先日の大人の遠足では、ずいぶんたくさんの友人から呆れ、いえ感心されてしまったhijiriです。
でも普段お茶や茶碗になど興味もなさそうな職場の同僚まで話題にしてくれたり興味を持ってもらえたので、よかったんじゃない?と密かに思っています(言い訳)
なんの話? という方は、ぜひこちらの記事で私の無謀さを楽しんでみてください。
というわけで、今回は二つ目のお宝を見に静嘉堂文庫美術館へ初日に行って来ました!
静嘉堂文庫美術館は、三菱財閥を作った岩崎彌太郎の弟、岩﨑彌之助と息子の岩﨑小彌太が設立した美術館です。
二子玉川駅から少し歩いた高台にありアクセスはちょっぴり不便ですが、その分本当にここは都内ですか?と思ってしまうほど緑豊かなロケーション。広い庭園を備え、その頃は軽視されがちだった日本の文化財をコレクションしたという背景から一流の収蔵物も誇る、私も大好きな美術館です。
二子玉川駅からトコトコ山道を行く。
ハイキングに来たわけではありません。
正面の広い前庭を持つ瀟洒な洋館が静嘉堂文庫美術館です。
この建物は、桜井小太郎の設計。あの鹿鳴館やニコライ堂を設計したジョサイア・コンドルの弟子です。
裏の方にひっそり建つ霊廟は、そのジョサイア・コンドルご本人の作。
確かにニコライ堂に似ている気がします。
実は今回の展示のメインは日本刀。
日本刀の価値って、鍔や鞘を外した“刃の部分”が評価されるのが普通。つまり「日本刀」として展示されているのは、そうです、むき身の刃の部分だけなんです!
きっと素晴らしいコレクションなのだと思うのです。でも、目貫や懐中刀など細工がされた物はまだしも、むき身の刀は私には全部同じに見えてしまう…(涙)
とはいえ細かい細工物などは確かに素晴らしかったです。
満足して、さて本命は、と周りを見渡すと、なんとお目当ての茶碗は展示室ではなく外光眩しい外のスペースにありました。
びっくり。こんなに太陽光サンサンのところで大丈夫なのかしら?
ここの茶碗の窯変は、三つの国宝のうちでも一番美しいと言われています。
確かにくっきりはっきりと花が咲いたよう。
先日のMIHOミュージアムは窯変の部分にだけスポットライトが充てられていて、暗闇に浮かび上がる夜空のようでしたが、明るい太陽の下で見る窯変はさらに優しく、柔らかな海の波のようでした。
保存のためにはこれだけ明るい状態はたぶんあまりよくないんだろうな、とは思います。でも私はこんな風に見せてくださる美術館の心意気みたいなものも感じましたし、こちらの展示方法の方がじっくり堪能できて好きだなと思いました。
静嘉堂文庫美術館は広大な庭園も備えています。
せっかくとても良い天気なので、そちらもぶらぶらとお散歩。
ここは本当に都内なのでしょうか。
小さな展望台からは二子玉川の街が見渡せます。
いかがでしたか?
二子玉川ライズや高島屋SCなど最新なお店が立ち並ぶ駅前からほど近くに、こんな遠出気分に高尚な気分が味わえる場所があるんですから都内も侮れません。
この日も自然と美を楽しんだ後は、駅前のおしゃれなビストロで友人と乾杯!目も舌も気持ちも楽しい土曜のショートトリップでした。
さて、ラストの一つは奈良です。
最後の曜変天目はいったいどんな姿を見せてくれるのでしょう、楽しみです。