こんにちは。皆さん、GWはご旅行、BBQ、家でのんびり……など、どのように過ごされましたか。私は連休中、日本三景・松島を訪れました。この日は晴天も手伝い松島はより一層美しく、胸のすく様な絶景を堪能できました。
松島に足を伸ばしたのなら是非立ち寄ってほしい寺院があります。伊達政宗公の孫にあたる光宗公が祀られている『円通院』。建築物、禅林、庭園と寺院が擁するもの全てに美しさと清々しさが感じられる名所です。
境内の”七福神庭園”は松島湾や湾内に実在する七福神の島を表した枯山水。七福神を守るような潮の流れを力強く砂紋が表しています。先ほど橋を渡りながら松島の海をじっくりと見てきたのでそれがよくわかりました。
石庭の先には禅林が広がっていて林を歩く前にこちらの小窓から林を覗いてみると……立ち位置の向きにより禅林の様々な表情が窺える乙な仕掛けを見つけました。
こちらの”三慧殿(さんけいでん)”に祀られている伊達光宗公は、文武に優れ、未来の伊達藩を背負って立つ才知ある若者でしたが19歳という若さでこの世を去ります。三慧殿の中には凛々しく馬に跨る光宗像が鎮座し、バラや水仙、ダイヤ、クローバーなど西欧の模様が丁寧に描きこまれています。当時の日本の鎖国制度により、これら西欧模様が描かれた三慧殿は約350年間、伊達藩秘蔵として幕府にも一般にも公開されませんでした。
”禅林瞑想の庭”をゆっくりと歩きながら時々立ち止まり目を閉じると、新緑の蒼い香り、木々の葉音に心が鎮まり、癒されました。吸い込む清らかな空気で体が浄化されていくような気持ちの良い散歩道でした。
中医学、薬膳の礎である中国古代哲学に『天人合一』という思想があり、人は自然の一部分であり、自然と人は互いに影響を与え合うという考え方。元ある自然を人が守り、手入れをして整えて実りを分けて頂く。また、自然の美しさから感動、癒しを与えてもらい人の心は豊かに……。禅林にてこの『天人合一』をほんの少しですが理解できた様な気がします。
年を重ねる中で審美眼が若い頃よりは多少養われ、情緒もわずかばかりは豊かになった今、自然と対話をしながら侘び寂びの趣を心から楽しめるようになりました。
OurAgeおでかけ女史組 natsuko