『自分とか、ないから。』
このタイトルを見た瞬間、「読みたい!」と強く心を掴まれました。気づけば入店30秒でレジ直行。本屋に1時間は居座る私が、です(笑)。

東洋の哲学者たちに絶妙なツッコミを入れながら、それぞれの思想を軽やかに、そしてユーモラスに紹介していく哲学エッセイです。
電車内で吹き出してしまうほど面白く、「偉人たちをそんな風に紹介していいの!?」「意訳が大胆すぎない?」と疑いたくなるのですが……ご安心を。監修は京大名誉教授で宗教学者の鎌田東二先生。正統な“笑って学べる哲学本”です。
実際に読んでみると、「聖人って生まれつきそうなれるわけじゃないの!?」「クセつよ偉人ばっかり!」と、親近感さえ湧いてくるっ(笑)。
章立てはこんな感じです。
1章「自分なんてない」
2章「この世はフィクション」
3章「ありのままが最強」
4章「言葉はいらねぇ」
5章「ダメなやつほど救われる」
6章「欲があっても良し」
6人の東洋哲学者の教えが、驚くほどシンプルに、わかりやすく書かれています。たとえば3章に心惹かれたなら老子や荘子の本へ、6章が気になれば空海の本や映画へ。自分の今の気持ちとリンクする哲学を見つける“道標”として活用できる一冊です。
自分探しをしてみたが見つからん!という方、何のために頑張ってるんだっけ?と、不安になっている方、良き妻・母もうやってられんわ!と、キレそうになっている方…日々に小さな虚無感、イラつき(笑)を抱えたタイミングで、ぜひ手に取ってほしい本です。
“推し学者”が見つかるはず
中医学を学び、生業としている中で、陰陽五行の哲学に心ほぐされ、楽に生きやすくなりました。他の哲学にも触れてみたいな――そう思っていたときに出会ったのが、この本です。
“哲学ナビゲート本”とでも言いたくなるような一冊。きっと、“推し学者”が見つかるはずです(笑)。私は断然、“老子”推し!
哲学は、人生の酸いも甘いも味わい、綺麗も汚いも見てきた女史世代だからこそ、より深く楽しめる“大人の学問”なのかもしれません。

『自分とか、ないから。』しんめいP著 発行・発売サンクチュアリ出版
natsuko【おでかけ女史組PLUS】さん
東京都
主宰する薬膳教室では世界の料理に薬膳のエッセンスを乗せ、楽しく美味しく体と心を調えていく薬膳料理をお伝えしています。毎日毎時毎分?食べ物のことを考え、趣味、特技も食べること!お料理、雰囲気に郷土の香りがほんわりと宿る温かいお店を探し、都内をグルグルグル・・・・・・。体と心が喜ぶ食にまつわる”おでかけ”を紹介します。