今年は昨年よりも多めという予報が出ている「花粉」。天気予報で発表される明日の花粉の量。どうやって予報を出しているかご存知ですか? 気象予報士の今村涼子さんに、花粉予報の裏側をお聞きしました。
いまむら りょうこ/気象予報士
1973年、奈良県出身。1999年に気象予報士資格を取得。2004年テレビ朝日「報道ステーション」で防災気象解説、2005年からテレビ朝日「スーパーJチャンネル」で気象キャスターを担当。天気に興味をもったきっかけは、子供の頃「雨女」だったことから。
■実は花粉をひとつひとつ数えていた!
この時期、毎日出される花粉予想。どうやって量を判断しているか。なんと、花粉の数をひとつひとつを数えて半日~1日先の予報を出しているそうです。
「ウェザーニューズ社、日本気象協会、東京都の各自治体などが花粉を採取して数え、データを発表しています。各テレビ局はそのデータを元に予報を発表するのですが、実はそれに加えてテレビ朝日は独自で採取して、毎日花粉の数をカウントしています。朝のニュースは前日の数、夕方のニュースは朝9時過ぎに数えたものが予報に生かされます」
上の写真はテレビ朝日屋上に設置されている花粉採取器。スライドガラスにワセリンを塗ったもので、1日に2回、プレートを取り換えて花粉の数をカウントしているそう。
「カウントはウェザーセンター内にあるこちらの顕微鏡で、気象予報士が交代で数えています。丸く写っている粒がスギ花粉です」
気温が一気に上昇した3月1日の
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丸いスギ花粉が密集しているのがわかります。赤丸のように角のようなものがちょこんと生えているのがスギ花粉の特徴です。
■花粉は「3K」にご注意
花粉は条件が揃うと飛びやすくなります。その条件を3Kと言って、それは「高温、強風、乾燥」の3つを指すそうです。
「15℃を超える、あるいは前日より5度以上気温が上がる日は要注意です。強風は8m以上。これは春一番の目安となる風速です。そして乾燥した空気。また、前日に雨が降った翌日は、下に落ちた花粉が舞い上がるので、こちらも注意が必要です。
気温が低い日は花粉の飛散量が少なくなりますが、その分、次に気温が上がった翌日以降に一気に飛散します。今年は、まだ寒の戻りが何回かあり、大量飛散しやすくなります」
寒暖の差があるこの時期は、花粉が一気に飛びやすく、花粉症の方にとっては厳しい時期ですね。
■静電気対策とマスクと加湿器で乗り切る!
子供のころから花粉症という今村さんは、どんな対策をしているのでしょう。
「この季節は薬を飲んだりマスクをしたり、部屋は常に加湿器をつけて、湿度が50%以下にならないように気を付けています。花粉が舞い上がらないようにするためです。
そして気を付けたいのは、静電気。髪の毛や衣類への付着も防ぎたいですし、帰宅時には玄関で花粉をササっと払うことも欠かせません。私は足元も忘れずに払ってから家に入るように心がけています」
「花粉対策は、とにかく付着をふせぐこと」と、今村さん。静電気を防いで花粉をつきにくくする製品なども上手に利用して、花粉を防ぎたいですね。
左/除菌、消臭効果だけでなく、衣類プロテクター(静電気防止成分)配合で、PM2.5・花粉・ハウスダスト・黄砂の静電気による付着を防ぎます。外出前に衣類に15回ほどスプレーを。衣類、ファブリック、空間に使えます。
リセッシュ 除菌EX プラス プロテクトガード
360ml
右/髪の美容液成分配合で、うるおいを与え、乾燥・ごわつきを防ぐトリートメントスプレー。静電気を防ぐ効果も。シャンプーの後、パサつきやごわつきが気になる部分に各1~2回ずつ、約10cm離してスプレーし、手ぐしやブラシで全体になじませます。まとめ髪にしにくい短めの髪にもおすすめ。
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撮影/小山志麻(今村さん)、山田英博(商品) 構成/島田ゆかり
撮影協力/UTUWA