたと
言われています。
今回の体験を通して、
水引を結んで贈り物につけて差し上げるときには、
思いを結びの形にして、「心」を届けているということを
改めて学びました。
また、水引は物品を贈り、思いを伝えた時点でその役割を
終えてしまいます。
消えてしまう、なくなることを前提とした「ひとときの存在としての美しさ」
水引には、世阿弥の教えに通ずるところがある気がいたします。
今回の体験を通して、
日常生活の中でもふと目にする水引が、とてもありがたいものに
思えてまいりました。
「贈り物として恥ずかしくないくらいに結べる様にはなりたい!」
と思っておりますが、この後の練習次第といったところでしょうか。
日本古来より伝わる文化の奥深さにますます魅了され、
心豊かなお時間を過ごすことのできた、素敵なお出かけでした。
東京水引芸術学院
http://mizuhikimusubi.web.fc2.com/