沖縄聖地の旅その2
那覇とその近郊の聖なる場所巡り
こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。
今月は、沖縄の聖地巡りの旅をご案内しています。
前回に引き続き、那覇とその周辺で見つけたお気に入りの場所をご紹介しましょう。
お気に入りの場所
その1 壺屋やちむん通り
「やちむん」とは、沖縄の言葉で焼き物のこと。壺屋は地名で、ここで産する陶器を「壺屋焼」と言います。今から約330年前、琉球王府が各地に散らばっていた陶工をここ壺屋に集めたのが、壺屋焼の歴史のはじまりです。
有名な観光エリア「国際通り」から徒歩10分くらい。焼き物の店や窯元が立ち並んでいますが、わたしはある時から、もう器は増やさないと決めたので、店は簡単に流すだけ。壺屋焼は素朴な味わいでとても素敵なので、じっくり見ている、とまた買いたくなって困りますからね。
ではここで何をするのか。それは街歩きです。やちむん通りとその周辺には、石畳、石垣、赤瓦の屋敷、など、昔ながらの雰囲気を残す場所が多く、迷路のようなスージグヮー(沖縄の言葉で路地のこと)を歩いているうちに、ふと不思議な世界に入り込んでしまうような感覚があります。古くからのウガンジュ(地域の人が神に拝むための拝所)もありますが、そこだけでなく、このエリア全体に、土地の神の気配が濃厚に漂っている気がします。
それほど広いエリアではないので、地図を見ないで、足の向くまま気の向くまま、ぶらぶら歩く方が、いろいろ発見があって楽しいです。わたしは、旅するときはいつもカメラを持って、道端にある仏様や神様の像を撮影しているのですが、ここ、沖縄ではシーサーに目が吸い寄せられます。
シーサーとは「獅子」、つまり、本土で言うところの狛犬とルーツを同じくするものです。狛犬は、神社やお寺に祀られることが多いですが、シーサーは、個人の家や屋根、通りなど、ありとあらゆる場所に祀られます。家や人、集落に災いをもたらす悪霊を追い払う意味があると言われます。これだけたくさんのシーサーがあるということは、沖縄には、そこら中に悪霊がいるということ?それでもやっぱり、シーサーに守られているから安心安心。
壺屋やちむん通りの情報はこちらにあります。
http://www.tsuboya-yachimundori.com/
次のページでは首里城周辺のご紹介です。
お気に入りの場所
その2 首里城周辺
首里へは、那覇中心部からモノレールで簡単に行けます。主な観光地は世界遺産首里城と玉陵(たまうどぅん)。首里城の周辺は広い森になっており、歴史的建造物が点在している。首里城見学を終えたら、この公園を歩いてみると、意外な発見があります。
首里城周辺には、かつて、仏教寺院や王族などの屋敷が立ち並んでいました。その中でももっとも重要なのが、この円覚寺。あれ、円覚寺って鎌倉の寺と同じ名前では?そう、この寺は、日本からやってきた南禅寺のお坊さんが初代住職を務めた臨済宗の総本山で、円覚寺に倣った七堂伽藍の形式を備えた壮麗な寺院でした。しかし、沖縄戦でほとんどが破壊されてしまい、現在は円覚寺跡という史跡となっています。
円覚寺の前には、「円鑑池(えんかんち)」という池があり、その池の中央に弁財天堂があります。ここには、航海安全を司る水の女神・弁財天が祀られています。建物は当初1502年に建てられ、1629年に修復されました。これも沖縄戦で破壊されたため、その後1968年(昭和43)に復元されました。
首里城と周辺には観光客が多いですが、少し離れると、ぐっと人は少なくなり、のんびり散歩ができます。ランチにお勧めなのは、「ほりかわ」という蕎麦屋さん。路地の奥にあるためなかなか探しにくいですが、行ってみる価値は十分。蕎麦屋さんと言ってもカフェ風のおしゃれな店で、ヘルシーな海藻料理が三つもついたセットメニューをいただきました。
「ほりかわ」の情報はこちら
http://www.tabirai.net/sightseeing/column/0004812.aspx
今回はもうひとつ、お気に入りの場所を…。次のページに続きます。
お気に入りの場所
その3 金城石畳道
昔、琉球時代に、首里城から識名園を経て那覇港へとつながる真珠道(まだまみち)という官道がありました。一部に石畳が残っており、昔の風情を味わいながら歩くことができます。スタートは首里城の守礼門近く。ただしここは相当な急坂です。首里城からは下りですが、下りきると、タクシーしか移動手段のないところに出てしまいますので、石畳道を途中まで下り、適当なところで首里城方面に引き返すのが無難です。でもそれは当然、たいへんな登りなので、できれば比較的涼しい日に出かけましょう。
最初の坂道を下りて行くと、見晴らしのよい場所に、「石畳茶屋 真珠」があります。
バルコニー席からは、はるか海までが臨めます。
石畳茶屋 真珠のオフィシャルブログ
さらに下って行くと、大通りに出ます。その先が、石畳道の入り口です。
坂道の途中から路地に分け入ったところの奥に、謎めいた森があります。「住宅街を歩いてきたはずなのに、いつの間にわたしは、こんなジャングルのようなところに来たのだろう」と驚くでしょう。その上、あたりには、何やら不思議な霊気が漂っているような・・・
樹齢300年のアカギの木もあります。ものすごいパワーを感じます。
このシーサーの隣には、「340年ほど前、村人がここを通るたびにただならない霊気を感じるので、これはただごとではないと王府に願い出て拝所を置き、神々と人々の交流の場となった」と書かれた立て札があります。なるほど、沖縄では、人の暮らしがあるところなら、どこにでも神様に祈る場所があるのです。
金城石畳道の情報はこちら
http://www.okinawastory.jp/spot/1360
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