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オリンピックのための渾身の企画展だっただけに見ごたえたっぷりでした

hijiri

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都内在住。家族の赴任に伴い、オランダに四年、香港に三年半住み、現地の会社で働いていたことも。”やらない後悔よりやる後悔”がモットー、興味を持ったらまずは行動! 最近のマイブームはランニングです。普段から着物を愛好し、自称普段着物研究家。そんな着物姿でぶらぶら、走りながらきょろきょろと見つけたおでかけ情報を発信していきます。

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東京美術館で開催されていた「The UKIYO-E 2020 日本三大浮世絵コレクション展」、開催前から話題でしたよね。コロナ禍で予約制になったせいもあり、チケットが早々に完売してしまったというこの展覧会。美術展の多くは完全予約制なので、このような状況下では比較的おでかけしやすいですよね(本展は終了しています)。


いよいよ・・・!

予約制なので空いているのはうれしいです。
感染症対策もばっちりですね。もちろんマスク装備です。

 

とにかくものすごい量!

 

そもそも、この「三大浮世絵コレクション」とは

 

太田記念美術館(原宿)
日本浮世絵博物館(長野)
平木浮世絵財団(現在は展示会に貸出のみ)

の3つのコレクションのことです。

 

もともと今年開催予定だったオリンピックで日本を訪れる世界の方々に日本の浮世絵のすばらしさを見てもらうための三館渾身の企画だっただけに、その内容は量、質とともに圧倒的です。

 

例えば、富嶽三十六景の比較展示。
浮世絵は、ある意味印刷なので、ものによってはたくさん刷られて多くの数が存在しています。この辺りは絵とはちがうところです。
当然各館に同じ浮世絵がある、ということも起こりえるわけで、普段なら別々の場所にある同じ浮世絵を並べて見る、なんて粋な展示がされていて胸熱・・・!
上下左右に頭を動かしてあれこれ矯めつ眇めつ見ている人にやたら親近感を覚えてしまいます。

 

この展覧会は前期・後期に分かれていて、作品は全入れ替えになるという壮大なものでした。時間軸も相当長く、浮世絵の黎明期から江戸末期まで、約200年程の浮世絵の歴史をずらーっと見ていけるのです。

 

第1章「初期浮世絵」
延宝期(1673〜81)頃の墨一色の版による「墨摺絵」から延亭期(1744〜48)頃の「紅摺絵」に至るあたりの作品です。
浮世絵のイメージからするとかなりシンプルですが、今の漫画やイラストに通ずるものがあってつい細部に見入ってしまいます。

 

第2章「錦絵の誕生」
浮世絵の元祖と呼ばれる錦絵が登場。
私の大好きな鈴木春信が活躍した時代です。女性男性問わずどこか中性的な感じが特徴です。

 

面白いことに、他の作者の絵もどこか春信風で、こういう絵にすれば売れる、というようなマーケティング要素があったのかな、なんて思ったりしました。

 

第3章「美人画・役者絵の展開」
鳥居清長や喜多川歌麿などが活躍した時代、アップのいわゆる「大首絵」が増えてきます。美人画の生え際の髪の一本一本がすごい。一つ前の時代に比べて男女の描き方の違いが明確です。

 

東洲斎写楽もこの時代。ぎょろっとした目の役者絵はデザイン画のようです。雲母刷りがきれい。

 

アップが多いので着物の柄もよくわかり、ついつい目を凝らしてガン見する私です(着物好き)。

 

第4章「多様化する表現」
歌川国貞などが活躍した文化・文政期。大胆に画面を2つにわけてみたり、遠近法を使った構図も目に付くようになります。団扇絵などもあって、さしずめ今でいうオリジナルのうちわを制作します、みたいな感じかな?

 

芝居小屋などを描いた、歌川豊国の弟子である歌川国貞の詳細な構図も楽しいです。

 

第5章「自然描写と物語の世界」
19世紀前半、葛飾北斎、歌川広重など、有名作者の活躍する浮世絵全盛期。人物像だけでなく、役者絵、風景画などバリエーションも豊かです。

 

名所(〇選)などは、今でいう旅行パンフレットのような役割だったのでしょう。葛飾北斎の「冨嶽三十六景」歌川広重の「東海道五十三次」はやっぱり見ていて飽きないです。

あれこれグッズも売られています。
つい欲しくなるものがたくさん。

 

文字だけですが、少しは会場の雰囲気を味わっていただけましたか?

 

こんなぜいたくな展覧会は開催するだけでも難しいと思いますが、また是非企画されたらなと思います。せめて見逃した後期分をもう一度見られるチャンスを・・・!!

図録とミニクリアファイルを買いました。
クリアファイルはマスク入れにしています。

 

The UKIYO-E 2020(図録やグッズが購入できます)

太田記念美術館(原宿)

日本浮世絵博物館(長野)

平木浮世絵財団(現在は展示会に貸出のみ)

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