例年とは違うお正月。
自宅で過ごすお正月休み。
こんなに自宅で過ごせる年末年始は初めてだと思います。
であれば、日本らしいものに触れて、自宅で楽しもう!
ということで、前々から気になっていた「切り絵」でお正月を楽しもうと
剪画師(切り絵師)の小沢直平先生に
「お正月らしい切り絵を教えていただけないか」
と突然連絡し、工房にお邪魔させていただくこととなりました。
年の瀬の忙しい中、面識のない私の申し出に快く対応していただいた小沢直平先生。
剪画歴はなんと64年! 御年77歳! 実はとても興味深い経歴の方で、子役から映画やテレビドラマに出られていて「ウルトラマンシリーズ」や「水戸黄門」「太陽にほえろ!」など子供の頃にみた懐かしい作品に多く出られていた役者さんでもありました。
40代で役者を辞め、現在は剪画師として作品を作られたり、講座をされているのですが、もう一度役者をやりたいと、2021年から活動を開始するそうなのです!! いくつになっても夢を持ち続けられるって本当に素敵です。活躍が楽しみです!
先生が今手掛けている(COVID-19)をモチーフにした作品です。
「切り絵」の歴史についても教えていただきました。
日本では古くから神様の式典に使われたり、染め物の型や寿司などに添えてある「バラン」などもそのひとつ。以前はどちらかというと裏の仕事であった「切り絵」ですが、50年前頃から「芸術作品」として世間に知られるようになってきたそうです。
切り絵作りは、まず原画を描いてそれを「裏打ち用紙」という紙に転写します。この裏打ち用紙を使用することで、作品が歪んだりシワやたるみが生じにくくなるそうです。
デザインを転写したら、カットする色紙と裏打ち用紙をアイロンで貼り付けて準備完了です。(裏打ち用紙は大手手芸品店やAmazonなどでも簡単に手に入ります)
初めて「裏打ち用紙」というものを知りましたが、アイロンプリントのようなものですね。
転写が出来るので、絵が下手でも気に入ったデザインを写せば良いので嬉しいです。
あとはもうカットしていくだけ。
初心者が始める注意点を何点か教えていただきました。
*内側から切る。細かいところから切る。外側を残しておくと紙をしっかりと押さえることができるので、寄れにくく安定して切れるそうです。
*円は刃をやや立て気味に細かく動かし、直線は刃を寝かして切る。
*紙と刃を両方動かしながら切る。(切りやすい位置で切る)
*コーナー部分は少し交差させて切ることで切り口が綺麗になる。
以上の注意点を聞きながら早速チャレンジ!
どんなことでもそうですが、実際にやってみると難しい。
ついつい力が入ってしまったり、切れていない所を引きちぎってしまったり性格が出ます(笑)
続きは自宅で作業することにして、仕上げの方法を教えていただきました。
出来上がった作品を和紙の上にのせて上からアイロンでプレスします。
その際に、作品とアイロンの間にクッキングシートを敷くこと。アイロンは滑らさず、プレスするように上から押すと綺麗に接着するとのことでした。
先生の作品も数点見せていただきました。
お正月らしい作品。七福神は世界の有名人。なんとなくわかりますね。よく見ると8福神になってます(笑)遊び心が楽しい作品です。
右上の太鼓のような丸い作品はガムテープの芯に作られたもの。実は照明になっていて、明かりをつけると和紙の優しい明かりの中に切り絵の模様が浮かび上がります。
身近なものでお金をかけず、簡単に作品が作れるのが切り絵の良い所だと先生はお話しされていました。
こちらは遊郭が身請けをする様子を表現した作品。
畳の目の細かさは気が遠くなりそうです。
さて、早速帰りに100円ショップで、カッターとカッターボードを購入したMocaです。
切り始めること約2時間ほどで初めての作品が出来上がりました!
「HappyNewYear」の文字をどのこ位置にするか色々考え。
アイロンでプレスしてマンションドアに飾ってみました。
自分で作ったものだから、なんだかシンプルで可愛い。
手作りで少し変わったお正月飾り。神様も良い運を運んでくれそうな気がします。
気軽に出来て、コタツに入って出来てしまう切り絵。
精神も集中出来るし、無心で無言になれます。
和のデザインが多いお正月に、ぴったりなハンドメイドではないかと思います。