こんにちは、旅と神社仏閣を愛する吉田さらさです。
まだまだ暑い日が続きますね。
近年は日本中の気温が高くなってきたようですが、今回は、さすがにここまで来ればかなり涼しい北海道最北の島、利尻島と礼文島の旅をレポートします。
二つの島の魅力は、ダイナミックな自然景観、短い夏の間に咲く可憐な花々、そして美味しい海産物。旅好きなら一生に一度は行ってみたい憧れの離島です。
利尻礼文に行くにあたり、まず考えるべきは季節です。花が咲くのは5月~8月。それ以外の季節もそれぞれに美しい景観を楽しめるようですが、はじめて行くならやはりこの時期に行くのがよいと思います。
ちなみにわたしが行ったのは今年の6月中旬。東京はすでに暑く、経由地として一泊した札幌も30度近かったです。しかし利尻島や礼文島は、日が射さない時間は寒いくらいでした。7月~8月の上旬までが短い夏で、それを過ぎるとまた肌寒い日が増えてきます。
ということで、夏場に行く場合も、薄手のダウンジャケットやウインドブレーカーを準備していきましょう。
どのような交通機関で行くかも重要です。一般的には利尻、礼文、どちらの島へも稚内港からフェリーで渡りますが、どこからどのようにして稚内に行くか。
わたしは札幌の友人に会う計画があったため札幌発のバスツアーで行ったのですが、この行き方は正直言ってあまりお勧めではありません。札幌から稚内までは同じ北海道内でも5時間ほどかかり、そこから礼文島までフェリーで2時弱。行き帰りだけでほぼ2日間もかかってしまいます。東京からなら稚内まで直接飛行機で行くのが無難ですね。他の地方からは、新千歳空港まで行って稚内行きに乗り換える。
もしくは、札幌の丘珠空港から(季節運航で新千歳空港からもあります)利尻島までの飛行機もありますが、本数は少ないです。なかなかアクセスが難しいためか、北海道に住んでいても「行ったことがない」とか「若いころに一度行ったきり」という人も多いようです。そんなこともあって、利尻、礼文は、ますますもって「最果ての秘境」というイメージが強くなるのでしょう。
数時間バスに揺られてようやく稚内に到着。港から礼文島行きのフェリーに乗ります。
この船は天候が悪いと出航しないことも多く、「はるばる稚内まで来たのに島に渡れない!」ということもあるので、とりあえず船に乗れるのは最初のラッキー。まず二島のうち遠い方の礼文島に行きます。
礼文島の港は香深という名前。カフカと読みます。えっ、海辺のカフカ? なんだか最果ての島にふさわしい名前ではありませんか。
フェリーが大揺れする時もあるといいますが、この日の海は穏やかでした。
2時間ほどで礼文島の香深港に到着し、最初の観光地、「北のカナリアパーク」に行きました。吉永小百合さん主演の映画のロケ地です。海辺の岬にある分校を舞台とした映画で、今も撮影に使われた木造校舎が残っています。これはセットとして造られたものですが、風景の中に溶け込んで、まるで昔からここにあったかのように見えます。
本来なら、この場所から対岸の利尻島に聳える利尻山がくっきり見えるはずなのですが、雲がかかってどこにあるのかわかりません。お天気はよいのに残念です。しかし、あたりに咲き乱れる花々を愛でることはできます。
礼文島は真ん中に礼文岳という標高500mほどの山はありますが、比較的平坦な細長い島です。気温が低いため、本州などでは標高の高いところでしか咲かない高山植物が咲き乱れ、「花の浮島」という素敵な別名も持っています。
この日の宿は沖合の利尻島がよく見える場所にありました。しかし、到着時には雲が多く、何も見えませんでした。
辛抱強く待っていると突然雲が切れ、利尻山が世にも美しい姿を見せてくれました。通称利尻富士。ここから見ると、少し富士山に似た形です。
海の幸を盛り込んだ夕食。左端のウニに注目してください。ウニ漁は6月から9月まで。近年獲れる量は減ってきているので、この時期にしか食べられない貴重品です。ウニの色も要チェック。こちらは少し赤っぽいバフンウニです。黄色っぽいムラサキウニよりも希少で、味も濃いと言われています。
礼文島には、花と風景を楽しみながら歩くトレイルが張り巡らされています。
今回は二泊三日で2島を巡る忙しいツアーなのでゆっくり歩いている余裕はなかったのですが、時間と体力が許せば、何泊かして徒歩で巡るのも楽しそうです。
こちらは桃岩荘ユースホステル。昭和的な雰囲気を今も残す伝説のユースで、離島好きの間で大人気。
礼文島の固有種、レブンアツモリソウ。5月下旬から6月中旬までの短い間しか見ることができません。島の北部に群生地があり、自然保護のためのお金を支払う有料エリアとなっています。公開日も決まっており、わたしが訪れたのは、たまたまその最終日。これもまたすごくラッキーです。
きれいな色のハマナス。加藤登紀子さんの「知床旅情」にも歌われている北海道を代表する花のひとつです。
可憐な紫色の花、チシマフウロ。
エゾカンゾウもこの季節によく見られる花です。本州ではニッコウキスゲと呼ばれる花と同じ種類とのこと。
ランチは漁業協同組合が運営する食堂で。さすがにお刺身の鮮度が違います。
こちらのウニも赤っぽい色の希少なバフンウニでした。
さて、船に40分乗ってもうひとつの島、利尻島へ。こちらは真ん中に標高1721mの利尻山(利尻富士)が聳える火山島です。礼文島から見ると峰がひとつで富士山に似た形ですが、島を巡りながら角度を変えて見ると、同じ山とは思えないほど形が違います。
こちらは神居海岸パークというところから見た利尻岳。上の方は雲がかかって見えていません。海岸には噴火の際に流れ出た溶岩が固まった黒い岩が折り重なっています。
こちらは、通称「白い恋人の丘」付近から見た利尻山。頂上にとがった峰がいくつもあり、富士山には似ていません。
ちなみに、北海道土産で有名な「白い恋人」のパッケージに使われている雪山の写真はここから見た利尻山です。
姫沼に映る逆さ利尻山。ここから見ると峰は二つ。やはり富士山には似ていません。
利尻島の宿の夕食。こちらも海の幸盛りだくさん。ウニは黄色いムラサキウニですが、さっぱりクリーミーな食感で、こちらも美味しいです。
お味噌汁には豪快にホタテ貝が入っています。
翌朝、宿から一瞬だけ見えた利尻山の神々しい姿。ここからは峰がひとつに見えます。
フェリーに乗る前に最後に訪ねた富士野園地。ここも、映画「北のカナリアたち」のロケ地。吉永小百合さんと子供たちが、エゾカンゾウが咲き乱れる野原を歩きました。
利尻山を愛する冒険登山家、田中陽希さんの記念碑もあります。
ここからもきれいに利尻山が見えるはずですが、この時は雲がかかって見えませんでした。
エゾカンゾウが咲く岬の向こうに見えるポンモシリ島。
アイヌ語で小さな島という意味だそうで、野鳥がたくさん棲んでいます。
駆け足の旅でしたが、雲がかかりやすくて「見えなくて当たり前」と言われている利尻山を何度も見ることができたし、この季節しか食べられないバフンウニ、ムラサキウニも堪能できました。レブンアツモリソウをはじめとする6月の花々と出会えたのも幸せでした。
また近いうちに、もう少しゆっくり利尻島、礼文島を旅してみたいですね。
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