みなさんは神社の正式参拝をしたことはありますか?
一言で言ってしまえば、神社の社殿に昇殿して参拝することです。
たまにお参りの際に中で祈っていらっしゃる方がいるのを見たことはありませんか?
神職の方が間をつないでくださるので、神様に自分の願いやお礼を伝えやすいと言われています。(もちろん神様が差別するわけないんですが(笑))
そんな正式参拝を、たまたまのご縁で冨士山小御嶽神社でできると聞いて、富士山?それは縁起よさそうだし、来年2019年のの幸せも期待しつつ(?)お出かけしてきました。
冨士山小御嶽神社(ふじさんこみたけじんじゃ)は富士山の五合目にあります。今回私はちゃっかり知り合いの車に同乗させて頂きましたが、富士急行河口湖駅からバスでも登ることができます。
五合目は富士登山の起点でもあり、神社周辺の土産物屋や食事処は海外からの観光客でいっぱい!やっぱり富士山って人気なんですね。
私は初めて知ったのですが、実は今の富士山は小御嶽と古富士の二つの山をベースにしてに噴火を繰り返して形作られたのだそうです。この冨士山小御嶽神社はその小御嶽の頂上に作られた神社。御祭神は山の神様の娘、イワナガヒメノミコト。そう、あの妹のコノハナサクヤ姫とともに嫁入りしたのに、醜かった彼女をニニギノミコトが嫌い親元に戻されてしまったという悲しい伝説を持つ姫神様です。
また富士山の五合目周辺は「天狗の庭」と呼ばれているそうで、こちらの神社の眷属も天狗、7/1の山開きの日には大天狗、小天狗が道を先導する開山祭も行われるのだそうです。
実は富士山には、この冨士山小御嶽神社だけでなく、神社がたくさんあります。一番有名な浅間神社はイワナガヒメノミコトの妹のコノハナサクヤヒメノミコトを祀っていますが、この浅間神社だけでも麓には5社もあるのです。
古くは富士山は噴火を繰り返していたといいます。その頃の人々にとっては、富士山は美しくとも怒ると怖い妹姫と重ね合わせた、畏怖の存在だったのでしょうね。
というわけで、早速正式参拝へ向かいます。
土産物屋の間にある参道を進むとすぐ目の前に拝殿が。
参拝している人を横目に拝殿にあげて頂きます。ちょっと優越感(笑)
正式参拝の流れは、まず神職の方が祝詞(のりと)の奏上してくださいます。
観光気分がピリッと引き締まる一瞬です。
続いて玉串で奉って頂けば、今年の汚れが落ちたかな?
最後に直会(なおらい、お神酒を頂くこと)を頂戴して、参拝は終わり。
思ったよりもあっけない感じでした。
後ろからお賽銭箱にお金を入れる音などが聞こえるのも面白かったです。
さすがに拝殿内では写真はNGなので、是非文字だけで雰囲気を味わってくださいね。
せっかくここまで来たので、前から気になっていた久保田一竹美術館へ。
こちらも河口湖駅から5番のバスで行くことができます。広瀬・久保田一竹記念館前バス停を降りたらすぐです。駅からは5kmくらいなので歩くにはちょっと遠いかも?!
久保田一竹(くぼたいっちく)は、安土桃山時代に最盛期を迎えながらも、その後廃れて幻とまで言われていた「辻ヶ花(つじがはな)」という絞り染めの技法を現代に復活させた第一人者です。桃山時代には染め物と言えば辻ヶ花を指すほど一般的だったそうですが、あまりに手のかかる技術だったため手描き友禅などに取って代わられ、いつしか技法までが不明になってしまったという歴史があります。
そんな復活した技術の着物がこの目で見られるということで、前から気になっていたのです。
これが辻が花。
カフェスペースに展示されていたものを撮影させてもらいました。
(展示物はもちろん撮影禁止です!)
行ってみてびっくり。なんてモダンで素敵な建物!
まるでヨーロッパのシックな建築をそのまま持ってきたような瀟洒な建物に、川が流れるロケーション。門の前に立つだけで既にテンションマックスです。
インドの古城に使われていた数種類の扉を組み合わせたという正門。
日本とは思えない美術館の外観。
小道には川が流れ、裏にはちょっとした小山の探索路もあり、滝を眺めながらの森林浴も楽しめます。
外観だけでなく、吹き抜けの本展示室に飾られている辻が花の着物たちは、「本当にこれを身にまとえる人が存在するの??」と思ってしまうほど荘厳で美しく、吸い込まれるよう。
富士をテーマにした作品群などは、さっき参拝してきた神社のイメージともかぶり、とにかく心を揺さぶられました。本当に何時間でも眺めていられそうなくらいでした。
ちょっとアクセスは悪いですが、和の文化や美術、着物が好きな方には本当におすすめです!!
いかがでしたか?
一日堪能した富士山参拝ツアー。正式参拝なんてどこか敷居が高く感じてしまいますが、たまにはきちんと神様にご挨拶するのも気持ちがいいものです。
美しい染め物も心の栄養になりました。これで来年はさらにいい年になりそうです!
冨士山小御嶽神社
http://www.yamanashi-jinjacho.or.jp/intro/search/detail/7005
久保田一竹美術館